ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「井戸川町長の不信任案可決、町議会解散・選挙について」by 監督・舩橋淳氏による私見

2012年12月28日 | 日本とわたし
『フタバから遠く離れて Nuclear Nation』という映画があります。
この映画を撮ったのは舩橋淳監督。


そしてわたしは彼と、マンハッタンの教会で行われた小出先生の講演会で出会いました。

この映画、ぜひぜひ観てください。
まだまだ全国各地にて上映中です。
観逃した方は、小さな規模のものでも上映会を行えるよう手助けしてくださるようなので、どうかどしどし申し込んでください。
そして、映画を観て、いろんな思いを語り合ってください。

その舩橋監督が、双葉町の井戸川町長の不信任案可決についての意見を、こんなふうに述べられています。
ここに転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

「井戸川町長の不信任案可決、町議会解散・選挙について」監督・舩橋淳
2012年12月27日

先日20日、井戸川町長の不信任案が双葉町議会で可決されました。
3日間の町議会を撮影・傍聴し、町議員8人と町長の質疑応答を聞いた一人として、私見を述べたいと思います。

町議員8人全員が町長を不信任とした理由は、大きく言えば3つありました。
それを一つ一つ掘り上げたいと思います。

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1. 中間貯蔵施設の会議への欠席

不信任案を提出した議員は、
「復興のためには福島県の汚染から出る放射線汚染土壌やがれきの処分問題は避けては通れない。それなのに11月28日の中間貯蔵施設の現地調査を議論する会議に、町長だけが欠席し、福島県や町を落胆させた」

と非難しました。

しかし、これは事態を一面的しか見ていない見方です。
中間貯蔵施設建設で、今起きているのは、

「国が、原発避難民の権利保障(=賠償)を棚上げにしつつ、迷惑施設を彼らの町村に作ろうとしている」ことです。

このことは以前書いたので、それを引用しますと、

”中間貯蔵施設建設の議論に際し、井戸川町長は、国に対し、
放射性廃棄物を生み出すことになった今回の事故の責任がどこにあるのか。(言い換えると、誰のせいでこの汚染が引き起こされ、その犠牲として双葉郡の一部が中間貯蔵施設を背負わされるのか)、
最終処分場はどうなるのか、をはっきり示すようにと何度も求めてきました。
それには応答せず、国は他の市町村の囲い込みを進め、さらに佐藤県知事、広野町長など直接施設に関係はしない市町村が「復興をおくらせるな!」という流れに乗っかっている。
空気だけで物事が進められ、「誰の責任なのか」(=もちろん国・東電であり、それを国は明確には認めたくない)とロジックを突きつける町長のような人物は煙たがられる、というのが現状況です。

たしかに対話の輪を打ち切った町長にも非はあると思います。
しかし、日本の歴史上初めての原子力災害で、責任者が明確にされることなく、地方都市がそのゴミ処理を背負わされる、というのは正しいのでしょうか。
これは国に都合がいいばかりでなく、その町で生きる権利を剥奪された人々の、生存権を侵しています。

求められているのは、

まず第一に、双葉郡の人々の生きる権利を確保して(事故の責任者(加害者)による仮の町設置・賠償)

第二に、その故郷に、申し訳ないが核のゴミ溜めを作らせてもらう交渉を始める 

ことだと思います。それが物事の順番ではないでしょうか。

それをうやむやにされ、ロジックもなく「復興」の名目の元に、除染・中間貯蔵施設建設が進めるのは、双葉郡の他の市町村にとっても自らの生存権を侵す、つまり自分の首を絞めていることになります。

迷惑施設を、その補償もなしに一方的に受け入れろ、という動きなのです。

この11月28日の会議の前に、町長は環境省に文書で質問しています(http://www.town.futaba.fukushima.jp/oshirase/yakuba/20121204_02.html/
それに対する国・環境省からの返答も同じく上記でダウンロードできます。

町長の質問「5. 賠償が片付いていないのに片方だけ進めるのはおかしい」に対し、環境省は「順次、賠償の議論は進んでゆくものと認識しています」というだけでした。
つまり、国の他の省庁、東電がやってゆくから、大丈夫、うちは直接は関係ない、という他人まかせです。

