まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

残り7所プラス1

2015年09月30日 | 西国三十三所
来季は福良監督か・・・。まあ、結局はこういう選択肢しかなかったのか。やはり梨田氏は球団合併時点で、「近鉄ではないバファローズ」とは縁を切ったのだ。

いよいよ10月。年度でいえば後半のスタートだが、年でいえば残り4分の1。この9ヶ月が早く過ぎたように感じる。

昨年の8月から始めた西国三十三所巡りだが、現在のところ残りは7所。今熊野観音寺、清水寺、六波羅蜜寺、圓教寺、長命寺、観音正寺、そして結願となる華厳寺。

ここまでのくじ引きとサイコロの結果、次は観音正寺に行くことになっている。今考えているのは、安土城跡とも組み合わせたウォーキングである。後はこれをいつ実行するかということで・・・。

タイトルに「プラス1」と書いたのは、納経軸に入れる番外の朱印。軸には5つの番外スペースがある。厳格な取り決めがあるわけではないが、法起院、元慶寺、花山院という一般的に外せない3ヶ所に加え、高野山、比叡山、四天王寺、東大寺、そして信濃の善光寺といったところから朱印をいただくのが定番とされている。私は先の3ヶ所はクリアしており、この夏休みの旅行で「お礼参り」で行くとされる善光寺を訪れ、先回りする形で朱印をいただいている。となると残り一つだが、実家の宗旨ということもあり高野山を入れることにする。

これを含めて、今年の残り3ヶ月で8所を回りたいと思う。順番としてどうかと思うが、お礼参りや番外としての高野山も先に行って、最後は岐阜の華厳寺で締めとしたい。

急がなくても、慌てなくてもいいのだが・・・・。
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坂口退団?

2015年09月28日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
愛着あるチームだからと大幅減俸を受け入れるか、いやいや自分はまだまだできると退団して新天地を探すか。その選手の価値観が出るのではないだろうか。

現在5位争いのオリックス・バファローズだが、先に引退表明した谷、平野恵はともかく、まだ公式戦も終わっていないのに、この選択肢を迫られた選手がいる。馬原に次いで坂口(井川は・・・まあいいか)。

中でも「坂口が?」というのは意外。確かに故障で出場していないが、数字には現れない貢献は大きいと思う。それでも、チームの構造を変えるということならば生え抜きのベテランも関係ないということか。

ただそのために事実上退団というのでも、坂口くらいならこんな形で自由契約にしなくても、他球団とのトレードで例えば中継ぎ投手でも獲得できるのでは(後藤の時も、結果として損得は議論が分かれるとしても鉄平を獲得したように)。

いや逆に、坂口から申し出があったのかもしれない。この辺りは当事者ではないし、ネット記事に出ているだけだから何とも言えない。いずれにしても、晴れて移籍となれば新天地で頑張ってほしいものだ。

・・・その前に、新監督は誰になるんだろうか。有力視されていた梨田氏はイーグルスに決まりそうだし、ならば福良代行の昇格かとなると、その強い声も挙がらない。となると他に噂されていたラミレスか、田口か。いやいや全く予想だにしなかった名前が出るか・・・。
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中村勝広GM急逝

2015年09月24日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
23日は会社のゴルフコンペが兵庫県内であり、帰りはクルマで中国自動車道に乗る。秋の連休最終日で大混雑を覚悟していたが、混雑のピークはその前の日だったようだ。宝塚西トンネルで12キロの渋滞はあったが、これは普段の日曜日並み。予想よりスムーズに大阪に戻ることができた。
車中では東京ドームでの巨人阪神戦のラジオを聴いていた。同点の7回に巨人が勝ち越すも、9回に阪神が同点に追いつく。しかし最後は巨人がサヨナラ。両チームとも譲らない接戦だった。

帰宅するとちょうど18時のニュースの時間。何の気なしにテレビをつけていると、「阪神、中村勝広GM急死」のニュース。思わずびっくり。先程の試合中継ではそんな話はなかったが・・・。

中村勝広氏といえば、私が名前を知ったのはMBS毎日放送の解説だったと思う。その後阪神の監督になるものの結果は出ず・・・。高校の同じクラスに、中村氏と似た名前の友人がいて、よく「ダメ監督」といじったものだ。

功績としては92年に亀山・新庄らを起用してヤクルトと優勝争いしたのが挙げられる。その後GMの業務をいろいろ務めたことからも、交渉事や「寝業」、あるいはさまざまな陰謀が渦巻く世界は苦手だっただろうが、選手を発掘したり見極めたりする力はあったのではないかと思う(ただ表情が・・・やはり何か哀しいものを背負っているような)。

中村氏はオリックス・バファローズにも縁があり、訃報では触れられてなかったが、元々GMとしてやって来た経緯がある。球団統合初年度の監督の仰木彬氏の急逝で監督が空席になったところ、結局後任が見つからず自分が監督になった(やらされた?)。清原和博、中村紀洋を獲得して、「中村勝つカレー」なるものも売られたが、成績は振るわず1年で解任。以後球団本部長として、2009年の「ビッグボーイズ打線」を揃えたり、阪神との「人事交流」を行ったり。そして阪神のGM。

選手としてタイトルをたくさん獲る活躍をしたわけでもなく、監督やGMとしてはいつもボロカスに叩かれる。阪神ではいまだに「暗黒時代の象徴」とまで言われている(だから、私も似た名前の友人をイジるのだが)。

ただ、こうした「地味な実務型」というのも悪くない。選手引退後もなんやかんやでいろんな立場で野球に携わり、現場とフロントの両方ができる人はそういるものではない。球界にGMは何人かいるが、報道を見る限りでは、もっとも地道に、かつGMらしい仕事をしようとしていたのは、中村氏ではないかと思う。
いじられ役まで一手に引き受けるし・・・。

別に「中村GMの訃報を受けた和田監督と阪神ナインが奮起して、ここから大逆転優勝!!」という展開は期待しないし、そんな論調の大阪朝日をはじめとする関西マスゴミの連中には嫌悪、いや殺意すら覚えるのだが・・・・。
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ラグビーに注目?

2015年09月21日 | ブログ
週末のスポーツでもっとも大きかった話題といえば、ラグビーワールドカップでの日本代表の20何年かぶりの勝利だろう。しかも、世界ランキング3位の南アフリカを試合終了前のラストプレーでの逆転で破ってのものだ。

日本のラグビーのランキングは13位。3位と13位なら結構上位同士の戦いに見えるが、ここには大きな実力の隔たりがある。また、ラグビーはサッカーなどと比べて番狂わせが起きにくい競技と言われている。だから日本ラグビーにとっては歴史的な快挙であり、南アフリカにとっては同じくらいのランクのチームではなく日本ごときに負けたのは屈辱とまで言われている。

この結果について、いろんな人がいろんなことに例えて言っている。中には「桐谷美玲がレスリングで吉田沙保里に勝つようなもの」というものもあったが、ラグビーの日本代表もプロのアスリートなのだから、女優に例えるのはさすがにしんどいと思う。

野球なら、高校生がメジャーに勝つようなものか。いやせめて社会人野球やクラブチームがメジャーに勝つようなものか。逆に、立場を入れ替えると、ヨーロッパかアフリカの国が、プロを揃えた日本代表を破るようなものか。見方とすれば後者のほうが近いのかな。

ラグビーの日本代表の特徴として言われるのが外国人選手の存在。日本に帰化していなくても、本人が日本で生まれたとか、両親のいずれかが日本人であるとかいうのも代表の資格がある。もっと言えば、日本で何年かプレーしていれば代表入りの資格がある。日本代表の中に何人か南の島らしい顔つきの選手や白人の選手がいるが、こうした選手が日本代表の底上げに貢献していると評価されている。いずれも日本代表であることに誇りを持ってプレーしている。国別対抗戦でどこまで外国人を認めるかは見解が分かれるところだろうが、こういうのもありだと思う。

