ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

国家神道復活を狙う神社本庁と、待望の安倍内閣による憲法・教育等の戦後の諸問題の総決算をしたい日本会議

2016年02月11日 | 日本とわたし
神社本庁「安倍応援団」の中核

改憲への意欲あらわ
政教分離の例外狙う




【東京新聞・こちら特報部】
道政治連盟の主張は、東京裁判の否定、教育勅語の賛美など、復古色が濃い。

神社は神道の宗教施設だが、戦前は『国家神道』の装置として機能した

国家神道とは何か
大阪大の子安宣邦名誉教授(日本思想史)は、
1889年(明治22年)に交付された大日本帝國憲法で、神道は祭祀体系として他の宗教とは区別され、憲法を超越した存在とされた
これが法制度としての国家神道の出発点だ」と語る。

1900年には、内務省に神社局が設置され、神社の社格の体系化や、まつり方の統一などが実施された。

「それまでの神道は、私生活の安泰などを願う素朴な信仰だったが、
国家神道は、天皇への忠誠を核に、日本を神聖な国と規定し、国教化により、戦前の全体主義を支える基盤となった

『皇軍』を動員する装置であり、その機能は、子安氏もじかに目撃した。
「兄が出征する際、近所の神社に詣でてあいさつした。
中国で戦死した後は、靖国神社に『英霊としてまつられた』。
これらを正当化する仕組みが、国家神道だ」

敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は、国家神道が日本の全体主義の根源と見なし
1945年12月の神道司令で、国家神道を廃止した
さらに日本国憲法は、戦前の反省から、20条で政教分離を定めた

戦後、大半の神社は、宗教法人・神社本庁の包括下に置かれた
靖国神社が、独立した別の宗教法人として、今日まで存続してきた。

形の上では、政教分離が図られているように見えるが、子安氏は、
「GHQも、その元凶までは排除できなかった」と語る。
日本人は、自ら戦争責任を追及しきれず、国家神道を支えた軍人や官僚、学者、神社関係者などは、戦争責任を免れた。
その後、彼らは再び、国家とかかわりたいという願望を持ち続けてきた


実際、靖国神社を戦前同様、国家管理しようとする法案は、69年以降、自民党から5回にわたり、提出された(いずれも廃案)

だが、こうした動きに対し、戦前を知る市民たちからの抵抗も強く、神道行事への公費支出を市議らが問題視した、津地鎮祭訴訟(原告側の敗訴)、
県が、靖国神社への玉串料を、公費から支出したことを批判した、愛媛玉ぐし料訴訟(原告側の勝訴)などが相次いだ。
歴代首相の靖国公式参拝をめぐる訴訟も続いてきた

だが、戦争体験のある人びとが減ってきた現在はどうか。
子安氏は、
国内でナショナリズムが高まり、戦後の歴史観を書き換えようとする、安倍首相らが登場したことで、
国家神道を復活させよう、という動きが表立ってきた
」と警戒する。

具体的には、自民党が、12年に発表した改憲草案でも、国や地方自治体による宗教行為を禁じた20条3項に、
ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りではない
との一文が追加されている。

神道を、政教分離の例外にしようという主張は、戦前と同じだ」(子安氏)

千葉大の小林正弥教授(政治哲学)は、安保関連法をめぐる議論で、政府に異を唱えた宗教者らの存在を挙げ、
「宗教団体である神社本庁が、政治的な活動を行うこと自体は否定しない」と述べる一方、
宗教としての神道と、現政権の方針との矛盾を指摘する。

日本の神々を敬う神道に対し、現政権は、米国や資本を重視する『親米』『新自由主義』の色合いが濃い。
だが、それでも神社本庁が改憲を求める理由について、小林教授は、
過去の国家神道への強い批判に対する反動がある」とみる。
「だが、神道が再び国家と結びつけば、戦前のように、政治の道具として、国民を戦争に動員するスローガンとして使われるだろう」


デスクメモ

国家神道の復活などというと、「まさか」と言われそうだ。
だが、現実味を帯びてきた改憲にしても、約4年前には、妄想に近い扱いだった。
まして、推進する日本会議の原型は、1978年に結成された、元号法制化実現国民会議だ。
つまり、40年弱の潜伏期間を経ての今日である。
その『本気』は、決して侮れない。(牧)


