それをやったらダメだということがわかったのに、それをやるという方向で、安全基準は出来ている
などという、とんでもない恐ろしい話を聞いたので、これはもう、どうあってもお知らせしなくては!と思い、
朝っぱらからヘッドホンをつけて、気持ちは焦るのに動作がノロいわたしは、イライラしながら文字起こしの作業をしておりました。
半分ぐらいを終え、脳ミソがぼわーんと痺れた感じがしたので、ちょっと休憩してお茶を飲もうと立ち上がった時、
ふと、もしかしたら…と、きーこさんのブログを覗いてみたら…。
あ、やっぱり…。
ということで、再々の転載と、文字起こしのサボりを申し訳なく思いつつ、膨大な量を文字起こししてくださったきーこさんへの感謝と尊敬の念を捧げつつ、
ここに転載させていただきます。
それにしても、こんないい加減なことを考える政府と企業と関係機関が、世界最高の基準だの、万全だの、安全だのと言っているのを、
わたしたちはもう、許してる場合ではないと思いませんか?
ほんとに、全国をあげて、いい加減にせんかっ!と拳をふり上げて怒らなければならないのではありませんか?
↓以下、転載はじめ
<もう騙されない>
東京電力記者会見の今・原発再稼働・アンダーコントロール・2号機の謎
おしどり・木野龍逸
12/31報道するラジオ
(きーこさんの文字起こし)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4045.html
報道するラジオ年末特番
『もう、だまされないぞ!2014』
2014年12月31日
ジャーナリスト・木野龍逸
夫婦漫才師・おしどり
文字起こし部分のYoutube
→http://youtu.be/tKn3AelBRBg?t=1m26s
水野:
木野龍逸さん、おしどりケンさんマコさんは、もうずーっと、東日本大震災から3年9ヶ月ですね。
東電、そして原子力規制委員会、福島県の会見、そして情報発信をウオッチし続けて下さっております。
そんなお三人に、いろんなことを聞いていこうと思います。
情報を出さない東京電力
3:08
水野:
本当のところ、最近の東京電力の会見に出ている人って、どのくらいいはるんですか?
マコ:
もう、激減しました。
10人以下で、質問する人もほとんどいないというのが多くて、
で、この間、衆議院議員選挙が終わりまして、大きい選挙が終わった後って、東京電力は嫌な大きいニュースを出してくるんですけど、
この間12月の衆議院選挙が終わった後出てきたニュースは、
2011年の3月4月事故直後に、現場にいた作業員の方達の手書きのメモだったり、ホワイトボードに書いたいろんな数値、プラントの圧力とか温度とか、
今まで発表されていないものが、選挙の翌日にまとめて出しまして、
水野:
選挙の翌日ですか?
ケン:
ビックリしました、ね。
マコ:
それでよくよく聞いたら、今まで国会事故報告書であったり、政府事故報告書であったり、原発事故のまとめは出てきているんですけど、
水野:
出てますよね、
マコ:
そこに提出されていないものもあるんですって。
水野:
エッ!提出されていないものが、あれ、事故報告書って出てたんですか?
マコ:
そうです、新たにまた数値が出てきて、
ケン:
結構な量がありましたよ、僕コピーしに行ったんですけど。
マコ:
それを、インターネットに公開でもなく、記者会見で配布するのでもなく、
水野:
ヘッ?
マコ:
東京電力のビルの中に、図書室みたいな情報公開コーナーっていうのがあるんですけど、
そこに置いておきますので、欲しい人は見に来てください、コピーしに来てください、
水野:
東京電力の図書室まで行かなきゃ見られませんの?
インターネットで見られませんの?!
マコ:
膨大な量があるんですけれども見られなくて、それでビックリして、
私たちはその翌日、浅草で舞台があったんですけど、早起きして、東京電力の図書室みたいなところに一番乗りで行って、ずっとコピーし続けたんですけど、
水野:
何枚ぐらいあるんですか?
ケン:
その時に出たのは、その新しいものは1枚なんですよ、DVD1枚なんですけど、
マコ:
DVDなので、紙の量にしたら膨大な量なんですね。
水野:
えーーっ!
