今日は大阪から東京に戻るのだが、例によって普通に新幹線や航空機で、というのではなく、何か変化球をと。
そんなことを、28日に京セラドーム大阪で野球観戦をした折に大和人さんに話すと、この27日から運行を開始したという、奈良~名古屋間の高速バスというのがあるそうだ。奈良交通と名鉄バスで運行しているそうで、所要時間約2時間半で片道2500円。これはなかなか面白そうということで、早速コンビニでチケットを購入。
30日。晴天のJR奈良駅に降り立つ。連休中ということで奈良を訪れる観光客も多く賑わっている。現在高架駅舎化の工事が進む奈良駅だが、元の奈良駅舎も堂々とした姿で残っている。これも近代化遺産の一つといっていいだろう。
そのJR奈良駅に高速バスがやってきた。一応座席指定で、私が当てられたのは運転席真後の最前列。運転手気分でのバスの旅となる。JR奈良駅で4人、続く近鉄奈良駅で10人ほど乗ってきたが、運転手は「どうぞ空いている席にお座りください」と案内していた。座席予約表を見ていたら、本来であれば誰かが隣に座るようになっていたが、ガラガラなのだから、後ろのどこかの席に行ったのだろう。
奈良名物の柿の葉寿司をつまみ、ビールを飲む。これもバスの乗客だからできることだ。そんな中、奈良公園を通り抜け、南下して天理インターから名阪国道へ。カーブを描きながら峠越え。ちょうどほろ酔い気分となり、運転手の真後ろにいるものだから、飲酒運転の疑似体験をやっているようなものだ。こりゃ危ないわ。
バスは天理インターの後、針インター下車後のトラックステーションにある都祁、そして山添に停まるが、乗客はない。都祁ではちょうど名古屋からの便とすれ違ったが、あちらも乗客は5、6人くらいのものだった。運行開始から4日目ということでまだまだ浸透度が足りないのだろうか。
バスはこの後名阪国道から東名阪自動車道を快走する。途中休憩はないが、心地よい走りに身を任せるうちにウトウトしたようで、いつの間にか濃尾三川も渡り愛知県に入っていた。名古屋都市高速の白川インターで下車し、少し走ると名鉄バスセンターである。定刻ではJR奈良駅11時40分発、名鉄バスセンター14時15分着のところ、10分くらい早く到着した。伝統ある旧奈良駅とは対照的に、セントラルタワーに高島屋という超高層ビルの名古屋駅が出迎えてくれた。
JRの急行「かすが」も廃止となり、名古屋と奈良を直接結ぶ交通機関は途絶えていた。新幹線で京都から入るか、近鉄線を乗り継いでくるか。そこで、比較的安く、時間も「ちょうどそんなもんかいな」というくらいで結ぶバス。宣伝を上手くやれば、そこそこの需要は見込まれるのでは・・・と思う。いずれにしても、これからどうなるか。