↑以上、書き起こしおわり



というわけで、今朝見つけたこの方の体験談をぜひ、続けて読んでください。

↓以下、転載はじめ

日本会議から勧誘の電話がかかってきたのでやりとりを全公開!
安倍首相を絶賛、結婚を戸主の許可制にすべきと、トンデモ主張

【LITERA】2016.02.11
http://lite-ra.com/2016/02/post-1967.html

「もしもし、日本会議です」
 
2月9日、ライターAの携帯電話に突然、知らない番号からコールがあった。
出てみると、相手はこう名乗ったという。
 
本サイトの読者にはおなじみだと思うが、「日本会議」とは、日本最大の右派政治団体
下部組織の「日本会議国会議員懇談会」には、安倍晋三首相をはじめ、現内閣のほとんどの閣僚が参加しており
英紙「The Economist」や仏誌「L'Obs」などの海外メディアからも、その戦前回帰的思想の危険性を指摘される、極右団体だ。
 
いったい、何事かとおもったら、有料会員のお誘いだった。
実は昨年11月、Aは、日本武道館で開催されたある集会に、本サイトの記者と一緒に参加していた。
それは、「今こそ憲法改正を!1万人大会」という、安倍首相もビデオメッセージを寄せ、改憲への意気込み語った大規模集会だ。
同大会の主催は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なる団体で、Aは、同会HPの応募フォームから、電話番号や住所などの個人情報を記入していた。

「電話を受けるまで気に留めなかったのですが、前日には、自宅にA3サイズの封筒が届いていました。
差し出し人は日本会議事務総局で、“去年の11月の改憲集会の参加の御礼と、日本会議ご入会のご案内”とありましたから、個人情報を流用したのでしょう。
しかし、直接電話までしてくるとは驚きました」
 
Aは、「ちょっと面白そうなので」、会話を録音しておいた。
聞いてみたら、なかなか香ばしいやりとりしていたので、ここに公開したい。
できるかぎり忠実なかたちで再現するために、註釈を入れる場合はカッコで表しているので、ご了承いただきたい。


日本会議 
その節は、(「1万人大会」に)どうもご参加ありがとうございました。
日本会議は常日頃、尖閣諸島をはじめとした日本の領土を、なんとしても守りながらですね、
戦後最大の課題であります憲法改正と、教育の正常化という問題に、全力で取り組んでるんですがね。

A 
あの、ちょっと、すみません。
今お話されている方は日本会議の…?

日本会議 
事務局でございます。

A 
職員のかたですか?

日本会議 
ええ。あの、この度、待望の安倍内閣によりましてね、これら憲法、教育等の戦後の諸問題の総決算したいというので、日本会議は全力で取り組んでるんですがね。
Aさんには、安倍内閣による憲法、教育、領土に対するこの取り組みをですね、どのようにご覧になってますか?

A 
僕個人がですか? 
それはあの…。

日本会議 
私は、この安倍内閣で憲法改正が実現しませんでしたらね、日本はまた、4、50年間できないんじゃないかと思っております。

A 
な、なぜですか。

日本会議 
それらしき人材がいない、というところでございます。
少なくとも、私は、戦後70年というとてつもない長い時間をかけてね、憲法が議論の俎上にあがったのは今回が初めてだと思います。
まあ、歴史的にいえば、岸内閣のときにちょっとはでましたけどね。
これもすぐ終わってしまいました。
それから、中曽根内閣のときにちょっと憲法議論がでましたけれども、これも終わりました。
すくなくともこれで、3年4年にわたって憲法を改正しようという内閣は、今回が初めてだと思いますね。

A 
はあ。あの、それだけ安倍内閣を、日本会議は評価しているということなんですか。

日本会議 
評価していますね。

A 
歴代内閣のなかで一番、日本会議の悲願にマッチしている、というふうに考えているんですか。

日本会議 
一番マッチしているというよりも、初めてマッチしたということでしょうね。
いままで議論にならなかったわけですよ。
一応いま議題にあがってきていますよね。
それは、戦後70年経過して、初めての現象だと思います。
いままでにはございません。