マコ:
で、ビックリするのが、他にどのメディアも来なかったということです。
水野:
あら、それが一番ビックリしますね。
ケン:
それから来ているかもしれませんけれども、僕らが行っている間は会わなかったね、誰にも。
マコ:
2時間ぐらい、誰もその情報を取りに来なかった、っていうのが一番驚きました。
焦って行ったんですけど、ね。
平野:
中身はどうだったんですか?
マコ:
中身はやっぱり、事故直後の1号機から4号機、5号機、6号機までの使用済み燃料プールの温度だったり、炉の圧力であったり、
今その膨大な量は、エクセルに打ち込んでグラフにしているんですけど、
水野:
そこまでやってはんのやな。
平野:
だけど、本来これは、事故直後に出しておかなければダメなものですね。
水野:
で、今まで出さなかった訳というのは、会見では言ったんですか?
マコ:
「整理をするのに手間取っていた」と。
水野:
「整理」って、あんた…。
木野:
基本的には、出すものは自分たちで選んで出して、
要するに、「必要がない」って自分たちで思えば出さないみたいな、ということがありますね。
水野:
これはいまだに、「全部を出さなければいけない」というような、何か法律とか、何か縛りは無いんですか?
マコ:
無いんです。
出てこない情報はたくさんあります。
今現在進行形でも。
木野:
自分たちで出すものを選んで出している状態なんで。
水野:
「出せ」っていうんじゃなくて、「自分たちが今これを出したいです」から出すっていうペースは、今もずっと変わっていないままなんですか?
木野:
変わっていないですね。
マコ:
変わってないですね。
水野:
そこで、例えば会見で出してきたら、
「なんで今まで出さないんだー!」って言って、記者たちが怒号を上げるような姿は、
マコ:
もう、今はないですね、ほぼ。
ちょっと前まではあったんですけど、今は無くなったよね。
ケン:
無くなった。
水野:
あら、無くなりましたの。
じゃ、今回も「あ、そうですか、出たんですか」っていうので、シーンとして終わっているんですか。
マコ:
そうですね、2~3質問が出て、
「これは初めて出てきた情報ですか?」
「初めてです」
というやりとりはあったんですけど、なんかそれぐらいで。
すごく突っ込んでいた記者さんが、その情報を取りに来られるかなと思っていたんですけど、来られなかったんで、あれ?っていう感じだったよね。
平野:
関心が薄くなるのは、東電側の思惑通りかもわかりませんね。
そもそもテレビ映像、第一に、吉田所長がいた時のやりとりを、全部出していないですよね。
マコ:
出してない。
平野:
一番大事なところをね。
マコ:
そうです。
4月11日までしか出ていません。
それ以降も、随時整理がつき次第出していくということで、記者会見でことあるごとに、
「なんでその後半を出さないんだ」って言っているんですけど、
「まだ準備中です」ということで、
見たがる記者ももうほぼ居ないんですよ。
水野:
見たがる記者が、そういう意味でも「情報をきちんと出せ」って言わないと、余計に出さない状況が続いてしまうかもしれませんよね。
ケン:
そうなんですよ。
なんか最初は、質問したら、答もなんとか調べて返ってくる時もあったんですけど、
今は質問してもね、「答えません」みたいな答えが返ってくる時がありますよ。
マコ:
そうなんです。
今まで過去に東京電力が出していない情報で、規制庁にも追求されていないことは、新たに記者会見で出さないということになりました。
水野:
んんーーーー!
「出さない」という答弁がまかり通っているんですか!?
マコ:
はい。
水野:
木野さんはどう感じていますか、最近の状況を?
木野:
事故直後も確かにひどかったんですけれども、一時期少し前向きになって、でもまた元に戻ったというか、
それよりちょっとひどくなったかな、と。
マコ:
ひどくなった
水野:
なんで今、そんなひどくなっているというのはなんでなんでしょう?
木野:
確かに関心が薄くなったり、そういうのがあると思います。
水野:
国民世論ですかね?
木野:
で、東電にしてみれば、当然新しい情報は出さないほうが、自分たちには都合がいいですから。
事故の原因も、もちろんわかっていないこともいっぱいありますけれども、分からないことは分からないままにしたほうが、彼らも都合がいいですし、
そこにあえて自分たちから火をつける必要はないわけですよね。
それに対して誰も何も言わないと、やっぱりやりますね。
水野:
なるほど。
今そんなふうに情報が出てこない状況になっている中で、今日は、ずっとウオッチして下さっているこの3人の言葉は、ものすごく重たいと思います。
http://youtu.be/tKn3AelBRBg?t=12m27s
騙されないで~原発再稼働
水野:
それぞれちょっと伺っていいですか?