そんな煮え切らない状況で、11月28日会合が招集されました。
この会合では、現地調査の実施が決議される予定でした。
中間貯蔵施設建設の予算を見ると、建設費にボーリングなどの調査費が含まれています。
つまり、現地調査を受け入れる、それで可が出れば、着工となる、施設建設の場所が決定される、まさしく剣が峰でした。
ですから、町長は、双葉町民・双葉郡民の公益が、損なわれているという認識から、異を唱えるため、欠席せざるをえなかったのです。

このような事情を認識したとき、会議の欠席について非難できるでしょうか。

権利を損なわれている双葉町民、双葉郡民の立場を弁護するのが、町議員の役割だと思います。

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2. 復興の遅れ
 
双葉町は、7000人の復興会議と称して、福島県を中心に全国で、町民の手による復興ビジョンの作成に取り組んできました。
その出席者が少ないこと、町長が直接出席しないこと、に非難が集中しました。
為政者として、リーダーシップを発揮できていないから、町民が集まらないのだ、と。
     
町長は、「町民の手で復興ビジョンをつくって欲しい。自分が出席すれば、自分の意見だけで事が運んでしまうのはよくない。皆さんの意見を集約して、それを受けて自分が動きたい」という立場で、この会議は第3者のNPOに委託していました。

全国規模で、何回も重ねて開いたのにも拘わらず、出席者の数は芳しくありませんでした。
宣伝の問題もありましたが、避難生活で疲弊しきった町民に、役場側がだれも来ない会議で、自分たちだけで話せ、というのは厳しかったかもしれません。
実際、町長が来るべきだ、という声が多く聞かれました。
(町長、副町長もしくは役場職員が、出席するべきだという町議員の求めに対し、町長は議会で「今後そのように対応したい」と今回の町議会で返答しました)

ここにあるのは、全国にちりぢりになった双葉町の避難民を束ねる困難さです。
想像するだけでも大変であるのに、人が集まらないからと言って、これが町長だけの責任だといえるでしょうか。
非難されるべきは、賠償もなくこのような避難生活を強いる国・東電ではないでしょうか。

私も参加しましたが、復興会議に町議員の姿はありませんでした。
何人かの議員は参加したといってましたので、私がいけなかった会に参加したのでしょう。   
しかし、十数回の会議であれば、8人の議員が分担して最低一人は毎回出席することはできるはずです。   
議員が十分にその仕事をしているとは思えません。
   
そして、復興の遅れの核心は、賠償問題です。

町長は、双葉町弁護団と一緒に、国・東電に対し、もっとも本質的な財物の賠償(家・土地の不動産など)の見直しをずっと求めています。
それは「元の生活レベルに戻す」ための補償というより、「311直前の市場価格(古い農家などは限りなく低くなる)で支払い、できるだけ賠償額を減らす」ための補償になっており、大原則が東電有利に仕込まれているからです。

私は、双葉町が旧騎西高校に移転してきた当初からずっと取材を続けています。
最初ほとんど空っぽだった校長室(=町長室)は、伺う度に、放射線防護、低線量被爆、公害訴訟、団体訴訟、環境問題などの書物が本棚を埋めていきました。
町長は、本当に勉強しておられます。
町民の生命と財産と権利を守るために、国・東電という大きな組織を相手にどう対峙してゆけばよいのか、震災以後のほぼ2年間ずっと考え続けてきています。

賠償問題は、不動産・土地売買、被曝許容量、警戒区域の線引き、公害補償、憲法の生存権など、複雑な問題が絡み合っています。

町民を守るため、その交渉の最前線に立ってきた町長を退け、新たな町長をたてることが、町民の利益となるどころが、大きな不利益になってしまうことは、自明だと思います。

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3. 町議員への説明・対話がなされていない。

町長の不信任案が提出されたのは、震災以降今回が3回目でした。
それまでの2回とも共通する批判は、「町長は独断的だ」「町長は町民の声を聴く努力をしていない(岩本議員)」というものでした。
 