以上は録音の冒頭部分にあたり、電話口の人物が、日本会議を名乗った直後のやりとりである。
日本会議が安倍内閣を絶賛し、この機を逃すものかと力を込めているのがわかる。
しかし、その後の通話では、日本会議は、最終的目標を「自主憲法制定」としながらも、具体的に憲法のどの部分を変えるべきなのかについては、説明を曖昧にする


A 
僕もその、憲法改正の大会に興味があったので、参加したんですけども、
日本会議さんの憲法改正の一番の目玉っていうのは、やっぱり第1条(天皇条項)なんですか?

日本会議 
最終的にはね、日本の国にふさわしい自主憲法を制定すべきだと思います。

A 
前文も含めて?

日本会議 
前文も含めて
ただね、いまの安倍内閣で全部それができるかといったら、なかなかそうはいかないですよ。
したがいまして、いますぐに目指すのはですね、たとえば98条ですかね、
(衆参での憲法改正の国民投票発議を)3分の2条項を、2分の1にするとかですね。

A 
98でしたっけ、96でしたっけ?(実際には憲法96条

日本会議 
それから、あー、緊急事態条項を加味するとかね。
いうようなところがまず、それも個々の問題ですけれども、いまの安倍内閣にまず期待したいところはですね、
70年間開かずの扉の憲法を、開けるというところに意味がある
と思います。
これは開かずの扉で、錆びついてるんですよ。
世界中にこんなものはありませんわね。
 

日本会議による「自主憲法制定」への“戦略”が、見事なまでに、これまでの安倍首相の発言と一致していることがわかる。
実際、その後のやりとりのなかでは、Aが、
日本会議としてもとりあえず、憲法を変えてみるというところで、国民のアレルギーといいますか、拒否反応をなくしていこうということですか」と聞いているのだが、
これに対し日本会議は、
「そういうことですね」とあっさりと認めている。
“お試し改憲”の先に、日本会議が目指すものは何か
通話記録からは、そのひとつとして、“家父長制の復活”が垣間見れた。


日本会議 
あの結局ね、教育を本当の意味で正常化しようと思ったら、憲法を改正しないと正常化できないんですよ。
尖閣をはじめ、国を守ろうということになれば、いまの憲法のままでは守れないと思います。
だから、憲法に行き着くんですよ。
たとえばいま、少子化という問題がありますよね。
これだって憲法に行き着きますよ! 
結婚は両性の合意のみでできるなんてことはね、そもそもこれはね、日本の国にふさわしくないですわね。
その考え方の条文のなかにはね、先祖とか一族とか同族とかという家族といいますかね、そういう思想が抜けてしまったわけですよ。
たとえばね、私はそれに戻れとは言いませんけども、戦前はですね、戸主の認可が必要だったわけです。
両性の合意だけでは結婚できなかったんです。

A 
ああ、戸籍の主、ようするにお父さんとかですよね。

日本会議 
そう、いわばお父さんです。
ですが、いま、戦後はですね、お父さんが反対しようと叔父さんが反対しようと、誰が反対しようと、二人だけがいいって言えば、結婚できるようになっちゃったわけですよ。
だから、そういうものがね、いきつく先が、いまの「結婚をしようがしまいが自由じゃないか」と。
「子供なんか産もうが産ままいが自由じゃないか」と。
自由、自由、自由に基づいて、みんな楽を求めてですね、少子化につながってしまった

A 
はあ、なるほど……。
個人的には少子化に関しては、いろいろ経済や福祉の問題が非常に大きいと思うんですけど、まあそれはさておき、
ようするに、そういった、父権的な明治のような戸籍制度が、日本会議としては復活すべきだと、憲法に織り込むべきだと考えているわけですか?