木野さんは、国民が今、どんなことに騙されている、あるいは木野さん自身も騙されたと思ってらっしゃるか。
どうですか?
木野:
もうなんか、ありとあらゆる事が、というふうにしか言えないんですけど、
その中でも、再稼動に関してはやっぱり、「ちょっとどうなのかな」というのはありますね。
水野:
今年(2014年)はもう、原発再稼働に向けて大きく動き出した一年でしたよね。
木野:
やってくるだろうなとは思っていたんですけれども、ここまで巻き返しが速いかなと、ちょっとビックリしましたけど。
水野:
もう来年(2015年)の春に、川内原発再稼働へということで、
木野:
動かしたい、みたいな話をしてますね。
水野:
着々と進んでいるようですね。
で、その後も「高浜原発、四国の伊方原発と続くんじゃないか」という話ですよね。
木野:
話はしてますね。
水野:
聞こえてくるというのは、やっぱり取材していて、そういう歩みの速さっていうのは、着実に進んでいると感じられますか?
木野:
と、思いますね。
で、結局その裏に、さっきもお話がありましたけど、「日本の規制は世界一安全」とかですね、
「安全」と言ったかと思えば、規制委員会の方では「安全と言った覚えはない」みたいな。
あちこちで違う話をしつつ、その規制基準に対しても、例えば新潟県の泉田知事は、
「避難計画に対して何も考えていない。そこが抜けたようなものは何の意味もない」みたいな言い方もしていますし、
その辺を含めて、きちんと整理ができてないし、いい加減なことをなんか言われ続けているなっていうのは、ずっと感じますね。
水野:
避難計画は、川内原発についても、多々疑問が呈されていますが、
木野:
もう全然、ですよね。
水野:
それ(避難計画)と再稼動の判断は別、
木野:
別ですから、「私たちには関係ない」って言ってますからね。
騙されないで~アンダーコントロール
水野:
ああ。
さぁ、おしどりケンさんマコさんは、どんなことを騙されているって感じますか?
マコ:
そうですね、私もいっぱいあるんですけど、さっきリスナーの方がおっしゃっていたアンダーコントロール。
あれはね、盛り上がったんですよ記者会見が。
ケン:
次の日ね
水野:
東電の記者会見?
マコ:
そうです。
ブエノスアイレスでのIOC総会で、安倍総理が発言された翌日に、月曜日に東京電力の記者会見がありまして、
もう、記者は総ツッコミですよ。
なんでか?というと、東京電力が、海の海水をずっと測定しているんですけど、毎日。
でも、汚染水が敷地内から汚染水が流れ出ていれば、海のセシウムや全ベータという各種の値は上がるんですね。
水野:
それはそうでしょ
マコ:
「上昇しているので、汚染水はコントロールされていないでしょ?」
というふうに、総ツッコミだったんです。
で、東京電力の回答が面白くって、
「東京電力といたしましても、総理のご発言のご趣旨を国に確認いたしました」って言ったんです。
だから東京電力もビックリして、「なんでそんなこと言ったんですか?」
水野:
アンダーコントロール、エッ!そんなこと聞いてないよ、みたいな
マコ:
で、「問い合わせた」っていうんですよ。
それで問い合わせた結果、
「東京電力としても、影響は少ないと考えているので、趣旨とは離れていないと考えています」
「汚染水が出ていない」とは、とてもじゃないけど言えないんですよね。
毎日海水を自分で測っているので、東京電力が。
汚染水が出ているっていう証拠は、東京電力自身が日々出し続けているので、ということで困っていました。
だから、ま、本当にアンダーコントロール、ブロックはされていないんですよね。
平野:
これはいまだに、1日350トンを、どんどん出ているわけですよね、処理に困って。
もう今は、海に放出してもいいんじゃないか、という話も出てますよね。
マコ:
出てます。
本当にもう、今年の夏ぐらいからまた私が、ちなみに、原発事故の後エクセルを覚えて、グラフにしていっているんですけど、
今年の夏以降、各地の海水の測定というのを、トリチウムとかいろんな核種の測定結果が急上昇していて、
汚染水がかなりの量出ているか、濃いまま出てるかになっているんですね。
にもかかわらず、去年まで原子力規制庁の方で、汚染水対策ワーキンググループというのがあったんですけど、
それが今はもう無いので、規制する担当部署が無いんですよ。
水野:
規制する担当部署が無いの?!