町長は、福島県内や新潟・茨城の仮設住宅や借り上げ住宅を回ってきました。
上記の”7000人の復興会議”とは、まったく別で、です。
   
各地で町政懇談会を開き、国側・東電側の担当者も出席させました。
町民の「いつ帰れるようになるんですか?」「○○の賠償はどうなるんですか?」という質問に、国・東電担当者があいまいな答えをすると、
町長は間に入り「それは答えになっていない。町民の方は、○○はどうなっているのか?と聞いてるんです。もう一度答えて下さい」と、詰め寄りました。

全国各地に双葉町民が点在しているため、一つの仮設に訪れる機会は、少なかったかもしれません。
それが、福島県内に住む町民が、「声を聞いて貰えない」「役場は、もっと側にあるべきだ」という不満の原因になっているのは事実です。

それであれば、町議員もこれを手伝うことはできるはずです。
現に隣の浪江町は、馬場町長以下、町議員がチームを組んで各地を回っています。
町議員から、仮設回りに協力したい、となぜ言い出せないのでしょうか。

町民・町議員・町長、全員が集う形の町政懇談会があってもいいはずです。
それが一度も行われていないのは、町長と町議員の対話が不在だからです。 
これには、町長・町議員に等しく責任があります。

町議員が言うように、町長も対話の努力が足らなかったこともあると思います。
しかし、その責任は等しく、町議員にもあるはずです。

ですから、この問題で互いを叱責しあって、なんの意味があるのでしょうか。

過去は水に流そう、ちゃんと話し合おう、というのが、成熟した代表者の在り方だと思います。

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以上、3点を述べましたが、さらに町議員が触れていない重要な問題があります。

町民の健康問題です。

国は、国際基準である被曝許容量年間1mSvよりも、よっぽど高い20mSvで、居住可能としています。
それは、医学的根拠が乏しく、町長は国・環境庁に対し、何度も抗議してきました。

国は、この20mSvという線引きで、居住可能区域を再編しようとしています。

これを受け入れてしまうと、

5年以内に、原発から4~5キロの町のある地区で、居住可能だから住んで下さい。
賠償は、それまでの5年分しか払いません。
しかも、近くに中間貯蔵施設ができます。

という、事態になりかねないのです。

この健康問題については、町議員は口を閉ざしたままです。
町長といっしょに議論して、町民を守るための町の態度を話し合うべきです。

これは子供たちの将来につながる、重大な問題です。
この問題には目をつむり、復興を進めることは、福島県の将来を担う子供たちに対する背徳です。

今、目の前の「復興! 復興!」 という空気に、町議員は流されてしまっているのではないでしょうか。

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【町議会選挙へ】

12月26日  井戸川町長は、町議会を解散させました。

2月の初旬に行われるだろう町議員選挙では、双葉町民による町議員の評価が下されます。

前出の町議員8人がそのまま当選すれば、おそらく再度不信任を提出します。
可決されれば、町長は自動的に失職します。

町民が、町議員と町長、どちらが正しいかを評価する選挙ともいえるでしょう。

町議員候補は、それぞれ
●町長のやって来たことの評価
●町議員として自分のやってきたこと
●自分はどうやって町長と協力体制をくんでゆくのか(もしくは、組まずに受かったら即刻不信任を再度突きつけるのか)を話さなければいけません。

町民にむかって、町長のいたらなさを非難をする町議員選挙ってあるでしょうか。
町議員一人ひとりが、自分が何ができるのか、を問いただし、それを町民に聞かせてほしいと思います。

それを町民のみなさんも聞きたいのだと思います。

不信任案可決直後、私が町民の皆さんの声を聞いたところ、

「情けない。他の町はみんな協力し合ってるのに、双葉だけ内輪もめだ」
「町長は、ずっとがんばってきた。悪いのは東電なんだ。なんで、八つ当たりすんだ?」
「町議員は、町長に協力すべきだろ」
「町長も町議員と話し合うべきだ、ケンカをしてる場合じゃない」
「総選挙があって、国はどんどん他の方向に行っている。町がバラバラになれば、皆に忘れられる。ここはみなが一つにならないんでそうすんだ!」

という意見が聞かれました。

双葉町役場には、毎日町長への応援ファックス・メールが大量に届いていると聞きました。
全国で、町長に賛同の声が上がっているのは、町長が、正義を貫いているからほかなりません。
その高潔な姿勢が多くの人の心を打っているのだと思います。