日本会議 
というよりも、家族というものをね、バラバラにしちゃったのが、いまの憲法のなかには、そういう精神があるわけですよ。
マッカーサーの考えでしょうね。
日本を弱体化して、またアメリカに歯向かうようなことがないためにはですね、家族が強固なもので結ばれていたんじゃあそうはいかないということで。
家族解体ですね。

 

日本会議は、こうした主張をひとしきりぶった後、Aに、
このような日本会議の運動にご賛同いただけたらですね、是非、会員としてご協力をお願いしたい」と要請した。

通話時に、日本会議は、会員の種類と年間費などについても説明。
一番低額なのが、機関誌「日本の息吹」の事実上の定期購読コースである3800円の「支援会員」、
続いて、バッジが贈呈される1万円の「正会員」、
3万円の「維持会員」(正会員とはバッジの色が異なる)、
10万円の「篤志会員」(同)などがある。
電話での説明によれば、「支援会員」の3800円は、「日本の息吹」1年分の実費であるらしく、他の会員の差額分を活動費に充てているという。
その際、こうした電話勧誘は、少なくとも、「今こそ憲法改正を!1万人大会」に参加した、非会員全員を対象に行っていると説明。
そこで、Aは、1万人大会と日本会議の関係を聞いてみた。


A 
確認なんですけど、あの集会って、美しい憲法をっていうあれ(=「美しい日本の憲法をつくる国民の会」)で。
いま、電話をいたただいているということは、あれは日本会議が、実際には事務局となってやっているということなんですか。

日本会議 
そういうことですね。
ただ、あえてそういうもの(=別の名称)をつけたのはですね、憲法改正というものはもっと幅広く訴えたいんですわね。
そのために、美しい日本の憲法をつくる会というのを組織したわけです。
 

さらに、この日本会議の職員は、本日2月11日に、明治神宮で開催される集会についても、勧誘してきたという。


日本会議 
明後日(11日)の建国記念日にですね、これの中央集会というのは、明治神宮でやりますよ。

A 
それは日本会議がやるんですか。

日本会議 
いや違いますよ。

A 
どこがやるんですか。

日本会議 
日本の建国をお祝いする会(=「日本の建国を祝う会」)っていうのがあるんだと思いますね、たしか。
場所は、明治神宮のなんとか会館ですよ。

A 
それには日本会議は関係しているんですか?

日本会議 
あのー…応援してますね。職員を派遣したりとかしてね。

A 
じゃあ、この前の1万人大会と同じような感じで。

日本会議 
そうです、そうです。

A 
つまり、違う名前だけど、日本会議も全面的にバックアップしていると。

日本会議 
そうですね。毎年やってます


日本会議は、通話の終わり際にも、この建国記念日の集会の正式名称や、開催の時間帯を伝えていた。
実際、本サイトが調べてみると、日本会議のHP上にて、「建国記念の日奉祝中央式典」の概要と参加を促す旨が、アナウンスされていた
しかも、こうした集会は、東京都・明治神宮をはじめ、北は北海道から南は鹿児島まで、全国約40箇所で同時開催される予定となっている。
主催や連絡先はまちまちだが、日本会議の地方本部、または支部の名が、記載されているケースも少なくない。
その内容は、予定されている講演者の顔ぶれを見れば、想像に難くないだろう。
以下、ほんの一例をあげる。

●東京都 「建国記念の日奉祝中央式典」……山谷えりこ参議院議員、八木秀次氏(麗澤大学教授)、石平氏(評論家)/主催・日本の建国を祝う会
●北海道 「建国記念の日奉祝道民の集い」……小川榮太郎氏(文藝評論家)/主催・日本会議北海道本部
●大阪府 「建国記念の日をお祝いする府民の集い」……安本寿久氏(産経新聞編集委員)/共催・日本会議大阪、美しい日本の憲法をつくる大阪府民の会
●福岡県久留米市 「日本の建国をお祝いする市民の集い」……門田隆将氏(ノンフィクション作家)/連絡先・日本会議福岡県南支部
 
日本会議側の発言とあわせると、あらためて、日本会議が、右派の全国運動において、中心的役割を果たしていることがわかる。
しかも、今日の建国記念日に行われる日本会議の集会の多くは、入場無料や事前予約不要のようだが、
おそらく改憲の署名活動なども、同時に行われる可能性が高い
 