ラグビーといえば、次回日本で開催のワールドカップでのこけら落としが計画されていた新国立競技場の建設問題でとばっちりを受けた(選手たちは何も悪くないのに)感じだが、これからの試合次第では追い風が吹いてくるのではないだろうか。南アフリカ戦は単なる番狂わせなのか、いやいや日本の力がついてきたとなるのかが楽しみである。試合中継がテレビで見られればいいのだが・・・。
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今季は主力選手の引退が目立つような・・・。

2015年09月19日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
「他にも今季限りで引退ではないのか??と思う選手もいるが、今のうちなら一緒に引退試合に入れてもらえそうな感じ」

二つ前の記事で、オリックスバファローズ・谷の引退について触れた後にこんなことを書いた。

・・・それが平野恵一とはね。いや別に、この選手が念頭にあったわけではなく、むしろ驚き。今季は故障者の多さに苦しんだチーム、平野がいなくなったセカンドには西野が定着したものの(その西野もケガで今季は出られなくなったが)、まだまだ「壁」として来季は頑張ると思っていただけに残念である。

谷、平野ともブルーウェーブを支えた選手。10月3日は平野の引退試合となるだろうか。まともなプレーはできないかもしれないが、セレモニーだけでもやってほしいものである。

この時期となると選手引退、またしばらくすると戦力外通告が公表される。それにしても、今季は90年~00年代に活躍した主力級が多い。ふと「これらの選手だけで1チーム作れるのでは」と思う。

並べてみると・・・

1番中堅 森本(西武)

2番二塁 平野(オリックス)

3番右翼 谷(オリックス)

4番一塁 小笠原(中日)

5番左翼 和田(中日)

6番捕手 谷繁(中日)

7~9番、三塁、遊撃、指名打者がまだ埋まらないか・・・。

先発投手 西口(西武)

中継ぎ 高橋尚(DeNA)

中継ぎ 木佐貫(日本ハム)

抑え投手 斎藤(楽天)


・・・選手の顔ぶれを見るとまだ半分の球団しかなく、優勝したソフトバンクは今はそういうムードでもなく、優勝争い、CS争いが激しいセ・リーグ4球団はそれどころではないだろう。今のところ、昨年の日本ハム・稲葉のように「○○選手が今季限りで引退」というのを試合のモチベーションアップにしている球団は出てこない。

それでも、上に書いた仮想チームに新たな「メンバー」が加わることは間違いないだろう。

今季はトリプルスリーの山田、柳田、200安打の秋山といった若い力が台頭した。一方で引退選手だけでそこそこのチームが出来上がりそう。時代の節目になるシーズンだったのかなと思う・・・・。
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ホークス、ぶっちぎりの優勝

2015年09月17日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
ここまで強いと、「あっぱれ」「まいりました」としか言うしかない。

大阪での胴上げはなかったが、福岡に戻りライオンズ戦に勝利してホークス優勝。9月17日に決まるというのは、ドーム球場ができて日程消化が順調に行くようになった背景はあるものの、リーグ史上最速。

ここまで強いと、クライマックスシリーズのファイナルはどこが勝ち上がってもホークスが圧勝すると思いがちだが、そうはいかないのが短期決戦。ホークスも過去に痛い目に遭っている。だから、どんな試合も手を抜かず全力で勝ちに行くだろう。

翻ってバファローズときたら・・・まあいいか。18日からは仙台で5位攻防戦。投手陣を惜しみなく投入し、何ならガラスのエースもリハビリ兼ねて投げさせて、ここで「ガッチリと」5位確保といきますか・・・。
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大阪でのホークス胴上げはないかな?

2015年09月15日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
気づけばマジック2。ホークスがバファローズに勝ち、ファイターズがイーグルスに敗れれば、ホークスの優勝が決まる。大阪での胴上げとなるとそれこそ南海ホークスの時代まで遡るそうだ。

さて途中経過を見ると、バファローズとファイターズがリードする展開。この先試合がどう転ぶかわからないが、ホークスがバファローズに逆転勝ちすることはあっても、ファイターズがイーグルスに逆転負けすることはないだろう。

となると、今日15日での胴上げはなし。そうすると16日もすんなりとは決まらないのではないかと思う。

まあ、ホークスにすれば一つでも多く勝ち星を積み重ねたいところだが、この際、大阪での胴上げは飛ばして、続く福岡でのライオンズ、マリーンズ戦辺りで決めてもらえれば・・・という気持ちだ。

さて、以前の記事で10月3日の本拠地最終戦のことを書き、何かイベントがあるかなと期待していた。すると、当日は試合終了後にファンクラブ会員対象にグラウンドでの選手とのハイタッチが行われるとの告知があった。今季は期待されながら残念な結果だが、まあ来季に向けて頑張れという場面。

そして当日はどうなるか。今季で谷佳知が引退となるが、その引退試合をいつやるか。本拠地最終戦で行われることが多いことを考えると、ここに持ってくるかな。

次のバファローズ監督が誰になるかという話が出ているが、いきなり次はないにしても、いずれは「谷監督」というのもあるかな(少なくとも、一部で言われている「イチロー兼任監督」よりは現実的)。

他にも今季限りで引退ではないのか??と思う選手もいるが、今のうちなら一緒に引退試合に入れてもらえそうな感じ。

当日は「この試合の結果で最下位が決定する」かもしれないし、いろんなイベントが行われるから、ぜひとも行きたいものである・・・(表題からえらい脱線した)。
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BCリーグ後期は福島と富山が優勝

2015年09月13日 | プロ野球(独立リーグほか)
13日の試合の結果、BCリーグの後期優勝は、東地区が福島ホープス、西地区が富山GRNサンダーバーズに決まった。

福島は元ヤクルト、大リーグ、楽天の岩村明憲が選手兼任監督を務め、リーグ参入1年目での優勝である。地区チャンピオンシップは前期優勝の新潟と対戦。

一方の富山は、終盤で福井を逆転しての優勝。やはりタフィ・ローズ効果は大きいようで、8月は月間MVPも獲得した。優勝のかかる13日の試合でも先制タイムリーを放ったそうだ。こちらは、地区チャンピオンシップで前期優勝の福井と対戦する。

BCリーグはこの地区チャンピオンシップを勝ち抜いたチーム同士で5戦制のリーグチャンピオンシップをかける。さらに、BCリーグと四国アイランドリーグのチャンピオン同士による5戦制のグランドチャンピオンシップが行われる。次週から10月半ばまでがポストシーズンとなる。

独立リーグ日本一をかけたグランドチャンピオンシップは過去に2試合観戦したことがあり(富山対香川、徳島対石川)、地方同士のぶつかり合いというのも面白く感じた。最初は四国のチームが勝ち続けていたが、上に書いた徳島対石川が行われた2011年で石川が初めて日本一になってから、BC側が押し返している。今はリーグ間の実力差もほとんどないのでは。

残念ながらどこのチームが出場しても観戦に行くことができないのだが、結果は注目するところ。ただあえてこの中だとできれば富山、あるいはこれまで年間優勝がない福井あたりに日本一を狙ってほしいのだが・・・。
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最終戦くらいは観に行こうか

2015年09月10日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
NPBプロ野球の優勝争いも佳境。パ・リーグはホークスの優勝はもう確実で、あとはいつどこで決めるかというところだろう。これからの試合、特にホームゲームはおそらくチケットは完売しているだろうから、あとはどの試合のチケットを持っている人が「当たり」なのか、ファンの方は楽しみだろう。