そして、福島第一からの電力に依存してきた関東圏の人間にとってはさらに、
事故被害者への補償を棚上げにして、さらなる被害=中間貯蔵施設を押しつけることは絶対やってはならない、という思いがあります。

私は、正義を貫いている町長を支え、町民と町議員が一丸となってゆく、
そんな協力体制が生まれることを願ってやみません。

それが、町民みなさんのための民主主義になると思うからです。

舩橋淳
(「フタバから遠く離れて」映画監督)
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子どもに心臓に異常が認められるケースが急増しているのは、茨城県の取手市だけなん?どうなん?

2012年12月28日 | 日本とわたし
73人が「要精密検査」 取手市内24校心臓検診
【東京新聞 茨城ウェブ版】 2012年12月26日

取手市の市民団体は25日、市立小中学校24校の2012年度の心臓検診で、一次検査で「要精密検査」と診断された児童・生徒の数が、11年度に比べて急増していることを公表した。
 
心臓検診は、取手市教委が毎年5月中に、小学1年生、中学1年生に実施している。
公表したのは「生活クラブ生協取手支部」(根岸裕美子代表)、「放射NO!ネットワーク取手」(本木洋子代表)、「とりで生活者ネットワーク」(黒沢仁美代表)の3団体で、市教委などの資料を基に調べた。
 
それによると、12年度に一次検診を受けた小中学生1655人のうち、73人が要精密検査、と診断された。
11年度の28人から2.6倍になり、中学生だけで見ると、17人から55人と3倍強に増えていた。
 
また、心臓に何らかの既往症が認められる児童・生徒も、10年度の9人から11年度21人、12年度24人と推移。
突然死の危険性が指摘される「QT延長症候群」と、その疑いのある診断結果が、10年度の1人、11年度の2人から8人へと急増していた。
 
市民団体は、「心臓に異常が認められるケースが急増しているのは事実。各団体と相談して、年明けにも関係各機関に対応策を求めていきたい」としている。
 
藤井信吾市長の話 
データを確認したうえで、対応策を考えたい。
(坂入基之)


続いて、常総生協が調査している土壌沈着量調査結果より、上記のニュースで取り上げられた取手市の汚染状況についての図を転載させていただく。

取手市は「東葛地域」に含まれ、深刻な汚染状況が報告されています。

常総生協による、取手市の土壌沈着量調査結果

常総生協では、セシウムが土壌にどの程度沈着しているのかを調査しています。
土壌沈着量を調べることによって、その土地で生活した場合の追加被ばく量を知ることができます。

調査方法

市町を1km四方のメッシュで区分けします。


各メッシュから1ヶ所土壌を採取し、セシウムの沈着量を調査します。
詳細は下記資料をご参照ください。
○千葉・茨城ホットスポットエリアにおける土壌調査について (PDF 164KB)
※同じメッシュ内でも、土壌を採取する場所によってセシウムの沈着量は変わってきます。
調査結果は、あくまでも目安としてお考えください。

取手市の土壌沈着量調査結果図






バンダジェフスキー博士が会見~内部被ばくへ警鐘 2012.3.19
http://www.ourplanet-tv.org/

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この事故を小さな事故と思ってはいけない。
世界にとっても大変だが、日本は特に大変だ。

かつて、ゴメリの医科大に、日本人の研究者たちが来たことがあり、セシウムが心臓にとって危険であるということについて、深い理解を示していた。
でも、その経験が活かされていないのが理解できない。

何も見えず情報もない状態では、何もできないと思う。
ウクライナ・ベラルーシ・ロシアの各地域で「黙っている」政策が、事態を悪化させ、悲惨な状況になっている。
日本は、我々の経験を、もう一度繰り返そうとしているように見える。

