ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

楽譜から「音」にする作業

2005-11-08 04:29:45 | 音楽
私は楽譜を元にして、曲を作り上げる作業が好きである。

14歳の時にギターを始めたとき、さらに、高校時代、ブラスバンド部でクラリネットを担当したときも然り。

私は楽譜から「音」を作り出す、という所に快感を覚えるのである。

楽譜から音楽を作り出す作業をしたことのない人にとって、このことを理解してもらうことは、ほぼ不可能に近いのではないか、と思うのだが・・・。

高校時代、私の所属したブラスバンド部は、いつも惜しい所で「金賞」を逃していたのだが、これには列記とした理由があった。

つまり「指揮者」の先生が駄目だったのである。

こう書くと「ケンさん、それはひどすぎますよ。」と、私を先日「ルンペン」呼ばわりしたアブダッラーが茶々を入れて来そうなのだが、厳しい書き方をするが、これは揺ぎ無い事実なのである。

私の高校は、毎年ブラスバンド部が定期演奏会を行っていて、その時に元N響のホルン奏者だった三好先生という方をワザワザ招いて式を振って頂いたのであるが、その時に出る音と、顧問の指揮を振る時に出る音は、まさしく「雲泥の差」が出てしまうのである。

その時、三好先生の想像力といい、音符の解釈の仕方といい、非常に感動した覚えがある。

つまり、楽譜上に書かれている「音符の羅列」は、奏者によって幾らでも解釈可能である「表現する」という点に感動したのだ。

その反対に、顧問の先生は、音符のとおり忠実に吹かせることに躍起になり、大事な「表現」まで到達させることが出来なかった訳である。

さて、11月26日に行う、「ベリーダンスと音楽の夜」では、私がエジプトで習い、そしてある程度熟成させてきた「オリエンタル音楽」と呼ばれる音楽を、気の合うミュージシャンと共に表現することを狙うものである。

私は、新たな楽譜に出会う度に「あぁ、この曲は100年以上前に書かれたのに、今こうして出会って、私に演奏されるんだ・・」とか、ロマンチックな感慨に耽ったりするのである。

という訳で、今日はいろいろと曲を吟味していた1日なのである。

思うに、ジプシー達の音楽の元は「オリエンタル音楽」から来ていると言う説がある。それを確認する、という意味でも今回は聞き応えがあるはずである。

また、ジプシー達の音楽に共通するものは「情熱」であろう。

すべての曲に情熱を注いで完成させて参りたい。