またセ・リーグも、阪神、ヤクルト、巨人の優勝争い。ここで阪神が抜け出してマジック点灯のチャンスはあるが、逆に混線に呑み込まれ、さらにCS争いにカープやDeNAが割って入って、気づけば優勝どころかBクラスということも考えられる。こちらはこちらで最後までわからない。

またこれは思いっきり余談として・・・先日観戦したBCリーグの西地区では終盤に富山GRNサンダーバーズが逆転で後期優勝のマジックが点灯しているが、これも最後までわからない。

今季は優勝争いから脱落し、CSも絶望のオリックス・バファローズ。9日の試合で東明が二桁勝利を挙げ、久しぶりに頼もしいニュースであった。開幕前はローテーションの5、6番手に入れるかなという程度の期待だったのが、気づけばチームの勝ち頭。まあ、シーズンのここまで故障しなかったのが大きい。だからこそ、故障で離脱した(あるいは離脱中)の投手陣が万全で臨んでいればというのが悔やまれる。きちんと投げれば二桁行ける顔ぶれだったはず・・・。

ということを今になって言ってもどうしようもないが。

9月のバファローズはほとんど遠征しているかのような日程である。いわゆるシルバーウィークの期間もビジター。

そんな中で、10月3日のホークス戦がホーム最終戦という。うーん、昨年の最終戦での優勝決定試合が10月2日だったか。前評判通りなら、この試合が場所を変えての優勝決定試合になっていたかもしれないのだが、今やホークスにとってはCSファイナルステージへの調整試合でしかないだろう。

それでも、バファローズには必勝の試合かもしれない。ひょっとしたらイーグルスとの5位争いがここまでもつれ、「勝てば5位、負ければ最下位」かもしれない。皮肉にも2厘差で順位が決まるかもしれない。5位も最下位も一緒なのだろうが、後々年表を見返すと結構大きい。特にイーグルスは日本一からの「2年連続最下位」だけは後々まで汚点となるだろうから、5位は確保したいだろう。

そんな争いになるだろうが、ホーム最終戦となれば何かイベントはあるだろう。前売りの指定席もほとんど埋まっているようだ。私も大正ドームは5月の大阪クラシック以来観戦しておらず、最後くらい行くのもいいかなと思う。

今季は途中で休養となったが、森脇監督もシニアアドバイザーとして球団に残るのであれば、ホーム最終戦だけでも指揮を執ってはどうだろうか。ファンにも賛否両論あるだろうが、そういう試みがあってもいいと思う・・・・。
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来季のバファローズ監督は・・・

2015年09月08日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
このところ旅のことやBCリーグの記事が続いていて、オリックス・バファローズのことを書くのも久しぶりである。

今季は結局浮上することなしに、最後は良くて5位、そうでなければ最下位。いずれにしても、ローズ、カブレラ、ラロッカ、フェルナンデスという大砲4門を確保しても実戦では故障が相次いで機能しなかった2009年並みというか、今季のほうが期待度が高かった分、凹むのが大きいという展開である。

ここまで来ればもうCS進出に向けてどうのという話題も出なくなった。金子も今季はもう投げない(実質3ヶ月の登録期間で7勝を挙げたのは、病み上がりを考えればなかなかだと思う)ので、もう来季に向けた戦いでいいのではと思う。また、今日も背番号16が何かやらかしたらしい。まあ、今さらもういいですよ。

となれば、焦点は来季の監督が誰かということに移る。休養の森脇監督はシニアアドバイザーになった(それにしても、最近この手のナントカアドバイザーとか、カントカディレクターだのというポストが増えてきたなあ)。

いろいろ飛び交う情報や、ネットの声を総合すると、「梨田昌孝」「ラミレス」「福良代行昇格」「田口壮」というところに分類されそうだ。

順当に行けば梨田監督だろう。近鉄、日本ハムとそれぞれ違うカラーのチームを率いての優勝はすばらしい。以前にも監督の話があったのを断ったそうだが、今では大阪クラシックの時にはゲストで出ているし、以前のようなわだかまりも少ないのかなと思う。

ただ、シニアアドバイザーに森脇監督がいるというのが、障害にならないかと思う。二人が監督とコーチならいいのだが、監督とアドバイザーというのはお互いにやりにくいのでは。

・・・とすると、監督は森脇シニアアドバイザーがバックアップする関係のほうが良いと思う。ならばラミレス監督・・・となるのだろうが、もっといろんなところに候補を広げてもいいのではないだろうか。ラミレスも面白いが、これまで挙がっている以外にも監督候補はいるはず(別に、独立リーグにいるとは言ってませんよ)。

・・・シーズンオフは楽天と監督の取り合いになるかもしれないが、それも含めて今年から来年というのを注目したい・・・。
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BCリーグ観戦記@おおい~優勝の行方を争う大乱戦

2015年09月06日 | プロ野球(独立リーグほか)
福井はおおい町の総合運動公園に到着する。野球場以外にも体育館やテニスコート、多目的グラウンド、サッカーグラウンドなどを併設する施設で、多くの人が利用するところである。

入口では福井の選手、地元おおい町の観光大使の女性たちが観客を出迎える。この試合は「おおい町の日」として、おおい町が全面的にバックアップして開催される。おおい町はスポーツ施設が充実していることもあってチームの合宿では使われるそうだが、公式戦は年に1回のみ。また入場料は無料である。これは球場の造りにも関係していて、ネット裏とベンチ上は観客席があるものの、それ以外は外とはフェンスで仕切られているだけで、タダ見しようと思えばいくらでもできる。そのためにいっそのこと入場無料にして、その分お客さんに来てもらおうというところだろう。

飲食物の販売はなかったが、代わりにおおい町のブースが出ていて、地元の具材をつかったそうめんの振る舞いや物産の販売が行われている。茶漬けやチップスといった鯖のへしこのほかにも、梅が特産ということで梅を使った菓子なんかも売られている。

グラウンドではちょうど富山の試合前練習。ローズの姿も見える。富山の若い選手とも談笑しているし、一塁側の福井の外国人選手のところにもやってきて言葉を交わしている。こういう気さくなところがいい。

さて、今季の公式戦もそろそろ終盤に差し掛かっている。BCリーグは福島、武蔵、群馬、新潟の東地区と、信濃、富山、石川、福井の西地区に分かれていて、かつ前後期制である。今季の西地区は吉竹春樹新監督が率いる福井が前期を制覇し、後期も首位をキープ。一時は優勝マジックも出た。これに0.5ゲーム差の2位でくっついているのが富山。富山は前期は地区最下位だったから、シーズン途中で加入したローズ効果というのは大きい。両チームの直接対戦はこれが最後。優勝争いに向けて大きな一戦である。

昨年もこの球場で観戦したが、この時は福井が前期優勝までマジック2として迎え、結果次第では優勝が決まるというもの。BCリーグの村山代表も表彰式を見据えて来場していた。ただ試合は福井が終盤に崩れて大敗。おまけに前期優勝も逆転で富山にさらわれた。今年の試合はどうなるだろうか。

試合前にはおおい町の和太鼓のチームによる演奏、女性グリークラブによる国歌斉唱、おおい町長の挨拶と始球式といったイベントがある。おおい町は大飯町と名田庄村が合併して今の形になったが、今年で現在の町制10周年である。この試合も10周年行事の一環という。

また福井の選手がポジションにつく時にはボールの投げ込みが行われる。大人、子どもに混じって私も参戦。こういうのはなかなか取れるものではないが、この球場は観覧エリアが狭いからチャンスはあるか。そして来たのを手を伸ばしてキャッチ。投げたのは福井の森。おっ、昨年試合を見て俊足と器用な打撃がなかなかいいなと思った選手である。昨年福井に入団し、秋のドラフトには「指名候補」のリストにも載ったこともある。結局指名はなく2年目を迎えているが、盗塁は稼ぐものの打撃が今一つのようだ。この日は9番センターで先発。