放射性物質の汚染源を、早く廃棄しなければならない。
日本全国にばら撒く必要はない。

「黙っている」という政策は、かつてのソ連邦共産政権ならまだしも、21世紀文明社会の日本で、こういうことが起きるのが理解できない。


【4月からの新しい食品の基準値をどのように評価されるか?】

食品に放射性物質が含まれていることじたいが、非常に危険である。
ベクレル数を下げるのは肯定的な動きではあるが、 4月からの新しい基準は、ベラルーシでもここ13年ぐらい使われている基準であり、この基準のおかげで、住民が放射性物質取り続けてしまっている。
食品を食すると放射性物質を体にとりこんでしまい、様々なシステムに影響を与える。
それは、外部被ばくより数段深刻で、非常に危険だ。

必要なのは、クリーンな食品とクリーンな土地である。
どんな放射性物質であれ、それをとりこむと言うことは、本当に体にとって危険だ。

牛乳は100Bqなら良い、ということになっている。
だが、99BqはOKで、101Bqだと駄目なのだろうか?
何が基準なのだろうか?

つまり、基準というのは、あくまで運用的なものであって、放射性物質の含まれた食品は、実際すべて危険なものなのだ。
人々は、放射性物質のない食品を、受け取る必要がある。

高い濃度で汚染されている地域は、福島だけでなく、東京でもあちこちでセシウムが観測されていると聞いている。
人々は、汚染されている地域から、きれいな土地に引っ越すべきだと思う。
人々の健康を守る、という対策においては、国が役割を果たすべきだ。
今起こっていることに対してしっかりと責任を果たし、人々の健康を守るべき。
それが政治の責任である。

長い間汚染地域に住む人達が、新たな放射性核種を摂りこむとなると、さらに危険である。
最も危険なのは、食品を通して、体の中の臓器にとりこまれることだ。

子どもは、10-30Bq/kgで60%に心電図異常が起きる。
ベクレル数が上がると、心臓の動悸の悪い子どもが増える。
ベラルーシには、そういう子どもがたくさんいる。
だから死んでいるのだ。
70-100Bq/kgで、突然死のリスクグループに入る。


【福島などで若い高校生が突然死している事例がある。知人の知人も突然死した。亡くなった方の臓器のセシウムを測定することには、意味があるとお考えか?】


解剖すればセシウムは出てくるとは思うが、亡くなってしまった方はどうすることもできないのが残念だ。
生きている方々を検査することが重要である。
かならず、体内のセシウム濃度を調べる必要がある。
そうすれば、リスクグループ(突然死に繋がるグループ)を把握できる。
環境中に、セシウムが高い濃度で存在すると、突然死の可能性がある。
セシウムは、特に心臓に対して激しく攻撃を加える。
心筋細胞に蓄積し、代謝機能が失われ、エネルギー産出ができなくなる。
心拍が乱れる。
心停止する。

突然死する場合の濃度に、決められたものはない。
僅か20-30Bq/kgでも、心拍異常が出てきている。
それが、突然死の原因になりうる。
汚染された地域に住む子どもも大人も、全員の線量調査が必要である。

残念ながら、皆様のところには情報が少ない。
情報をこのまま隠しつづければ、日本人という国民はわずかになる。


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全員やない。
小学生の2年生から6年生の検査はされてない。
中学生の2年生から3年生の検査もされてない。
この増え方はなんや?
突然死の危険性が指摘される疑いがある結果が出された子が、一昨年の8倍?