そうしたものにうっかり個人情報を書き込むと、今回のAのように、ある日突然、日本会議から電話がかかってくることになるだろう。
 
日本会議のダミー団体である、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」HPでは、個人情報の取り扱いについて、こう記載されている。

〈当会の活動を通じて得た個人情報は、当会からの連絡、当会の業務改善のためのアンケート等の送付、当会が主催・共催・後援するシンポジウム・フォーラム等のご案内、当会が発行する刊行物、その他の情報・資料等の発送、当会WEBサイトのコンテンツ制作の参考等に利用し、利用目的の範囲内で適切に取り扱います〉
 
どう考えても、この「当会」とは、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のことであって、日本会議ではないはずだが、
しかし、連中は、この“グレーな勧誘手法”について少しも悪びれないどころか、会員にすることで活動費を捻出しようとしているわけだ。
 
改憲論議が盛り上がりを見せる昨今、読者諸賢はどうか、こうした日本会議によるダミー団体を使ったオルグにひっかからないよう、くれぐれも注意してもらいたい
(編集部)
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『命』より『国』が大切だという狂気に巻き込まれそうになっている日本の人たちに→『戦争のつくりかた』

2016年02月11日 | 日本とわたし
「戦後70年間、直接は戦争に関わってこなかったこの国は、これまでより遥かに、「戦争ができる国」「戦争をする国」に近づいてしまっているかもしれません」

これは、新たに戦争の悲しみと不条理を繰り返してはならないと考えた、日本の映像・アニメーション作家たちが、「戦争のつくりかた」という絵本を短編映画にしたものです。

↓以下、文字起こしはじめ




戦争のつくりかた
What happens before WAR?



あなたは、戦争がどういうものか、知っていますか?