先発投手福井が藤井(元ロッテ)、富山は秦(元横浜)。いずれも元NPB在籍で、現在はそれぞれのチームの投手コーチも兼任しながら先発も務める。藤井は福井のエース格存在で、これまでも福井戦を観に来た時はこの人が先発というのが多かった。配布されたプログラムによると在籍7年目でここまで49勝。この日勝てば50勝に到達するが、BCリーグでは元石川の南に次いで2人目のことという。一方の秦は先月金沢で観戦した時に完投勝利を挙げた。「お互い勝ちに来ているよ」というファンの会話が聞こえる。

初回は両投手とも三者凡退で抑え、2回表、4番ローズが打席に向かう。そしてあの独特の構えを取ると、スタンドから歓声が上がる。この球場にローズが来るのも恐らく初めてのことで、地元のファンもナマの姿を見るのは初めてというのが多いだろう。ここは藤井がテンポ良く投げ込んで変化球で空振り三振を取る。

2回裏、福井は5番ジョニー、6番杉の連打で一死一・二塁と先制のチャンス。ここで7番荒道はライトへの大きなフライ。タッチアップで三塁に行けそうな当たりだったが、二塁走者のジョニーはそのまま。一発はあるが俊足とはいかないようで、これにはスタンドからもヤジが飛ぶ。結局無得点。

先制は富山。3回表、9番佐伯がチーム初安打を打ち、1番岡野は四球。2番大久保が三遊間を破って二死満塁とする。ここで3番野原、4番ローズ、5番大上戸という強力なクリーンアップを迎える。野原がどういう打撃をするか・・・と思うと手首への死球。押し出しで1点先制。スタンドからため息が出る。

続くローズはセカンド後方へのフライ。ライトが来るかと思うがセカンドの小松崎がこれを背走で追いかけ、背番号をこちらに向けたまま捕球。福井は何とか1点でしのぐ。この試合一番の好プレーだった。

早速福井が反撃。この回先頭の森がライトへのクリーンヒットで出塁。1番小松崎も続き、送りバントで一死二・三塁と一打逆転のチャンス。続く3番大松はストレートの四球で一死満塁。ここで4番中溝に押し出しの死球。富山の3回表と同じような形で同点となる。なおも満塁だが、ジョニー、杉が続けて凡退。こちらも1点止まり。

中盤は両チームともランナーを出すものの得点が入らない。4回表は富山が二死一・二塁、5回裏は福井が二死満塁とそれぞれチャンスを作るが無得点。両先発が粘っているというか、攻撃の決め手を欠くというか。5回まで来て結構試合時間が長い。

5回裏終了後にはおおい町の宿泊施設「うみんぴあ」のペア宿泊券や特産品の詰め合わせが当たる抽選会。入場者全員に抽選券が配られていたが、2組当たる宿泊券は私の1番違いの番号が当たりだった。惜しい。

6回表の先頭はローズ。打球は藤井の横を抜けてセンター前へ。「やっぱり打球が速いわ」という声が聞こえる。この後一死一・二塁となり、7番板倉の打球は一塁へ。これがライナーとなりキャッチ。一塁走者が戻れず併殺となった。

これが福井に流れを引き寄せたか。6回裏、先頭の8番浜崎がヒットで出塁。迎えるは森。勝ち越し点を狙うためにここはバント。しかしファウルで2ストライクに追い込まれる。「バントくらいせんか!」というヤジが飛ぶ。結局スリーバントはあきらめて打撃に切り替え、結果はセンター前ヒット。これでこの試合3安打目。う~ん、打撃はいいのだがバントもきちんとできないとNPBにはなかなか・・・。無死一・二塁となり、好守備を見せている小松崎は初球にバントを決めて一死二・三塁のチャンス。

ここで代打・森田の打球はショートへ。ショートの鈴木が捕ってバックホーム。タイミングは際どかったがセーフの判定。鈴木の野選となり福井が2対1で勝ち越す。

・・・とここで、三塁側ベンチから吉岡監督が飛んでくる。ホームベースを指さしての猛抗議。ネット裏まで声が聞こえてくる。一塁側、三塁側の応援席からもヤジが飛ぶ。そこに加勢(?)してきたのはローズ。ローズといえばアレですな、乱闘やら審判への抗議、侮辱行為で退場13回というNPB記録を持つ。ただ年を取って丸くなったのかどうかはわからないが、ここは吉岡監督の腰に手をやって、むしろ抑える側に回っている。それにしても、試合展開は別にしてこうした元近鉄2人が並ぶ姿というのも懐かしいなと思う。

この後、大松への四球で満塁とした後、中溝がレフトオーバーの二塁打を放ち、4対1と突き放す。先発の秦はここで降板し、左のサイドスローの竹林が登板する。続くジョニーの内野ゴロの間にもう1点入り、この回だけで4点。5対1と福井ペースの試合となった。

藤井は7回まで投げて1失点。これでBCリーグ通算50勝に到達かな。8回には2人目の内藤が登板。ただこの投手が不安定で、四球と2本のヒットで二死満塁とする。ここで鈴木にフルカウントの末、四球で押し出し。5対2となる。富山もチャンスは作るが得点が四死球というのももどかしいところ。

8回裏、またも福井が二死満塁として、途中出場の栗田の当たりはショートへのゴロ。ショートの鈴木はフォースアウトを狙って二塁へ送球するが、一塁走者の足が一瞬早くセーフ。これで1点入って6対2。鈴木に「これで3アウト」という油断があったかどうか。

ここまで長々と試合の記事を書いているが、両チームとも常に塁上を賑わせているが得点が思うように入らないという展開。14時に始まった試合も、時間は3時間を超えて17時を回った。この後福知山まで走って19時までにレンタカーを返さなければならず、そのためにはいくら遅くなっても18時には球場を出ないといけないが、まあ残り1回である。このまま福井が逃げ切りそうだが、富山も一人出塁すればローズに打席が回る。何とか最後にもう1打席見てみたい。

すると先頭の岡野が出塁。この走者が残ればローズまで打席に回る。よしよしと思うと、続く大久保もヒットで続く。無死一・二塁でクリーンアップの左3人を迎えるところで、福井は右の内藤から左の川部に交代。

ところが続く野原にストレートの四球を与え、無死満塁とする。ローズに打席が回ればいいなと思っていたのが、無死満塁という絶好のチャンスで回ってきた。三塁側の富山ファンは沸くし、ネット裏からは「これでホームランが出たら大変だ」とざわつく。マウンドに選手、コーチが集まるが、川部も心なしか緊張した表情。

ローズは「絶対に初球ストライクを取りに来る」と思っていたか、甘いボールをきっちり合わせてセンター前へ。これで2人が生還し、6対4と2点差に追い上げる。なおも無死一・二塁となりローズはここで代走が出て退く。富山の選手、ファンは大喜びで、これで流れは向こうに行ったかな。ただまだ2点差ある。

左の3人を抑えるために出てきた川部だが、結局一死も取れずに右の佐々木に交代。しかし大上戸もセンター前に運び無死満塁。そして望月もセンター前に運び、また2人が生還する。とうとう6対6の同点になった。終盤に来ての富山の猛攻。「集中力が違うんじゃろ」という声が聞こえる。それとも、福井のリリーフ陣に難があるのか。これで藤井の勝ち星、通算50勝も消えた。前回の登板でも終盤に追いつかれて勝ち星を逃したという。