下の息子は4才の時、初めての訪米の翌日に重症の川崎病にかかり、偶然こちらのおっきな子ども専門病院に担ぎ込まれ、これまた偶然夜勤でそこにおられた川崎病の権威の医者に救われた。
日本では当時絶対に受けられへんかった重篤患者用の治療を施され、たったの4日で退院し、すべての治療データを日本の医者に渡せるよう手配してくれた。
日本に戻ってから、地元の日赤の小児科に通たけど、アメリカでの治療は常識はずれで非難囂々、せやけどとりあえず、心臓の冠動脈検査だけは半年に一回受けさせてくれた。
冠動脈にこぶができる。
これが川崎病の一番恐ろしい後遺症。
突然、直前まで元気にしてた我が子が、心筋梗塞でバタンと倒れるやなんて、そんなこと絶対にかなん!
検査は、息子が中学生になるまで続けなあかんかった。
やんちゃな息子が、ふと立ち止まり、胸に手を当てる様を見て、こちらの心臓が止まりそうになったり、
ちょっと息苦しそうにするたんびに、どないしたん、苦しいんか、大丈夫かと、慌てて聞きまくったりした。
あの間の、毎日毎日続いた不安は、今もすごく覚えてる。
ほんで、息子自身かて、なんか胸に爆弾抱えてるみたいで、なんとなくいっつもモヤモヤしてたと言う。
冗談やないよ。
せめて、関東以北の子どもら全員、きちんと検査してあげてよ。
子どもだけやない、大人やお年寄りかて、検査して欲しい。
日本には、検査をする技術も施設もある。
結果次第では必要な治療や予防もできる。
ぐずぐずしてる間にも、体の見えへんとこが、見えへんもんに傷つけられてる。
痛みがあるのならまだしも、なんも感じひん。
目に見えへんこと、感じられへんことに対して、どんな思いを持ってどんなふうに評価するのか。
それは人それぞれ違うやろ。
そやからこれは、わたしの思いであるに過ぎひん。
万が一の万をとるか一をとるか。
そんな白黒はっきりできるもんでもない。
そやけど、大なり小なり、目に見えん、匂いもせん、感じることもできん毒が、日本のみならず、かなりの範囲の環境に出現してしもた。
それは水で流しても、燃やしても、埋めても、人間の尺度でいうたら永遠ともいえる年月の間、しつこく存在し続ける。
移動させることぐらいしかできん猛毒。
人間なんかが折り合いつけたり、共存できたりするような代物とちゃう。
他の猛毒なら慌てふためいて逃げるか、必死で防御するはずの人らも、この猛毒を使て世界を牛耳ったろと企む国際的な組織の根回しが利いてるからか、あるいはなんも感じひんからか、
すでに被害が実際に出てる過去の現実さえも、事故後必死に学んで得た知識があるから、今の自分らには起こらんことやと鼻で笑う。

違う考えや価値観がある。
それは人間の数だけある。

けども、それはそれとして置いといて、とにかく子どもらの体の中がどうなってるのか、それをしっかり把握して対処してやって!
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福島市の学校給食と、双葉町町長さんと、原発事故処理の作業員さんの身に起こってる不可解なできごと

2012年12月28日 | 日本とわたし
『3.11後の仙台に住む』というブログに出会いました。
そこには、迫り来るクリスマストルネードに巻き込まれて目を回しながらも、ずっと心にひっかかっていた物事が書かれていました。
自分への記録のために、ここに転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

理解不能なことが進行中 2012年12月21日

最近の非常に気になった話を3つまとめておきたい。
しばらく衆院選に気を取られていたが、福島の被災地ではますます理解不能なことが進行中のようだ。

1.福島市産のお米を給食に使用へ
http://ameblo.jp/misininiminisi/image-11427148003-12330230182.html


福島市では、来年の1月から、学校給食に福島市産のお米を使用するのだそうだ。
原発事故以来、会津産のお米に切り替えられていたのに、事故前の福島市産に戻すのだという。

セシウム134と137が、それぞれ検出限界の10ベクレル/kg以下であることを確認して使用とのこと。
つまり、セシウム20ベクレル/kgまでのお米は使われる可能性があるということかと思う。

福島市の空間線量は総じて高く、1マイクロシーベルト/時を越すところもある。
子どもたちはこの尋常ではない環境で日々我慢させられ、原発事故前ではありえなかった被ばくを日々受けているのだ。
なぜわざわざ給食で、子どもに地産のお米を食べさせるのか?
どうしてもと言うなら大人が食べればいいのに。

なんで、これでもかというようにおかしなことをするのだろう?
何がなんでも無理やり通常運転に戻そうというのだろうか?


