19日は晴天の中、甲子園ボウルの立命館対早稲田の両校の対戦を観戦。
私の思いとしては母校・関大カイザーズが出場することを期待していたが、西日本代表校決定戦で惜しくも敗退。それでもアメフトの大学日本一決定戦ということもあるし、こういう時でなければ甲子園球場に行くこともないので、西日本代表の立命を応援するために甲子園に向かう(正直なところ、関大の出場を期待して前売りチケットを購入していたのだが)。
陣取ったのは一塁側内野指定席のアイビーシート。アンチ西宮某球団であり、高校野球もさほど興味がないとあって、間違っても座らないシートである。これまでの甲子園ボウルは外野の芝生にフィールドが設けられ、ライトからレフトへの攻防を外野スタンドから観戦するスタイル(一方の東日本代表校の応援席は内野グラウンド上に設けられた仮設スタンドで、それはそれで面白いように思うが)だったのが、今年は内野グラウンドに芝のマットを敷設し、ホームベースからバックスクリーンへの攻防を一塁側・三塁側双方から観戦するというもの。
ちょうどアルプススタンドが両校のチーム席として開放され、それぞれの応援で盛り上がる。三塁側も早稲田とあって結構埋まっていた。
今年は大学駅伝、野球、そしてラグビーと早稲田が強く、またマスコミも早稲田出身者が多いのか報道も「早稲田、早稲田」である。大学スポーツは圧倒的に早稲田を筆頭に関東の学校が強く、関西が対抗できるものといえばアメフトくらいのものだろう。「早稲田を倒して日本一」・・・いいじゃないですか。
戦前の予想では立命館有利であるが、早稲田もRB末吉の巨体を生かしてのランプレーが光っており、立命館のディフェンスがそれを阻止できるかも一つの見所のようである。
さて立命館のキックオフで始まった1Q。開始わずか1分、早稲田QBの広野のパスを立命館荻須がインターセプト。そのまま走りこんで先制のタッチダウン。ただその後のキックを失敗するという何とも荒れた立ち上がり。
その後、立命館にもミスが目立ち、たちまち早稲田が末吉のタッチダウンで7対6と逆転。昨年の関大対法政大の一戦がノーガードの打ち合いのような、何でもありの試合だったのを思い出し、「この試合もどうなるのかな」と思わせる。
ただこれで立命館も気持ちを入れなおしたか、その後はQB谷口を中心とした攻撃を見せる。QBの仕事というのは、長いパスを投げるとか、RBに絶妙のタイミングでトスして一気に走らせるか、その司令塔ぶりを見るのが楽しみなのだろうが、昨年の関大・原口もそうだったが、この谷口も「自分で持って走る」という攻撃が得意のようだ。それってどうなんだろうかな。最近の新しいスタイルなんだろうか。1Qは立命館が逆転して13対7とリード。
2Qになると完全に立命館のペース。谷口が自分で持って走る攻撃のほかに、RBの高野橋(27番)へのホットラインも機能して面白いように相手陣内を動き回る。2つのタッチダウンを奪い27対7で前半終了。逆に早稲田は末吉が封じ込まれ、またQBの広野も最初のインターセプト以降、サックはされるはパスは決まらんわで踏んだり蹴ったりの様子。
それにしても、こういうフィールド競技になると反対側の陣地でプレーしているのが小さく見えるのが難点。その辺り、プレーの視点が比較的安定している野球などの球技と違うところだ。
3Q、4Qも立命館の圧倒的な攻撃の前に「早稲田もこのまま7点で終わるのか」と思ったが、4Qの後半になって早稲田もようやく盛り返し、2つのタッチダウンを奪い48対21とする。
ただ反撃もここまでで、立命館が2年ぶり7度目の優勝を果たした。甲子園ボウルMVPには高野橋、年間のMVPであるミルズ杯には谷口が選出された。
試合終了後の表彰式だが、ちょっと移動してこちらも絶対に入ることのないバックネット裏に移動する。甲子園ボウルでは自由席扱いのこのエリア、野球のテレビ中継ならばっちり映るネット裏最前列の席に座る。フィールドが低く感じられ、なるほどこの席で野球を観たら迫力あるよなと思わせる。
甲子園球場・・・野球で来てもいいかな。
さて帰りの阪神電車。いつもの黄色い連中が占拠する雰囲気とは違いアメフト談義。「やっぱりルールがようわからんわ」という声の一方で、「今日みたいなワンサイドだったら、アメフトを初めて見るという人には面白くないやろうな」「去年の(関大対法政大)のほうが面白かったわ」という声もある。でもまあ、両チームとも熱のこもったプレーを展開したわけだし、早稲田も最後まであきらめない姿勢を見せてくれた。そのあたりが学生スポーツの面白いところだろうな。
立命館は来年1月3日のライスボウルで社会人王者のオービックと対戦する。ライスボウルでのこれまでの戦績もよい立命館なだけに、アメフト日本一も十分期待できる。がんばってほしいものだ。