続く板倉は凡退したものの、まだ一死一・二塁で鈴木がライトオーバーの二塁打。これで一人が還ってとうとう7対6と富山が逆転した。ここで佐々木も降板。続いてトラヴィスが登板する。「またこれが、ストライクが入らないと来ている」という声が聞こえる。いろいろと見ているファンならわかるのだろう。果たしてというか案の定というか、岡野に四球を与えて満塁とし、続く大久保にも四球で押し出し。8対6となった。続く野原が三振で倒れてようやく9回表の攻撃が終了。この回だけで打者12人、6安打、3四球で6得点。攻撃も30分以上続き、いやはや、最終回にえらいことになった。この展開だと、試合が終わるのは18時前になるか。試合終了とともに球場を出なければならない。試合終了後の選手のお見送りやサインやらというのはあきらめることに。

いっぺんに劣勢、最後の攻撃となった福井だが、8回途中から登板の元気から先頭の浜崎がヒットで出塁。続いてここまで4安打の森。2点差なのでランナーを貯めたいところだが、見逃し三振。ヒットは4本出たが、バントが決められなかったり、センターからレフトに回った時にはシングルヒットの当たりをファンブルして打者走者を二塁まで進めてしまったり、牽制で刺されたりと、ミスのほうで目立った感があった。

それでもこの後富山のエラーも出て二死一・三塁と最後のチャンスを作る。最後は途中出場の片山が凡退して試合終了。4時間を超える熱戦は8対6で富山勝利となり、順位が入れ替わった。直接対決を終えたため、今度は富山に後期優勝のマジックが点灯した。

試合終了後はグラウンドと外の間が短いためか、選手たちはすぐに外に出て来てファンのお見送り。ただ、選手に声をかけるだけの時間はなくなった。急いで駐車場を後にする。迷うことなく大飯高浜インターから舞鶴若狭道に乗り、何とか走ったが福知山のインターに着いたところで19時5分前となった。インターから駅までは5~6キロ離れており、時間的に無理ということでインターを出たところで一旦クルマを止めて営業所に連絡。営業所じたいが19時までの営業で、私が戻らなければ閉められないのだが、延滞金のことは何も言わずに、ガソリンだけ満タンにしてから戻るように言われる。市内もさほど混雑しておらず、給油の後結局駅に戻ったのは19時15分頃。レンタカーを返却し、売店で夕食を買い求めて19時31分発の丹波路快速に乗る。

先に書いたように、昨年のおおい町での試合も終盤に投手陣が崩れて福井は大敗、前期優勝がするりと逃げて行ったが、今年は9回表に4点差を逆転され、後期優勝を目前にして首位陥落となった。たまたま2年続けて乱戦を観たわけだが、何かあるんじゃないかと思わせる。最後にどういう結果になるか、これも注目したいものである・・・・。
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第29番「松尾寺」~西国三十三ヶ所巡り・32(初のクルマ巡礼)

2015年09月06日 | 西国三十三所
西国三十三所、今回は丹後・舞鶴にある松尾寺である。元々は成相寺とセットで1泊2日で行こうと考えていたのだが、日程確保が難しかったので切り離し、今回の番となった。

松尾寺の最寄駅は小浜線の松尾寺。東舞鶴の次の駅であり、鈍行乗り継ぎでも大阪から日帰りで行けるところだが、小浜線の本数が少ないため到着は11時を過ぎる。それならば、松尾寺の到着をゆっくりにして、それまで舞鶴見物というのもありかなと。寺へは駅から山道を歩いて50分とある。

さてそんな中、先日金沢で観戦したBCリーグのサイトを見て、ふと日程をチェックすると、福井県は若狭湾に面したおおい町で福井ミラクルエレファンツ対富山GRNサンダーバーズの試合が行われるとある。この球場は昨年観戦に訪れていて、小浜線の若狭本郷駅から歩いて10分ほどのところの総合運動公園にある。富山といえば、タフィ・ローズがいる。これは同じ小浜線沿線で、松尾寺参拝とセットにできないか。

時刻表を見てみたが、試合開始の14時に合わそうとすれば、松尾寺は早朝に行かなければならない。ただ朝の列車には間に合わず、福知山あたりで前泊しなければならない。昨年は舞鶴観光とセットでおおい町に行くために、大阪を夜遅くに出て福知山のカプセルホテルで仮眠したが、今回はそれも難しい。

・・・となると、クルマか。マイカーは手放しているし、JRのキャンペーンがきっかけで西国巡り始めたこともあって、これまで札所は公共交通機関、徒歩を心がけていた(那智山の青岸渡寺へはツアーバスで訪れているが、その後2回目は列車とバスで行っている)。だから駅やバス停から長々と歩いたこともあった。自分で作ったルールを破る形になるが、致し方ないかな。

マイカーはないのでレンタカーを利用するが、さすがに大阪から走るのはしんどい。青春18きっぷの1回分もあることからJRも使いたい。結果、福知山までJRで行き、駅レンタカーを利用して松尾寺とおおい町のBCリーグの試合を巡ることにする。レンタカーの営業時間は19時までだが、野球は14時開始で17時過ぎには終わるとして、その後選手のサインをもらったり何やらしても17時半に出れば、舞鶴若狭道を使えば間に合うだろう。

さて早朝に大阪を出発して、福知山に到着。高架下の駅レンタカーの受付を訪ねると、カウンターにはすでにキーが出ていた。先に料金精算を行い、出発する。今回1日利用するのはダイハツのムーブ。本当に足代わりに乗るわけなので、軽で十分だ。舞鶴若狭道は帰りに乗るとして、行きは下道を走る。周りの景色や町の様子を見るには下道のほうがよい。

福知山城の天守閣を見て、由良川を渡り府道8号線を走る。綾部まで山陰線と並走する。続いては国道27号線。1車線の道ではあるがゆったりした造りで走りやすい。軽だから余計にそう感じるのかもしれないが。今度は舞鶴線と並走するが、本数が少ないためか列車の姿を見ない。1時間弱で舞鶴の市街地に入る。海上自衛隊の桟橋に巡視艇を見る。ちょうど週末恒例の桟橋公開で、訪れる人の姿も見える。一瞬そちらに立ち寄ろうかと思ったが、今回はまず松尾寺に行くことにして巡視艇や赤レンガ倉庫群は車窓から見るにとどめる(ハンドルを握っているので写真もなし)。

舞鶴の市街地を抜け、松尾寺が近づくとふと思った。先ほど「公共交通機関または徒歩での西国巡りを心がけていた」と書いたが、このクルマで直接寺に行くのではなく、松尾寺の駅前にでも停めさせてもらって、そこから歩いて行けば「駅から徒歩で行く」ことになるのでは。松尾寺は無人駅だが、駅前のロータリーにそのくらいの場所はあるだろう。

松尾寺駅は国道27号線から数十メートル入ったところにある。果たして、駐車スペースはあった。・・・ただ、停めることはできなかった。ちょうど駅前で工事を行っていて、駐車スペースは工事関係車両で埋まっている。少し離れれば停められないこともないが、路上駐車になってもいけないので、そのまま走らせることにする。国道27号線に戻り、少し走ると松尾寺の看板が出て脇道に入る。それにしても、駅前からここまで、店はおろか自動販売機一つない。駅から歩くなら食料、飲み物は事前にしっかり準備しておく必要がありそうだ。

寺までは舗装された道を上るが、途中で「徒歩近道」という自然の歩道がある。歩道といっても結構草が生い茂っているし、まさか遭難することはないだろうが結構勇気がいりそうだ。仮に歩くとしても、自然歩道よりこのままクルマ道を行ったほうが無難なようだ。

坂道を5分ほど上り、山門前の駐車場に出る。大阪をはじめとした他県ナンバーのクルマが多い。山門に行くとちょうど白衣姿の巡礼たちが参拝を終えて下りてきたところ。またウォーキング用のポールを持った人もいる。駅から歩いて来たのだろう。