2.被ばくを気にする双葉町の町長さんに不信任決議
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121221t61007.htm

福島第一原発が立地する双葉町ではきのう(12月20日)、町議会が井戸川克隆町長への不信任決議を可決したそうだ。
町長が、10日間以内に議会を解散しなければ、失職することになるという。

この町長さんは、避難基準の年間20ミリシーベルトは高すぎるとして、政府に見直しを求めてこられた。
住民は、なるべく県外に退避させようとしてきた。
つまり、出来るだけ住民を被ばくさせまいと行動してきた方なのだ。

そういう町長さんが、職を追われようとしている。
町の中でどのような分断があったのかわからないが、福島県の自治体の長としては珍しく、住民の健康を真っ先に考えておられた方という印象なので、最後の砦が失われるような不安を覚える。

双葉町のホームページには、昨日付けの、井戸川町長のメッセージが掲載されている。
http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121220.html/

放射能汚染の現実を見据えた、痛切なメッセージだと思う。
失職なさったら、このメッセージも見られなくなるのかもしれない。


3.福島第一原発での待遇悪化
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012121802100005.html

これは東京新聞の報道(12月16日)だが、福島第一原発で働く人たちの給料・労働環境が悪化しているという。

日本一危ないところで、身を挺して働いてくださっているのに、新卒社員程度の給料。
危険手当もほとんどなく、宿泊の面倒も見てくれないケースが多いらしい。

この報道通りの実態ならば、ほんとうに申し訳なくて仕方がない。
作業員の方々のおかげで、日本はどうにか持ちこたえることができて、私たちがまがりなりにも日常を営んでいられる。
それなのにこの待遇はないだろう。

この労働環境の悪化は、東京電力が経費節減をしているためだそうだが、メルトダウンした原発の管理・修理・後始末を、民間企業に任せていていいのかと思う。

復興予算を直接関係のないところにつぎ込んだり、無駄な除染をしたり、妙なお金の使い方をしないで、こういう肝心なところに使えばいいのに。

こんな薄給な過酷労働では、次第に働く人がいなくなってしまうかもしれない。
あるいは士気が落ちてしまうかもしれない。
そうしたら、破局的なことにだってつながりかねないのではないだろうか?

こうして、人権もなにもない罰当たりなやり方を続けていたら、しっぺ返しがきてもおかしくない。
そう思うと、正直背筋が寒くなってしまう。


↑以上、転載おわり

ここに、上記の記事中に紹介されていた東京新聞の記事を、追加で載せさせてもらいます。

人が集まらない 福島「収束宣言」から1年 原発作業暗転
【東京新聞朝刊】2012年12月18日



1年前の12月16日、政府が突然、東京電力福島第一原発の「事故収束」を宣言した。
被ばく線量が高い作業が今後増えるにもかかわらず、宣言を境に、危険手当の打ち切りや給料カットが相次ぎ、作業員の待遇が悪化。
最近では、作業員が集まらなくなっている。
廃炉への道は遠く、民主党から政権を奪い返した自民、公明両党には、厳しい現実とどう向き合うのかが問われている。(片山夏子)
 
給料は、手取りで月額20万円に届くかどうか。
危険手当はなし。
寮もなし-。
 
福島県いわき市のハローワークで、福島第一の求人を調べると、こんな実情が浮かび上がった。
コンクリートを流し込む枠を作る型枠大工など、技術や経験のある人は、月40万円以上と高いが、他の職種は多かれ少なかれ被ばくするのに、給料が安い。
大半が、年収300万円にとても満たない。
 
20件ほどの求人情報を見ていくと、危険手当の記載は1件だけで、1日わずか2000円。
ほとんどのケースで、宿泊費は自分で負担しなければならない。
 
警戒区域内に事務所があった下請け会社の社長は、この秋、作業員を募集したが一人も決まらなかった。
「福島での除染や清掃、軽作業など」として募集したが、連絡があった人に福島第一での作業と伝えたとたん、「原発は嫌だ」と断られた。
社長が求人で出した日給は、1万~1万数千円。
「危険手当を上乗せしたいが、(上位の下請け会社から)もらっていない。被ばくするし、もっと出したいがぎりぎり。これ以上条件が悪化したらどうしたらいいのか」と頭を抱えた。
条件悪化が進んだのは、「あの耳を疑った収束宣言の後」という。
 
宣言までは、いわき市などの旅館で、共同生活をしながら働く作業員が多かったが、宣言後は危険手当が出なくなり、旅館を引き払うように求められるケースが増えた。
自らも避難者である作業員も多く、仮設住宅は遠いため、宿泊は重要な労働条件の一つになる。
 