マコ:
無いんです。
ケン:
勝手にそんなね、コロコロコロコロ変えてね。
マコ:
一応、監視評価検討会で見ている、と言ってるんですけど、
この間、規制庁に、
「この汚染水の海水の放射能濃度が上がっているというのは、どこで見ているんですか?」(と尋ねたところ)、
「まあ、中で見ているところがあるでしょう」って言われて…だったので、もうかなり驚いてしまって。
汚染水が海に、多分今年の夏以降、ちょっと量がたくさん流れ込んでいるっていう状況なんですね、測定点から見ても。
でも、それを報道するところも調べるところもない、というのがまず一点と、
2号機が、一番多く放射性物質を放出した理由
マコ:
再稼動がどんどん進んでいく中で、1個ビックリしたことが、
今年の夏に、未確認未解明事項というのを、54件ぐらいあるんですけれど、原発事故の、
水野:
そんなにあるんですか、未確認未解明
マコ:
そのうち10件がすごく重要で、研究課題として取り上げられていて、
そのうち4つが、「大体こんな事じゃないかな」って今年の夏に出てきたんですよ。
ま、少ないけれど、54のうちの4なので。
その中の一つに、
1号機2号機3号機のうち、「なぜ2号機が爆発していないのに、たくさん放射性物質を放出したのか?」
1と3は大きく爆発しましたけど、2号機は爆発していないのに、たくさん出したんですよ。
で、それがなんでなのか?
それでちょっと遠く、1km離れたところで、中性子線をたくさん観測したんですけれど、
それもなぜなのか?ということのヒントになることが出てきて、
それはこのあいだ、12月に、NHKで少しやってたんですけど、
燃料棒が露出して熱くなると、原子炉の中に水を入れて冷やすんですけど、
いったん熱くなった燃料棒に水をかけてしまうと、水ジルコニウム反応というのが起こって、
よりエネルギーと熱を放出して、よりメルトダウンが進行するっていう事が分かったんです、今年の夏。
それが、今年の8月に出てきて、ビックリして、わたしはこれはもう重要な情報じゃないかと思って、ブワーって記事書いたんですよ。
ケン:
大騒ぎでしたよね。
マコ:
一人で大騒ぎしてたんです。
で、なぜ重要か?というと、
燃料棒が露出すると水をかけて冷やすということが、再稼動の新基準の中に盛り込まれているので、
シビアアクシデント対策として。
世界の原子力業界がひっくり返ることだったんですよ。
それでびっくりして、東京電力にこの情報を出してきたので、
これはシビアアクシデントの止める冷やす閉じ込めるっていうんですけど、
「それがダメだった」っていうことですよねって驚いて言うと、
「これは業界の大発見じゃないですか」って言うと、東京電力は、「ですよね」って言われたんですよ。
平野:
「ですよね」って言ったんですか
ケン:
会見が終わってからね。
マコ:
そうそうそう。
結局、2号機は爆発しなかったので、原子炉の中の圧力が高くなってしまって、水が入れられなくなったんですよ。
なので、水を入れていたら、原子炉の中の圧力が高くなって、いったん水がまた抜けて、気体もちょっとずつ抜けて、
また燃料棒が露出してしまったから水を入れるっていうのを3回繰り返したんです。
なので、他の号機と比べて、3回水ジルコニウム反応を起こして、3回メルトダウンが進んだ。
っていうのが、今年の8月に出てきたんです。
水野:
でも、それをやったらダメだということがわかったのに、それをやるという方向で、安全基準は出来ているんですね。
マコ:
もうそれより先に基準ができていたので、それが反映されていないんです。
水野:
そうなんだ。
それに気づかず、私たちは新しい年を迎えようとしているわけですね。
マコ:
そうです、そうです。
水野:
ここからは、京都大学の小出先生のお話を、聞いていただこうと思います。
お三人にはまたそのあと、お話を伺います。
などという、とんでもない恐ろしい話を聞いたので、これはもう、どうあってもお知らせしなくては!と思い、
朝っぱらからヘッドホンをつけて、気持ちは焦るのに動作がノロいわたしは、イライラしながら文字起こしの作業をしておりました。
半分ぐらいを終え、脳ミソがぼわーんと痺れた感じがしたので、ちょっと休憩してお茶を飲もうと立ち上がった時、
ふと、もしかしたら…と、きーこさんのブログを覗いてみたら…。
あ、やっぱり…。
ということで、再々の転載と、文字起こしのサボりを申し訳なく思いつつ、膨大な量を文字起こししてくださったきーこさんへの感謝と尊敬の念を捧げつつ、
ここに転載させていただきます。
それにしても、こんないい加減なことを考える政府と企業と関係機関が、世界最高の基準だの、万全だの、安全だのと言っているのを、
わたしたちはもう、許してる場合ではないと思いませんか?
