太山寺、円明寺と回ってJR松山駅に戻る。ここで宿となるターミナルホテル松山へ。昼に荷物を預けた時に支払いは済んでいるので、そのまま部屋のカギと荷物を受け取って中に入る。


部屋は喫煙室だが角部屋が当てられていて、窓の外はちょうど市内電車の松山駅前である。電車がガタゴト走る音がよく聞こえる。それをうるさいと感じる人にはあまり居心地がよくないだろうが、私としては面白い。前回の松山宿泊はすぐ近くのホテルサンルートだったが、その時は予讃線の線路を見下ろす部屋だった。いずれもリクエストしたものではないが、そうした部屋割りも八十八所めぐりのおかげかなと、勝手にありがたく思う。
さて夕食として外に出る。わざわざ大街道、銀天街まで行かなくても、駅前の数少ない店でよしとする。前の時は2泊でそれぞれ違う地元チェーンの居酒屋に行ったが、今回は「大衆酒場」的なところに入る。松山駅の交差点の角にある「大衆酒場エビス」。


開店直後ということで私が一番乗り。店そのものは新しい感じだが、内装はしっかり大衆酒場の感じがする。ホッピーも店の推しの飲み物だ。

メニューは大衆酒場に付き物の一品がいろいろあるが、おすすめには瀬戸内の魚や地鶏が並ぶ。「媛っこ地鶏」のモモ肉を刺身でいただく。愛媛県のいくつかの地域で育った地鶏にこのブランド名がついていて、こちらで出されたのは宇和島の三間町産だという。三間町といえば四国八十八所めぐりでも龍光寺、仏木寺を訪ねていて、のどかな景色を思い出す。
ふぐの刺身もいただく。ふくさしとなると皿の上に薄切りを丸く乗せたものを想像するが、こちらで出たのは厚めに切られ、普通の魚の刺身のように盛られていた。歯応えを楽しめる。
これらに合わせるのはホッピー。グラスに焼酎を結構多めに入れてくれるのでちょっとキツメだが、松山でホッピーを濃くいただくというのが、ディープな一時に感じてしまう。
入った時は他に客はいなかったが、開店すれば立地条件の良さもありほぼ全ての蓆が埋まる。多くは観光客というよりは地元客のようで、隅のカウンターに座ったのは常連さんらしく、店員と気軽におしゃべりしていた。


この「大衆酒場エビス」には看板メニューとして「エビスセット」というのがある。自分で七輪の炭火で肉や野菜を焼くのだが、これが結構なボリュームである。ワンドリンクつきで1200円で、ドリンクが300~400円だから、それを差し引くとお得感が増す。客の多くがエビスセットを頼むために、あちこちから七輪の煙が出てくる。焼肉店と大衆酒場がごっちゃになった感じで、これは面白い。


炭火焼の味を楽しんだところでおしまいとして、その足で隣のスクエアにあるキスケBOXに向かう。もちろん、喜助の湯に入るためである。ターミナルホテル松山では割引入浴券を販売していて、タオルは部屋のものを持参することができる。二種類の成分の湯を楽しみ、入浴後は休憩室でくつろぐ。ここはすっかり私なりの松山での癒しスポットになった感がある。
ホテルに戻りゆったりする。翌26日は後回しになった第49番の浄土寺、第50番の繁多寺、そして第51番の石手寺と回り、道後温泉と松山城を訪ねる。なお大阪に戻るためのバスは、伊予鉄道の松山市駅前を14時30分に出発する。松山市内8ヶ所めぐりの最後はどのような形になるだろうか・・・?











入った時は他に客はいなかったが、開店すれば立地条件の良さもありほぼ全ての蓆が埋まる。多くは観光客というよりは地元客のようで、隅のカウンターに座ったのは常連さんらしく、店員と気軽におしゃべりしていた。