山門をくぐる。通常両側から二体の仁王像が出迎えてくれるのだが、ここは写真パネルである。何でも解体修理を行った後、宝物館に保存するようになったのだとか。その宝物館も常時開いているわけではなく、期間限定である。秋の見学期間はシルバーウィークからとのこと。

山門をくぐった右手に記念碑がある。西国霊場の徒歩巡礼を記念したものである。松尾寺の住職・松尾心空氏は徒歩巡礼を行う「アリの会」を主宰し、また徒歩巡礼に関する著作も出している。その会が西国巡礼を3回達成したことを記念して建てたとなる。ただ、後で納経の時にいただいた「菩提樹」には、「アリの会の解散に臨んで」という見出しの松尾氏の一文が載せられていた。物故者が増えたこと、また松尾氏自身も米寿を迎えることもあり、この10月で解散するという。

石段を上がり手水所へ。手水用に細工をしたというよりは、天然の岩をそのまま置いてくり抜いてデンと置いた形。岩に苔が生えているというのはこれまで他に見なかったような。

本堂にお参りする。中から係の人が出てきて「よかったら中へどうぞ」と通される。本尊の馬頭観音は77年に一度しか公開されないそうで、目の前にはお前立ちの馬頭観音。別に馬の顔をしているわけではなく人の顔なのだが、観音像と言えば普通穏やかな表情の中、憤怒の表情が特徴である。悪魔を下す、煩悩を断つ功徳があるとされている。ただ一般には「馬」に関する信仰ということで、農耕の守り神とか、交通安全、果ては競馬の必勝祈願ということで親しまれている。

本堂の縁側に、さまざまな人生訓が書かれた紙が置かれている。中に「極楽、地獄の岐れ(わかれ)道」というのがある。「幸福への近道」と「自分で不幸をつくる人」とが対比されて並んでいる。こういうのを読むとハッとさせられる。ここで読むだけではなく、1枚買い求めて部屋に掲げるとするか。

納経所は本堂から石段を下りたところの本坊にある。松尾寺は拝観料は取らないが駐車料金は必要で、朱印の代金と一緒に駐車料も支払う。私が松尾寺にいた時も他の参拝者の姿をちらほら見かけたが、ほぼ全員がここに入って朱印をいただいていた。松尾寺のアクセスを考えれば、何かのついでに観光で来るというよりは、松尾寺にお参りするというはっきりした目的があって来ている人が多いのだと思う。ちなみにJRのキャンペーンのスタンプは松尾寺駅にはなく、この納経所にあるので忘れずに押す(JRの駅なら東舞鶴駅で押してもらうことができる)。

ここで、次の行き先を決める。選択肢は残り4つとなった。

1.姫路(圓教寺)

2.安土(観音正寺)

3.近江八幡(長命寺)

4.東山(今熊野観音寺、清水寺、六波羅蜜寺)

サイコロは一度目は「5」が出たのでやり直し、次に出たのは「2」。観音正寺である。ここも徒歩だと結構難所だと聞いている。またいろいろと攻略法を考えなければ。さすがに夏の暑さのピークは過ぎたので、行くには行きやすいが・・・。

クルマで松尾寺を後にして、おおい町方面に向けて走る。途中の若狭高浜にある道の駅で昼食用に焼き鯖とへしこが乗った弁当を買い求め、合わせて土産用に焼き鯖寿司、鯖のへしこ、小鯛の酢漬けを買い求める。

おおい町に入る。野球場は国道沿いにあるが、開門まではまだ時間があるので一度素通りし、国道を離れて山のほうに入る。佐分利川沿いに5分ほど走ったところに昔造りの堂々とした屋敷造りがある。若州一滴文庫。おおい町出身の作家、故・水上勉が「村の子どもたちのために」ということで建てた総合文学館で、現在はNPO法人の手で運営されている。水上勉が子どもの頃の貧困や寺の小僧生活の中で育ち、さまざまな職を転々とする中で、「好きな文学の道に入って、本をよむことが出来、人生や夢を拾った。どうやら作家になれたのも、本のおかげだった」(パンフレット記載の本人の文)として、今度は村の子どもたちのためにということで蔵書を寄贈したのがこの文庫の始まりである。図書室には児童書も含めて2万冊の蔵書がある。

水上勉の作品をそうたくさん読んでいるわけではないが、故郷である若狭や北陸の風情が感じられたり、また一方では貧困を描いたものもある。自分の故郷や実人生がベースになっている。展示では水上勉自身や、水上文学にゆかりの深い作家の作品が紹介されていたり、竹人形の展示もある。竹人形は文楽人形の造りで、越前、若狭は上質の竹が採れることから盛んになった芸術である。水上勉も竹人形の文楽座を主宰していた。

このおおい町というところも、里山風景もあれば海もある落ち着いた感じの町である(原発・・・もあるが)。そんな町で行われるBCリーグの試合。そろそろ、球場に向かうことにする・・・・。
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北陸新幹線に乗車

2015年09月04日 | 旅行記D・東海北陸
金沢から第3セクターや地方私鉄、バスなどを乗り継いでやって来た高崎。わずか20分後には新幹線で離れることになる。

横川には長距離きっぷを扱う窓口がなかったので、Pitapaをタッチして列車に乗った。一旦改札を出て、新幹線のみどりの券売機で乗車券を購入する。新幹線で金沢を経由して大阪市内までだが、スムーズに発券できた。

私は今回乗り鉄の旅としてこのルートを利用するが、群馬と関西を純粋にビジネスや観光で行き来する場合は、東京回りで行くか金沢回りで行くか、割合としてどうだろうか。やはりスピードは東京回りのほうが有利だが、往復で違う経路を利用するのも面白いかもしれない。行きは東海道新幹線プラス上越新幹線、帰りは北陸新幹線プラスサンダーバードとか。乗車券の距離が伸びれば割安になるルールを活用すれば、(京都でぶつかるが)一周コースの乗車券を買ったほうが安くてついたりして。そもそも群馬県~関西間にどのくらいの需要があるのかあやしいが、群馬県側が北陸新幹線を巻き込んで関西からの観光客を取り込もうというのは十分ありだと思う。。

やって来たのははくたか567号。割り当ての席は2人掛けの窓側。進行方向左側で、天気が良ければ八ヶ岳や立山連峰が望める。各駅停車タイプの列車だが、私の乗った車両は8割方埋まっていた。

車内の色調は落ち着いた感じだし、シートの背は高くゆったりしている。のぞみのような、ビジネスビジネスして無味乾燥とした冷たさは感じない。

高崎を出ると先ほど下ってきた碓氷峠をトンネルで一気に通過する。その途中で、安中榛名は知らない間に通過していた。各駅停車タイプといいつつも、この駅だけはしっかり素通りする。

長いトンネルを抜けて軽井沢に到着。ここから金沢まで各駅に停まる。

次は佐久平。小海線との乗り換え駅である。町並みの向こうに八ヶ岳を望む。佐久平の駅前には新幹線開業を機にホテルもいろいろ建っている。今回の旅の計画でも、「泊まったことがないから」と佐久平一泊も一時候補に出たことがある。

今朝方降りた上田に到着。反対側の車窓なのでよく見えなかったが、午前に新幹線の走りを見た上田城の櫓も一瞬目にする。

それにしても、トンネルが多いなと改めて思う。新幹線の宿命と言ってもいいくらいに感じる。

トンネルを抜けると信越線の線路が見えて、長野着。ここでそこそこの数の客が降りる。停車した位置から見えるホーム横の看板に、金沢~長野1時間というのを強調した学校の広告を見る。鈍行なら丸一日!?の区間が、新幹線なら1時間。もちろん新幹線料金がかかる中で(下宿か自宅通学か)思案のしどころだが、こういう行き来ができるのは新幹線ならではだろう。北陸新幹線開業は野球にも影響がある。巡業で長野と北陸をセットにした連戦が組めるとか、例えば巨人が北陸シリーズに移動するのもも飛行機から新幹線に変わったとか。