東電が、福島第一でもコスト削減に躍起になり、そのしわ寄せは下請けに行く。
別の下請け会社の社長は、上位の会社から給与の引き下げを言われ、「従業員の社会保険も払えないぐらい会社はぎりぎり。これ以上下がったらやっていけない」と嘆いた。
 
今後、福島第一では、建屋内の被ばく線量が高い作業が増える。
作業員の「5年で100ミリシーベルト」の線量限度を守るには、特定の人が被ばくしないよう、ローテーションできる人数が必要になる。
 
東電は、今後は必要とされる作業員数が減り、事故後に福島第一で働く従事者登録した人が、延べ約2万4千人いるとして、作業員は足りると強調する。
 
福島第一で長年働いてきたベテラン作業員は、総選挙を受け、
「宣言後、労働環境が悪くなった。(新政権は)福島第一で働く人間のことを忘れず、収束作業が進むように現場をバックアップしてほしい」と願いを語った。



さあ、自民党、
福島県の環境好転と安全安心の確保、原発全基の廃炉を約束したんやもんな。
安全安心を何十年も言いふらしてきた責任をとる絶好の機会やしな。
この、今の事態収拾に一番貢献してくれてはる人達を、国を上げて支援するのがまず第一歩やと、常識で考えたらわかるよな。
なんでもかんでも人任せにしてきた民主党政権からの脱皮と、福島だけやなく、原発周辺地域の復興に責任感じてるならまず、
そのことに一番深う関わってはる、しかもそれが命と健康に関わるほどに危険な作業をしてくれてはる人達を、国をあげて支援するのが当たり前。
せめて、けったいなとこにバラまいた金を徴収して、作業員さんのための、日本国内でも稀なほどの待遇の良さと、生活環境整備を実現してちょうだい。


ほんで、給食の話。
福島県は東西に長く、太平洋側から浜通り、中通り、会津の3つのエリアに分かれてる。
浜通りと中通りの間には阿武隈山脈、中通りと会津の間には奥羽山脈が横たわってて、原発から遠く離れた会津は、関西と変わらんぐらいに低い線量やと聞いた。
そやから、会津産のお米を使用してくれてはることについては、外気の線量が異常に高いとこで今も暮らしてる子どもらにとっては、ギリギリの、最悪よりちょっとはマシな選択やと思てた。
それがなんで、年が変わったからいうて……。


さらに、双葉町の町長さんの件については、また後日、まとめて書きたいと思てる。
以下↓は、双葉町のホームページに載せられた町長さんからの言葉からの抜粋。
『中間貯蔵施設については、議論をしないまま、調査だから認めろと言いますが、この費用の出どころを確かめることが重要です。
この施設は、30年で県外に出す、と国は言っていますが、約束は我々とはまだ出来ていません。
この施設の周りには人が住めません。
六ヶ所村では、2km以内には民家がないようで、双葉町では、町の中心部が殆ど入ってしまいます。
では、どうするのかの議論が先です。
ボーリング調査を行うのは着工です。
予算の構成を見ますと、整備事業の下に調査費が付いています。
これは、行政判断としては着工になります。
着工の事実を作らせないために、私は非難覚悟で止めていることをご理解ください。
十分すぎるほど議論して、町民の皆さんの理解の下に進めるべきです。
日本初の事業です。
双葉町最大の損害で、確かな約束を求める事をしないまま進めては、やがて子供たちに迷惑をかけます。
新政権とじっくり話し合いをして、子供たちに理解を貰いながら進めます。
このように、私たちには大きな損害があることをご理解ください。
寒さが一段と厳しくなりました、風邪や体力の低下に気をつけて予防を心がけてください。
これからもお伝えします』

平成24年12月20日 双葉町長 井戸川 克隆


↑以上、転載おわり


原発も然り、原発関連施設も然り、今まではこうやって、無理矢理ゴリ押ししたり、騙しの手を使たりして工事が始まり、建てられてきた。
反対するもんは生活を脅かされたり、職を追われたり、冤罪をふっかけられたり、極端な場合は自殺に追い込まれたりして、社会から消されてきた。
こんなことはいったい、どないしたら、抵抗する事ができるんやろう。
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