ジャピオンという、ニューヨークのタウン誌があります。
ニューヨークには、数多くの日本人向けのタウン誌があるのですが、その中でも一番読まれているタウン誌なんだそうで、
先日、その中の特集『35才だった』のインタビュー記事が掲載されているとの連絡をいただき、さっそくミツワに買い物に行った次男くんに、10誌ほど持ち帰ってほしいと頼みました。
ネットでも読んでいただけます。(No.797・1/23/2015号)
http://ejapion.slomo.jp/flippagemaker/797/JAPION_01_797.html#p=15
昨日は、ユニオン・スクエアでの『青デモ』に参加し、家に戻ってから久しぶりに、日本の映画を観ることにしました。
最近ユーチューブの中で、英語字幕付きの日本映画がフルサイズで観られることを知り、昨夜は『おとうと』という映画を観ました。
あらすじを読んだ時から、ちょっとヤバいかなと思っていました。
鶴瓶さんが演じる主人公の弟は、酒に酔っては失敗を重ねる風来坊。けれども、そのことを一番気にしていたりもする。
わたしの弟とは生き方も性格も全然違うし、どちらかというと心配をかけているのは姉のわたしの方だったりするのだけれども、
この弟が、何度も家族に迷惑をかけた上、音信不通になり、複数の癌や疾病を抱えて行き倒れたところを保護され、
実際に東京の山谷に存在する「特定非営利活動法人(NPO)きぼうのいえ」がモデルとなった『みどりのいえ』に引き取られ、
そのことがきっかけで、姉の吟子(吉永小百合)さんが大阪まで駆けつけ、最期を見送るというのが、この映画の筋書きです。
癌末期を迎え、どんどんとやせ衰えていく鶴瓶さん演じる『鉄郎』が父の姿と重なり、
ずっと強がっていた鉄郎が、「夜中に目が覚めてしまうと怖なるねん」と言うのを聞くと、死を間際にした父の気持ちが思い出され、
最期の夜を共に過ごす姉と弟の、お互いの手首をリボンで結んで眠る姿が切なくて悲しくて、
「もういいよ、頑張らなくていいよ」と言う看護師さんの言葉を聞くと、全く同じ言葉を父に言った時のことを思い出し、しばらく涙が止まりませんでした。
そんなふうに父のことを強烈に思い出し、弟が愛おしくてたまらなくなり、泣きはらした目でジャピオンの記事を読んでいると、
どうしよう、こんなふうに父の悪口ばかりを言ってしまって…と、今度はそのことが申し訳なくなって、また泣けてきました。
自分ではそんなつもりは無かったけれど、どんなふうな人生でしたかと聞かれ、一つ一つ思い出しながら話した内容を簡潔にまとめてくださったものを読むと、
結果的には、父は、わたしや弟の人生に、次から次へと困難なことを持ち込んできた人だったということになってしまうのだなと。
彼が父としてかけてくれた愛情や、してくれたたくさんの楽しいこと良いことは、わたしの心の中にしっかりと残っているはずなのに、
わたしの口から出た言葉は、こんなことばっかり…。
だからこの記事を読んだだけの人はきっと、わたしの父のことを、とんでもない父親だと思うだろうな。
そんなことをくよくよと思いながら、家族というものをまた、しみじみと考えた夜でした。
ニューヨークには、数多くの日本人向けのタウン誌があるのですが、その中でも一番読まれているタウン誌なんだそうで、
先日、その中の特集『35才だった』のインタビュー記事が掲載されているとの連絡をいただき、さっそくミツワに買い物に行った次男くんに、10誌ほど持ち帰ってほしいと頼みました。
ネットでも読んでいただけます。(No.797・1/23/2015号)
http://ejapion.slomo.jp/flippagemaker/797/JAPION_01_797.html#p=15
昨日は、ユニオン・スクエアでの『青デモ』に参加し、家に戻ってから久しぶりに、日本の映画を観ることにしました。
最近ユーチューブの中で、英語字幕付きの日本映画がフルサイズで観られることを知り、昨夜は『おとうと』という映画を観ました。
あらすじを読んだ時から、ちょっとヤバいかなと思っていました。
鶴瓶さんが演じる主人公の弟は、酒に酔っては失敗を重ねる風来坊。けれども、そのことを一番気にしていたりもする。
わたしの弟とは生き方も性格も全然違うし、どちらかというと心配をかけているのは姉のわたしの方だったりするのだけれども、
この弟が、何度も家族に迷惑をかけた上、音信不通になり、複数の癌や疾病を抱えて行き倒れたところを保護され、
実際に東京の山谷に存在する「特定非営利活動法人(NPO)きぼうのいえ」がモデルとなった『みどりのいえ』に引き取られ、
そのことがきっかけで、姉の吟子(吉永小百合)さんが大阪まで駆けつけ、最期を見送るというのが、この映画の筋書きです。
癌末期を迎え、どんどんとやせ衰えていく鶴瓶さん演じる『鉄郎』が父の姿と重なり、
ずっと強がっていた鉄郎が、「夜中に目が覚めてしまうと怖なるねん」と言うのを聞くと、死を間際にした父の気持ちが思い出され、
最期の夜を共に過ごす姉と弟の、お互いの手首をリボンで結んで眠る姿が切なくて悲しくて、
「もういいよ、頑張らなくていいよ」と言う看護師さんの言葉を聞くと、全く同じ言葉を父に言った時のことを思い出し、しばらく涙が止まりませんでした。
そんなふうに父のことを強烈に思い出し、弟が愛おしくてたまらなくなり、泣きはらした目でジャピオンの記事を読んでいると、
どうしよう、こんなふうに父の悪口ばかりを言ってしまって…と、今度はそのことが申し訳なくなって、また泣けてきました。
自分ではそんなつもりは無かったけれど、どんなふうな人生でしたかと聞かれ、一つ一つ思い出しながら話した内容を簡潔にまとめてくださったものを読むと、
結果的には、父は、わたしや弟の人生に、次から次へと困難なことを持ち込んできた人だったということになってしまうのだなと。
彼が父としてかけてくれた愛情や、してくれたたくさんの楽しいこと良いことは、わたしの心の中にしっかりと残っているはずなのに、
わたしの口から出た言葉は、こんなことばっかり…。
だからこの記事を読んだだけの人はきっと、わたしの父のことを、とんでもない父親だと思うだろうな。
そんなことをくよくよと思いながら、家族というものをまた、しみじみと考えた夜でした。