長野駅を出てすぐ左手に、前夜泊まった長野第一ホテルがある。前夜は屋上の露天風呂から新幹線を見て、今度はホテルを見上げる。もちろん風呂の様子は見えないが。

長野からは旧信越線沿いではなく、妙高の山々を迂回するように進路を北東にとる。里山風景が広がり、飯山に到着。うーん、飯山線に新幹線が来たか。やはり山越えが難所なのと、長野の北にも一つ駅を作っておきたかったのだろうか。

飯山に到着。この辺りは冬は積雪も多いと聞く。試運転で雪への対策はできているだろうが、営業運転で初めて迎える冬をどう乗りきるか。

飯山から長いトンネルを抜ける。そして出たのは広々した水田地帯。飯山線からえちごトキめき鉄道をショートカットする形で上越妙高に到着。新幹線としてはJR東日本と西日本の境界である。そんなこともあってか、この駅で5分ほど停車する。

ふと、直江津の駅弁を思い出す。新幹線開業を機に上越妙高に店を出すとあったが、この時間で買えないか。ホームには売店がなく、階段下にあるかと降りてみる。確かに店はあったが・・・改札の外。新幹線なので途中下車はできず、駅員に訳を話せばこっそり出してもらえたのかもしれないが、そうすると時間が足りない。結局あきらめる。

在来線~えちごトキめき鉄道だと直江津から糸魚川を経て泊までの区間は日本海を眺める区間はあるが、それでも現在の線路は最初に敷かれた線路は比べてトンネルで結ぶ区間が増えている。そこへ来て新幹線である。

糸魚川に到着。今の新幹線駅が建つ場所は、以前は側線が並び、レンガ造りの機関庫があった。機関車ではないが、三色のキハ52が顔を並べていた大糸線の風景を思い浮かべる。

糸魚川からはそれこそトンネル。高速道路は親不知を、海の上に橋脚を並べて過ぎていくが、新幹線は完全にスルーである。もう、こういう地名や車窓を車中で実感することはない。

黒部宇奈月温泉に到着。富山地鉄の車内ポスターで、「地鉄に乗れば東京まで250歩」というコピーを見た。これを裏返せば、「北陸新幹線に乗れば宇奈月温泉まで250歩」である。乗り換えは発生するが、黒部のトロッコ列車にも行けるし、路線は違うが地鉄を乗り継げば立山にも行ける。ここは観光客誘致に頑張ってほしいところ。

その立山連峰は雲に隠れて見えないが、富山平野に入って周りも開けてきた。そして富山到着。ここで下車が増え、車内は空席が多くなった。

富山の市街地を抜け、見慣れない市街地、向こうには工場やヤードが見える。新高岡である。高岡の中心を避ける形で、城端線と交わるところに駅ができた。この時間では乗降客の姿はあまりなかったが、新高岡ができたことはこの街の人たちにどのような影響を及ぼすか。

・・・高崎からほぼ各駅停車でやって来た新幹線も、最後の山越えで倶利伽羅峠を抜けて、金沢の市街に入る。2日かけて乗り継いだ区間を2時間半で戻った。ようやく、今回の旅のお目当てに乗れてよかった。これでJR全線乗車の維持かな・・・と思いきや、宮城では東北線と仙石線を結ぶ新たな路線ができているし、上野東京ラインは区間としては乗車済みとしていいだろうが、新たにできた線路は乗車対象かな。来年は北海道新幹線も函館まで開業する。JR乗りつぶしというのも、これからまだまだ続くテーマである。

金沢からはサンダーバードで大阪に戻る。乗り継ぎ時間を利用して駅弁を買おうとしたが、ホームには売り場がなく、コンコースに出てもよくわからない。結果、コンコース内のコンビニで夕食を揃え、おにぎりのコーナーでとろろ昆布をまぶしたおにぎりも買う。ここだけは、旅の最初に戻った感じだ。

また、戻りついでで北國新聞も買う。金沢でBCリーグの野球を観たのが16日。その結果を伝えるであろう17日は・・・何と新聞休刊日。で、18日の夕方になって朝刊を買ったが、さすがに石川ミリオンスターズの結果は載っていない。でも、紙面ではお盆期間中の観光客増や、石川県の産業がいい方向に向いていることを紹介していた。新幹線開業で注目されているし、プラス面をことさら強調しているのかもしれないが、紙面からは北陸の景気がいい様子が伺える。後は、この先も続くかというところ。太平洋側とは一味違った形での盛り上がり、経済成長というのを期待したい。

金沢を出ると日が暮れて、後は大阪まで走る。今回福井は往復とも通過だったが、北陸新幹線はこの先敦賀まで来る。北陸にあって関西とのつながりが最も強い福井県が、新幹線でどうなるか。これはまた気に留めたいことである。

・・・前日の深夜バスも含めた今回の北信越行き。3日の日程はとても印象に残るもので、趣向を変えてもまた来たいと思った。まだまだ知らないこと、体験したことがないことも多いし・・・・。
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混雑の軽井沢から碓氷峠を越える

2015年09月02日 | 旅行記C・関東甲信越
上田からしなの鉄道の軽井沢行きに乗る。遠くには頂上こそ雲に隠れているが浅間山の稜線が見える。浅間山といえばこのところ活動期に入っているそうで、先日小規模噴火もあった。昨年の御嶽山の噴火もあるし、小笠原では新たな噴火で島ができたり。また桜島も活発である。偶然が重なるというよりは、日本の地形がいろいろ動く時期に入っているのかもしれない。

列車は駅ごとに乗客が増え、立ち客も大勢いる。旅行の出で立ちの人も目につくが、地元の中高生も多い。この辺の人たちは長野にも行くのだろうが、日常的に軽井沢にも行くのだろう。別荘やリゾート地としてだけではなく、最近は巨大なアウトレットモールもでき、そういうところでも十分1日過ごすことができる。

軽井沢に到着。この列車は横川行きのバスに接続している。ホームは混雑しているが急げば間に合う。ただ、ここで歩きを緩め、コインロッカーにキャスターつきバッグを入れる。結局、横川の鉄道資料館はパスし、軽井沢で時間を過ごすことにした。横川には3時間後に出る次のバスで移動して、そのまま信越線に乗り継いで高崎まで行っても、予約の新幹線には間に合う。

さすがに駅前はカラッとした空気で、風も心地よい。軽井沢といえば旧軽井沢、銀座通りのいろいろな店がイメージされるが、別に買い物をするわけでもなくしゃれた店でランチ・・・という目当てもない。ただ、せっかくなので自然の涼しさを味わいたいと思う。・・・とここで出るのが、白糸の滝。自然の涼しさという点ではピッタリだ。名前は聞くが訪れたことはないのでちょうどよい。さすがにレンタサイクルで手軽に・・・とはいかず、草津温泉に抜けるバスで30分近くかかる。

バスの時間まで少しあるので、隣接する軽井沢の旧駅舎を見に行く。室内では碓氷峠越えの鉄道や、草軽電鉄の歴史を紹介している。これから乗るバスも草軽電鉄バスで、かつての鉄道の名をとどめる。

駅横にはホームがあり、駅名標もある。かつて碓氷峠を越える動力となったEF63の電気機関車や、国鉄急行型の165系(中はかつての新幹線用リクライニングシートが並ぶ。しなの鉄道でも使われていた車両)が並ぶ。また駅前には草軽電鉄で使われていた機関車もいる。電鉄といっても今の大手私鉄とは違い、小型機関車が小型客車や貨車を牽く軽便鉄道だが、今でもオールドファンには人気である。横川の鉄道資料館のように、広大な敷地に数多い種類の車両が並ぶ・・・とはいかないが、碓氷峠や草軽の鉄道史に触れることができたのでよかった。

