九州八十八ヶ所百八霊場めぐりはホークスの筑後キャンプ見学後、筑後船小屋から久留米に向かうルート。筑後船小屋駅、そしてタマスタ筑後のすぐ近くにある第59番・光明寺に参詣後、鹿児島線の列車に乗る。
筑後船小屋の次は羽犬塚。筑後市の中心駅である。今回筑後に来るにあたり、せっかくなので泊まったことがない筑後市で1泊、翌日にその先のエリアと合わせての札所めぐりというのも検討したが、今回は結局日帰りとした。羽犬塚には新幹線の駅はないが、鹿児島線の区間快速で羽犬塚行きというのがあり、それで何となく印象に残っている駅名である。
それにしても、筑後市の九州新幹線の駅が羽犬塚ではなく筑後船小屋に設けられたのはなぜだろう。新大牟田や新玉名のように在来線の駅から離れているわけでもなく、羽犬塚駅のすぐ横を通っている。周辺の人の利便性なら羽犬塚に新幹線駅を設けたほうが需要がありそうだ。筑後船小屋にホークスのファーム本拠地があるから・・という向きもあるだろうが、できた順番として逆である(筑後船小屋駅があることがファーム本拠地の誘致にプラスになったことはあるかもしれないが)。
羽犬塚の次の西牟田で下車する。筑後船小屋から九州新幹線の高架とずっと並走しており、新幹線の走行音もすぐ横で響く。大牟田、西牟田と似たような駅名が続くが、この「牟田」というのは、湿地を開墾した土地という意味とのこと。現在は簡易な駅舎があるのみだが、かつては貨物の取り扱いもあったそうだ(駅周辺にある程度の空き地が広がっているのは昔の名残だという)。
ここから、第10番・不動寺を目指す。案内板があり、住宅の間の狭い道を行くとほどなく到着する。
さて、これまで九州八十八ヶ所百八霊場をたどり、先ほど訪ねた光明寺は第59番、そして第89番以降の後発組の札所も100番台に入っている。それがいきなり第10番とは・・。この九州八十八ヶ所百八霊場めぐりにおいては特に札所番号順にこだわっているわけではないが、久留米より南にあることで九州一周として後に残ることになった。
この不動寺はいつ頃からあるだろうか。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの公式サイトによると、凰令尼という人が仏教の聖地であるインドのブッダガヤにて不思議な体験とともに「釈迦の教えを広めよ」との釈尊の言葉を授かったことで、この地に寺を建てたとあるが、それがいつの頃か書かれていない。現地に行ってみて、案内板にて1970年の建立であるとわかった。
不動寺という名前にあるように本尊は不動明王だが、九州八十八ヶ所百八霊場のほかに九州三十三観音霊場、九州二十四地蔵尊霊場の札所でもある。寺じたいの歴史は50年あまりとはいえ、積極的に活動しているといえる。
本堂の扉は閉まっているので外からお勤めとして、「納経所」の貼り紙がある小さなお堂に向かう。こちらに不動明王の石像とともに、各札所のセルフ朱印、書き置き朱印が用意されている。先ほどの光明寺に続き、自分で納経帳に押印。
このお堂を囲むように四国八十八ヶ所の本尊石像や十三佛が並ぶ。これはどこかから持って来たものかな。
この後、西牟田から鹿児島線の列車で久留米に到着。以前にも久留米を経て筑後の札所をめぐったこともあり、ようやくここまで戻ったかという気持ちである。
久留米から筑後川を渡り、少し進んだところに第94番・大日寺がある。次回のルートは久留米から佐賀へと向かう予定なのでその時に回ればよく、今回で九州一周のコマが久留米まで進んだということでおしまいにしてもよいのだが、さすがにまだ時間がある。帰りまでもう1ヶ所、大日寺を訪ねることにするか・・・。