ほんとに、全国をあげて、いい加減にせんかっ!と拳をふり上げて怒らなければならないのではありませんか?
↓以下、転載はじめ
<もう騙されない>
東京電力記者会見の今・原発再稼働・アンダーコントロール・2号機の謎
おしどり・木野龍逸
12/31報道するラジオ
(きーこさんの文字起こし)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4045.html
報道するラジオ年末特番
『もう、だまされないぞ!2014』
2014年12月31日
ジャーナリスト・木野龍逸
夫婦漫才師・おしどり
文字起こし部分のYoutube
→http://youtu.be/tKn3AelBRBg?t=1m26s
水野:
木野龍逸さん、おしどりケンさんマコさんは、もうずーっと、東日本大震災から3年9ヶ月ですね。
東電、そして原子力規制委員会、福島県の会見、そして情報発信をウオッチし続けて下さっております。
そんなお三人に、いろんなことを聞いていこうと思います。
情報を出さない東京電力
3:08
水野:
本当のところ、最近の東京電力の会見に出ている人って、どのくらいいはるんですか?
マコ:
もう、激減しました。
10人以下で、質問する人もほとんどいないというのが多くて、
で、この間、衆議院議員選挙が終わりまして、大きい選挙が終わった後って、東京電力は嫌な大きいニュースを出してくるんですけど、
この間12月の衆議院選挙が終わった後出てきたニュースは、
2011年の3月4月事故直後に、現場にいた作業員の方達の手書きのメモだったり、ホワイトボードに書いたいろんな数値、プラントの圧力とか温度とか、
今まで発表されていないものが、選挙の翌日にまとめて出しまして、
水野:
選挙の翌日ですか?
ケン:
ビックリしました、ね。
マコ:
それでよくよく聞いたら、今まで国会事故報告書であったり、政府事故報告書であったり、原発事故のまとめは出てきているんですけど、
水野:
出てますよね、
マコ:
そこに提出されていないものもあるんですって。
水野:
エッ!提出されていないものが、あれ、事故報告書って出てたんですか?
マコ:
そうです、新たにまた数値が出てきて、
ケン:
結構な量がありましたよ、僕コピーしに行ったんですけど。
マコ:
それを、インターネットに公開でもなく、記者会見で配布するのでもなく、
水野:
ヘッ?
マコ:
東京電力のビルの中に、図書室みたいな情報公開コーナーっていうのがあるんですけど、
そこに置いておきますので、欲しい人は見に来てください、コピーしに来てください、
水野:
東京電力の図書室まで行かなきゃ見られませんの?
インターネットで見られませんの?!
マコ:
膨大な量があるんですけれども見られなくて、それでビックリして、
私たちはその翌日、浅草で舞台があったんですけど、早起きして、東京電力の図書室みたいなところに一番乗りで行って、ずっとコピーし続けたんですけど、
水野:
何枚ぐらいあるんですか?
ケン:
その時に出たのは、その新しいものは1枚なんですよ、DVD1枚なんですけど、
マコ:
DVDなので、紙の量にしたら膨大な量なんですね。
水野:
えーーっ!
