ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

ペルジアン・ネイの音とライブ(12・11Sun)

2005-11-28 21:21:06 | 音楽
今日は、12月11日(日)に行われるイランのスーフィー音楽バンド「ルミ」のリハを家で行いました。

イラン人ネイ奏者のスィアが、昼の2時ごろ来て、家に来て曲を吹きだしたのですが、「ケン、1音下げてFのキーでやろう!」と突然言われました。

最初の曲は何とか手順を変えて弾きこなしたものの、2曲目の「レ」の音、ものすごい微妙な微分音なため、普通のウードの調弦だと、開放弦の「レ」と音がずれるので、結局、ウード全体の調弦を1音下げにしました。

最初は、この調弦に違和感があったものの、弾きこなす内に「あれっ?こっちの方がいわゆる幽玄なウードの音に近いなぁ」と気づきました。

実際、エジプトでも基音の「ラ」は440Hzより低めで、いつも私の師匠の「アラッ」先生はそれで調弦していたっけ。

弦の張力って、本当に楽器に影響しますね。ウードには、ちょっと「ベロベロ」と弱い張力の弦が合うと言うことでしょうか?

さて、「ネイ」と一緒に演奏すると、微分音に物凄く敏感になってきます。西洋の平均律にはない、なんともいえない「味のある音階」というのでしょうか、ボーカルと一緒に旋律をなぞる時の感じがします。

運指(うんし=音階の指使い)も、全く変わってきて、以前常味さんの家に行った時に教わった「ウードの伝統的な運指」が役立ってくるから、不思議な感じがしました。

う~ん、音楽って奥が深い!

昔、佐藤允彦と言う偉大なJazzピアニストの先生にアレンジメントを習っていた時の事。

佐藤先生、アフリカでコンサートを終えた後、「なんかあの日本人達の演奏、「ミ」の音が微妙に高くて、変な感じだった。」と言う感想があった事を知り「俺は音楽の事を知ったつもりだったけど、それは世界の音楽の中ではまだまだ3分の1を知ったに過ぎなかったのか!」と思ったと言うエピソードを披露してくれました。

こういうことって、情報としては知っていても、日本では知識として定着する機会がないので、本当にラッキーだと思っています。

もしお時間のある方は、素敵なキャンドル展示会である会場にお起こしください。

Candle Odyssey 2005
(http://www.candlejune.jp)

closinng party 14:00~24:00
@Hotel claska 2F Gallery A

LIVE: Rumi(Persian sufi music), Ebihara Yoshie, aota...etc.

DJ: NANUU, POCO ... etc
YOGA WORKSHOP: YOGAJAYA (www.yogajaya.com)

Entrance fee \1,000

Hotel claska:1-3-18 Chuo-cho, Meguro-ku TOKYO,
tel 03-3719-8121 (http://www.claska.com)



アラビアのロレンスと久しぶりの日曜日

2005-11-28 00:31:29 | 音楽
やっとの事で体を休める事ができ、今日は、本当に一日中何も考えないで寝続けました。

こんなに寝たのって久しぶりです。

昨日の夜3時ぐらいから、今日の夜10時ぐらいまで。

何年振りかもしれません。

もちろん、ちょくちょく食べたり、起きたりしてましたが、ゆっくりと寝てました。

さすがに体調も回復してくると「腹が減ってきた」ので、夜中に近くのスーパーに買出しに行き、鍋を作って食べました。

やっぱり本調子ではないので、いつもならペロッと食べる量を、ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて平らげました。

健康第一ですね。

「アラビアのロレンス」を見たときの事。

トルコの軍隊に拷問を受け、見も心も憔悴しきったロレンスを助け出したベドウィンの若きリーダーが、ロレンスを介抱するシーン。

前のように精彩もなく、落ち込みきったロレンスに、彼の復活を信じて力強く励ましながら言う彼の言葉が思い浮かびます。

「食べろ、そして、寝るんだ」

う~ん、単純すぎて笑えるんですが、これほど私の状況を完璧に捉えた明快な格言は知りません。

さ、また明日から忙しくなってくるので、また寝ます。