さてそろそろ白糸の滝に向かうバスに乗ろうと乗り場に行くと、長蛇の列。こんなに多くの人が白糸の滝に行くのか。いや、その先の草津温泉まで行くのか。しかもやって来たのは街中を走る路線型車両ではなく、急行という名の観光型車両。乗降口は前一ヶ所しかなく、通路は狭いし吊革もない。私の番では席は全て埋まり、立っていても後から乗る客に押されて最後部まで行く。これで白糸の滝で降りることができるのかな・・・。

駅から旧軽井沢に入る。両側にはさまざまな店が並び、歩行者、自転車も多い。そしてクルマも多く、なかなか前に進まない。景色が止まるので、座っている人たちは外を指差して窓越しの店や人々のことをあれやこれやと言っている。

ようやく最初に停まる旧軽井沢のロータリーに着く。と、意外にもここで席を立つ客が目立つ。白糸の滝や草津温泉に行くのではなく、旧軽で降りるのか。ならば別に長い距離を走るバスに乗らなくてもと思うが、街中を走るバスの便自体が少ないのだろう。

席が空いたので座る。人であふれているエリアということもあるが、道が混むのはこの先に町営の駐車場があり、クルマで来て街歩きを楽しむなら自然とここに駐車することになるようだ。だから余計に混む。

この駐車場を過ぎるとクルマの流れは多少スムーズになった。三笠通り。別荘が並ぶ一帯である。バスの中では「別荘じゃなくて自宅でもいいから住んでみたいなあ~」という会話も聞こえる。

別荘地を過ぎると国有林の広がる一帯となり、やがて白糸の滝に到着。渋滞こそないが、駐車場はクルマであふれ、大勢の観光客がいる。

白糸の滝はバス停から遊歩道を歩いてほど近いところにある。何百メートルの高さを豪快に流れ落ちる・・・のではなく、水の流れは穏やかだが、横幅が広い。行ったことはないがナイアガラの滝の水流を弱めればこう落ちるという感じ。自然の長い歴史でこの姿になった滝とはわかっていても、パッと見た感じでは人工的なものを思わせる。わざとナイアガラ風に仕立てて、どこかに水の出る仕掛けでもあるのではと。

むしろ、滝壺から下がったところで、滝壺からさらに下に水が落ちるのも含めて捉えたほうが面白い。

時刻表で見た予定では、昼食も取りつつ白糸の滝でゆっくり過ごし、バスで降りて来るというものだったが、滝があんな感じで周りにはゆっくりできるところもなく、バス停脇の土産物店、食堂も混雑。実は「滝を見ながらの弁当」をイメージして、軽井沢駅で「峠の釜めし」を買っていた。ただこれは考えが甘かった。とても釜めしを広げられるだけの場所がなかった。

・・・そこへ、草津温泉から軽井沢駅に戻るバスがやってきた。もう白糸の滝には長居無用かと、予定より一本早い便だがこれに乗る。何なら、駅に着くまでに先ほど通ってきた区間で降りて、少しの観光を楽しもう。

この後下車して訪れたのは、旧三笠ホテル。軽井沢の鹿鳴館とも称されたお洒落な建物で、重要文化財にも指定されている。

ホールや客室も当時の姿に近い感じで調度類が並ぶ。ホテルといっても今のビジネスホテルとは全く異なり、二間続きの部屋もあるゆったりした空間。浴室やトイレは現代の感覚だと古びたものに見えるが、当時は先端のものだったのだろう。宿泊費は今の貨幣価値に置き換えれば一泊食事つきでいくらくらいかかるのかな・・・?

一通り見学したが、次のバスにはまだ時間がある。ならばということで、バス道に沿って別荘地を歩く。そのうちバスも追いついて来るだろう。

道路の両側に広がる別荘地。いろいろ趣向を凝らした建物がある。庭には高級車やスポーツカーが停められているが、あまり人の気配を感じない。こういうところで一夏を過ごすのはどういう階層の人たちなのかなと思う。

そんな別荘地も開けて、また旧軽井沢銀座に戻る。ここに来るとクルマの流れは悪くなり、渋滞で停まっているのを横目に駅までの道を歩く。レストランやブティックが多い中、不動産屋もちらほらと見かける。こういう店に来るのはどういう客層かな。中国マネーも流れ込むとかあるのか。

結局旧三笠ホテルから軽井沢駅まで4キロほどを歩いたが、時刻表では途中で追い越すはずのバスの姿は見なかった。次の横川行きのバスの時間を10分遅く勘違いしており、軽井沢駅で息を整えている時間はほとんどなかった。慌ててコインロッカーの荷物を取り出し、すでに乗り場にいたJRバスに乗り込む。運賃は現金先払い。席はほとんど埋まっていた。私を追い越すはずのバスは、予定では白糸の滝からの帰りに乗るはずのバスで、軽井沢駅では20分の乗り継ぎ時間だったが、もしそれに乗っていたら横川行きに乗り遅れていただろう。さすが夏の混雑スポットである。このバスも横川からの高崎行き列車の乗り継ぎ時間はおよそ15分。大丈夫とは思うがもし渋滞していたら焦るだろう。高崎行きに間に合わなければ、その時点で予定の新幹線を逃すことになる。

混雑といってもバスは旧軽井沢銀座とは反対側に向かうためかスムーズに行く。国道19号線も順調で、これなら大丈夫そうだ。右に左にカーブを取りながら碓氷峠を下る。群馬県に入るのは何年ぶりだろうか。東京勤務から関西に戻って初めてではないかと思う。ただその群馬県も、高崎からすぐに新幹線に乗るから実質1時間くらいしかいない。

駅の手前に鉄道資料館があり、敷地の横を走る。屋外展示の機関車の姿がチラリと見える。今回の横川はこれで終わり。一時は訪問スポットにも考えた富岡製糸場ともども、群馬県に来たいものである。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、15時前になってもこの日は昼食を取っていない。白糸の滝を見ながら食べようと買っていた「峠の釜めし」も手つかず。

・・・ならば、そもそもの販売地である横川でいただくか。幸いやって来た折り返しの高崎行きは、昔ながらのボックス席が並ぶ115系。しかも緑とオレンジの湘南色。独自車両がどんどん入るJR東日本にあって、高崎から先(東京から見て)の区間はまだまだ国鉄型の走りを体験できる。

今回、北陸新幹線に乗る前に、2日かけて金沢から高崎までいろんな列車を乗り継いだ。地域に根差して便利なサービスを感じたところもあれば、やはり路線が行政の都合でズタズタに切り裂かれたマイナスを感じたところもある。でもそれらは、旅行者がたまたま感じたものであって、日常利用している地元の人たちはもっといろいろな強い思いがあるだろう。第3セクターになったから新たな客を取り込んだかもしれないし、やはり鉄道は不便な乗り物だとますますクルマに流れた客も多いだろう。

それぞれの会社、路線のスタイルで運営しているので、まずは路線の維持に頑張ってほしい。そして相互のメリットとなるサービスはもっと積極的にやってほしい。難しい話とは思うが、新幹線ほどの速さと快適さはないものの、安くてそこそこの速さと快適さで都市間を結ぶ快速列車を走らせるのもいいのではとも思う。

新幹線開業の陰に隠れた形にはなったが、こうした第3セクター、あるいは地方私鉄がこれからどんな経営を展開するか、気に留めておきたいものである。

・・・で、いよいよ北陸新幹線である。サンダーバードと合わせて、わずか5時間半で大阪に戻ることに・・・・。
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