マコ:
で、ビックリするのが、他にどのメディアも来なかったということです。
水野:
あら、それが一番ビックリしますね。
ケン:
それから来ているかもしれませんけれども、僕らが行っている間は会わなかったね、誰にも。
マコ:
2時間ぐらい、誰もその情報を取りに来なかった、っていうのが一番驚きました。
焦って行ったんですけど、ね。
平野:
中身はどうだったんですか?
マコ:
中身はやっぱり、事故直後の1号機から4号機、5号機、6号機までの使用済み燃料プールの温度だったり、炉の圧力であったり、
今その膨大な量は、エクセルに打ち込んでグラフにしているんですけど、
水野:
そこまでやってはんのやな。
平野:
だけど、本来これは、事故直後に出しておかなければダメなものですね。
水野:
で、今まで出さなかった訳というのは、会見では言ったんですか?
マコ:
「整理をするのに手間取っていた」と。
水野:
「整理」って、あんた…。
木野:
基本的には、出すものは自分たちで選んで出して、
要するに、「必要がない」って自分たちで思えば出さないみたいな、ということがありますね。
水野:
これはいまだに、「全部を出さなければいけない」というような、何か法律とか、何か縛りは無いんですか?
マコ:
無いんです。
出てこない情報はたくさんあります。
今現在進行形でも。
木野:
自分たちで出すものを選んで出している状態なんで。
水野:
「出せ」っていうんじゃなくて、「自分たちが今これを出したいです」から出すっていうペースは、今もずっと変わっていないままなんですか?
木野:
変わっていないですね。
マコ:
変わってないですね。
水野:
そこで、例えば会見で出してきたら、
「なんで今まで出さないんだー!」って言って、記者たちが怒号を上げるような姿は、
マコ:
もう、今はないですね、ほぼ。
ちょっと前まではあったんですけど、今は無くなったよね。
ケン:
無くなった。
水野:
あら、無くなりましたの。
じゃ、今回も「あ、そうですか、出たんですか」っていうので、シーンとして終わっているんですか。
マコ:
そうですね、2~3質問が出て、
「これは初めて出てきた情報ですか?」
「初めてです」
というやりとりはあったんですけど、なんかそれぐらいで。
すごく突っ込んでいた記者さんが、その情報を取りに来られるかなと思っていたんですけど、来られなかったんで、あれ?っていう感じだったよね。
平野:
関心が薄くなるのは、東電側の思惑通りかもわかりませんね。
そもそもテレビ映像、第一に、吉田所長がいた時のやりとりを、全部出していないですよね。
マコ:
出してない。
平野:
一番大事なところをね。
マコ:
そうです。
4月11日までしか出ていません。
それ以降も、随時整理がつき次第出していくということで、記者会見でことあるごとに、
「なんでその後半を出さないんだ」って言っているんですけど、
「まだ準備中です」ということで、
見たがる記者ももうほぼ居ないんですよ。
水野:
見たがる記者が、そういう意味でも「情報をきちんと出せ」って言わないと、余計に出さない状況が続いてしまうかもしれませんよね。
ケン:
そうなんですよ。
なんか最初は、質問したら、答もなんとか調べて返ってくる時もあったんですけど、
今は質問してもね、「答えません」みたいな答えが返ってくる時がありますよ。
マコ:
そうなんです。
今まで過去に東京電力が出していない情報で、規制庁にも追求されていないことは、新たに記者会見で出さないということになりました。
水野:
んんーーーー!
「出さない」という答弁がまかり通っているんですか!?
マコ:
はい。
水野:
木野さんはどう感じていますか、最近の状況を?
木野:
事故直後も確かにひどかったんですけれども、一時期少し前向きになって、でもまた元に戻ったというか、
それよりちょっとひどくなったかな、と。
マコ:
ひどくなった
水野:
なんで今、そんなひどくなっているというのはなんでなんでしょう?
木野:
確かに関心が薄くなったり、そういうのがあると思います。
水野:
国民世論ですかね?
木野:
で、東電にしてみれば、当然新しい情報は出さないほうが、自分たちには都合がいいですから。
事故の原因も、もちろんわかっていないこともいっぱいありますけれども、分からないことは分からないままにしたほうが、彼らも都合がいいですし、
そこにあえて自分たちから火をつける必要はないわけですよね。
それに対して誰も何も言わないと、やっぱりやりますね。
水野:
なるほど。
今そんなふうに情報が出てこない状況になっている中で、今日は、ずっとウオッチして下さっているこの3人の言葉は、ものすごく重たいと思います。
http://youtu.be/tKn3AelBRBg?t=12m27s
騙されないで~原発再稼働
水野:
それぞれちょっと伺っていいですか?
木野さんは、国民が今、どんなことに騙されている、あるいは木野さん自身も騙されたと思ってらっしゃるか。
どうですか?
木野:
もうなんか、ありとあらゆる事が、というふうにしか言えないんですけど、
その中でも、再稼動に関してはやっぱり、「ちょっとどうなのかな」というのはありますね。
水野:
今年(2014年)はもう、原発再稼働に向けて大きく動き出した一年でしたよね。
木野:
やってくるだろうなとは思っていたんですけれども、ここまで巻き返しが速いかなと、ちょっとビックリしましたけど。
水野:
もう来年(2015年)の春に、川内原発再稼働へということで、
木野:
動かしたい、みたいな話をしてますね。
水野:
着々と進んでいるようですね。
で、その後も「高浜原発、四国の伊方原発と続くんじゃないか」という話ですよね。
木野:
話はしてますね。
水野:
聞こえてくるというのは、やっぱり取材していて、そういう歩みの速さっていうのは、着実に進んでいると感じられますか?
木野:
と、思いますね。
で、結局その裏に、さっきもお話がありましたけど、「日本の規制は世界一安全」とかですね、
「安全」と言ったかと思えば、規制委員会の方では「安全と言った覚えはない」みたいな。
あちこちで違う話をしつつ、その規制基準に対しても、例えば新潟県の泉田知事は、
「避難計画に対して何も考えていない。そこが抜けたようなものは何の意味もない」みたいな言い方もしていますし、
その辺を含めて、きちんと整理ができてないし、いい加減なことをなんか言われ続けているなっていうのは、ずっと感じますね。
水野:
避難計画は、川内原発についても、多々疑問が呈されていますが、
木野:
もう全然、ですよね。
水野:
それ(避難計画)と再稼動の判断は別、
木野:
別ですから、「私たちには関係ない」って言ってますからね。
騙されないで~アンダーコントロール
水野:
ああ。
さぁ、おしどりケンさんマコさんは、どんなことを騙されているって感じますか?
マコ:
そうですね、私もいっぱいあるんですけど、さっきリスナーの方がおっしゃっていたアンダーコントロール。
あれはね、盛り上がったんですよ記者会見が。
ケン:
次の日ね
水野:
東電の記者会見?
マコ:
そうです。
ブエノスアイレスでのIOC総会で、安倍総理が発言された翌日に、月曜日に東京電力の記者会見がありまして、
もう、記者は総ツッコミですよ。
なんでか?というと、東京電力が、海の海水をずっと測定しているんですけど、毎日。
でも、汚染水が敷地内から汚染水が流れ出ていれば、海のセシウムや全ベータという各種の値は上がるんですね。
水野:
それはそうでしょ
マコ:
「上昇しているので、汚染水はコントロールされていないでしょ?」
というふうに、総ツッコミだったんです。
で、東京電力の回答が面白くって、
「東京電力といたしましても、総理のご発言のご趣旨を国に確認いたしました」って言ったんです。
だから東京電力もビックリして、「なんでそんなこと言ったんですか?」
水野:
アンダーコントロール、エッ!そんなこと聞いてないよ、みたいな
マコ:
で、「問い合わせた」っていうんですよ。
それで問い合わせた結果、
「東京電力としても、影響は少ないと考えているので、趣旨とは離れていないと考えています」
「汚染水が出ていない」とは、とてもじゃないけど言えないんですよね。
毎日海水を自分で測っているので、東京電力が。
汚染水が出ているっていう証拠は、東京電力自身が日々出し続けているので、ということで困っていました。
だから、ま、本当にアンダーコントロール、ブロックはされていないんですよね。
平野:
これはいまだに、1日350トンを、どんどん出ているわけですよね、処理に困って。
もう今は、海に放出してもいいんじゃないか、という話も出てますよね。
マコ:
出てます。
本当にもう、今年の夏ぐらいからまた私が、ちなみに、原発事故の後エクセルを覚えて、グラフにしていっているんですけど、
今年の夏以降、各地の海水の測定というのを、トリチウムとかいろんな核種の測定結果が急上昇していて、
汚染水がかなりの量出ているか、濃いまま出てるかになっているんですね。
にもかかわらず、去年まで原子力規制庁の方で、汚染水対策ワーキンググループというのがあったんですけど、
それが今はもう無いので、規制する担当部署が無いんですよ。
水野:
規制する担当部署が無いの?!
マコ:
無いんです。
ケン:
勝手にそんなね、コロコロコロコロ変えてね。
マコ:
一応、監視評価検討会で見ている、と言ってるんですけど、
この間、規制庁に、
「この汚染水の海水の放射能濃度が上がっているというのは、どこで見ているんですか?」(と尋ねたところ)、
「まあ、中で見ているところがあるでしょう」って言われて…だったので、もうかなり驚いてしまって。
汚染水が海に、多分今年の夏以降、ちょっと量がたくさん流れ込んでいるっていう状況なんですね、測定点から見ても。
でも、それを報道するところも調べるところもない、というのがまず一点と、
2号機が、一番多く放射性物質を放出した理由
マコ:
再稼動がどんどん進んでいく中で、1個ビックリしたことが、
今年の夏に、未確認未解明事項というのを、54件ぐらいあるんですけれど、原発事故の、
水野:
そんなにあるんですか、未確認未解明
マコ:
そのうち10件がすごく重要で、研究課題として取り上げられていて、
そのうち4つが、「大体こんな事じゃないかな」って今年の夏に出てきたんですよ。
ま、少ないけれど、54のうちの4なので。
その中の一つに、
1号機2号機3号機のうち、「なぜ2号機が爆発していないのに、たくさん放射性物質を放出したのか?」
1と3は大きく爆発しましたけど、2号機は爆発していないのに、たくさん出したんですよ。
で、それがなんでなのか?
それでちょっと遠く、1km離れたところで、中性子線をたくさん観測したんですけれど、
それもなぜなのか?ということのヒントになることが出てきて、
それはこのあいだ、12月に、NHKで少しやってたんですけど、
燃料棒が露出して熱くなると、原子炉の中に水を入れて冷やすんですけど、
いったん熱くなった燃料棒に水をかけてしまうと、水ジルコニウム反応というのが起こって、
よりエネルギーと熱を放出して、よりメルトダウンが進行するっていう事が分かったんです、今年の夏。
それが、今年の8月に出てきて、ビックリして、わたしはこれはもう重要な情報じゃないかと思って、ブワーって記事書いたんですよ。
ケン:
大騒ぎでしたよね。
マコ:
一人で大騒ぎしてたんです。
で、なぜ重要か?というと、
燃料棒が露出すると水をかけて冷やすということが、再稼動の新基準の中に盛り込まれているので、
シビアアクシデント対策として。
世界の原子力業界がひっくり返ることだったんですよ。
それでびっくりして、東京電力にこの情報を出してきたので、
これはシビアアクシデントの止める冷やす閉じ込めるっていうんですけど、
「それがダメだった」っていうことですよねって驚いて言うと、
「これは業界の大発見じゃないですか」って言うと、東京電力は、「ですよね」って言われたんですよ。
平野:
「ですよね」って言ったんですか
ケン:
会見が終わってからね。
マコ:
そうそうそう。
結局、2号機は爆発しなかったので、原子炉の中の圧力が高くなってしまって、水が入れられなくなったんですよ。
なので、水を入れていたら、原子炉の中の圧力が高くなって、いったん水がまた抜けて、気体もちょっとずつ抜けて、
また燃料棒が露出してしまったから水を入れるっていうのを3回繰り返したんです。
なので、他の号機と比べて、3回水ジルコニウム反応を起こして、3回メルトダウンが進んだ。
っていうのが、今年の8月に出てきたんです。
水野:
でも、それをやったらダメだということがわかったのに、それをやるという方向で、安全基準は出来ているんですね。
マコ:
もうそれより先に基準ができていたので、それが反映されていないんです。
水野:
そうなんだ。
それに気づかず、私たちは新しい年を迎えようとしているわけですね。
マコ:
そうです、そうです。
水野:
ここからは、京都大学の小出先生のお話を、聞いていただこうと思います。
お三人にはまたそのあと、お話を伺います。