おじいさんやおばあさんから、昔のことを聞いたことがあるかもしれません。


学校の先生が、戦争の話をしてくれたかもしれません。


話に聞いたことは無くても、テレビで戦争をしている国を見たことならあるでしょう。


わたしたちの国は、70年近く前に、戦争しないと決めました。




だからあなたは、戦争のために何かをしたことがありません。


でも、国の仕組みや決まりを少しずつ変えていけば、戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。






その間には、例えばこんなことが起こります。


わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、武器を持ってよその国に出かけるようになります。


世界の平和を守るため、戦争で困っている人々を助けるため、と言って。


攻められそうだと思ったら、先にこっちから攻める、とも言うようになります。


戦争のことは、ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、という決まりを作ります。


他の人には、「戦争することにしたよ」、と言います。


時間が無ければ、後で。



政府が戦争するとか、戦争するかもしれないと決めると、テレビやラジオや新聞は、政府が発表した通りのことを言うようになります。




政府に都合の悪いことは言わない、という決まりも作ります。



みんなで、普段から戦争の時のための練習をします。
なんか変だなーって思っても、「どうして?」と聞けません。
聞けるような感じじゃありません。



学校では、いい国民は何をしなければならないか、を教わります。


どんな国やどんな人が悪者か、も教わります。


町のあちこちに、カメラが付けられます。


いい国民では無い人を見つけるために。


わたしたちもお互いを見張ります。
いい国民ではない人が周りに居ないかと。


誰かのことを、いい国民では無い人かもと思ったら、おまわりさんに知らせます。


おまわりさんは、いい国民では無いかもしれない人を捕まえます。





戦争が起こったり、起こりそうな時は、お店の品物や、あなたの家や土地を、軍隊が自由に使える、という決まりを作ります。


いろんな人が、軍隊の仕事を手伝う、という決まりも。


例えば、飛行機のパイロット、お医者さん、看護師さん、トラックの運転手さん、ガソリンスタンドの人、建設会社の人などです。





戦争には、お金がたくさんかかります。


そこで政府は、税金を増やしたり、わたしたちの暮らしのために使うはずのお金を減らしたり、わたしたちからも借りたりしてお金を集めます。



味方の国が戦争をする時には、お金をあげたりもします。



わたしたちの国の憲法は、戦争しないと決めています。


憲法は、政府がやるべきことと、やってはいけないことをわたしたちが決めた、国の大本の決まりです。


戦争をしたい人たちには、都合の悪い決まりです。


そこで、わたしたちの国は、戦争に参加できると、憲法を書き換えます。


さあ、これで、わたしたちの国は、戦争できる国になりました。



政府が戦争すると決めたら、あなたは、国のために命を捨てることができます。


政府が、「これは国際貢献だ」と言えば、あなたは、そのために命を捨てることができます。




戦争で人を殺すこともできます。


おとうさんやおかあさんや、学校の友だちや先生や、近所の人たちが、戦争のために死んでも、悲しむことはありません。




政府は褒めてくれます。


いいことをしたのですから。


国や、国際貢献のために。


人の命が、世の中で一番大切だと、今まで教わってきたのは、間違いになりました。


一番大切なのは、国、になったのです。





もしあなたが、そんなのはいやだと思ったら、お願いがあります。


ここで見たことが、ひとつでも起こっていると気づいたら、大人たちに言ってください。


「たいへんだよ、なんとかしようよ」と。


大人は、忙しいとか言って、こういうことになかなか気づこうとしませんから。



わたしたちは、未来を創り出すことができます。


戦争しない方法を、選び取ることも。



↑以上、文字起こしおわり



みなさま、『戦争のつくりかた』という絵本を知っていますか?

Hello all,
Are you familiar with a book called What Happens Before War?


これは2004年、この国が戦争へと近づいていくのではないかと気づいた人たちによっ­て制作された「絵本」です。

This is a picture book produced in 2004 by a group of people who had the realization that Japan might be headed toward war.


しかし、この絵本をいま開くと、驚くべきことに、いまの日本や私たちの日常はその絵本­に描かれている「戦争へと導かれていく国」の姿へと日々近づいているように思えます。


終戦70周年を迎えた2015年、新たに戦争の悲しみと不条理を繰り返してはならない­と考えた私たちは、この物語を広く伝えるためにアニメーション映像化しようと考えまし­た。

2015 marked the 70th year since World War II came to an end. We thought the sorrow and absurdity of war must not be repeated and decided to make this picture book into an animation piece in order to make the story known to a wide audience.


3.11の東日本大震災とそれにまつわる福島原発事故をきっかけに立ち上げられた映像­作家やアーティストたちの集団「NOddIN(ノディン)」が中心となって、日本の数­多くのアニメーション作家と共に「絵本の言葉をリレー形式でアニメーション化する」と­いう自主制作のプロジェクトが始動し、構想期間を含めのべ1年以上の制作期間を経てこ­の短編映画を完成することができました。

“NOddIN” (pronounced NOddIN) is a collective launched by filmmakers and artists in the wake of the 3.11 Great East Japan Earthquake and related Fukushima nuclear power plant accident. With the cooperation of a large number of Japanese animation artists, we spearheaded this self-production with the aim to animate the words of the book round-robin style, and our collaborative project was begun. After over a year of production including the conception period, we completed our short film.


私たち日本に住む国民は、約70年、直接には戦争を経験していない国の中で生きてきま­した。しかしこのまま行けば、次の世代が戦争を経験することになってしまうかもしれな­い。
戦争を知らない世代が、自分たちの都合や責任感の無さによって、次の世代に戦争を押し­付けてしまうことになるかもしれないのです。


Those of us residing in Japan have lived for the past 70 years in a country with no direct experience of war. If we continue on the way we have been heading, however, the next generation may end up having to experience it. A generation with no knowledge of war themselves may, by their own convenience or through lacking a sense of responsibility, end up pushing it onto the generation following them.


わたしたちはそれぞれに、いろんな立場があります。

We each have our own standpoint.


でも、どんなに政治的な議論をしても、それぞれの解釈を持ってしても、「戦争をしては­ならない」という想いだけは、誰もが疑いなくイエス!と言えるものであると思っていま­す。

However we might debate it politically, though, and whatever interpretations we might hold, our belief is that the thought we can all say YES! to without question is: “We must not go to war.”


憲法で戦争を放棄すると決めた国、日本。
大きな犠牲のもとに築かれたこの平和な70年という遺産を、次の世代にきちんと手渡し­できるかは、
私たちひとりひとりが一歩を踏み出せるかどうかにゆだねられているのです­。


The legacy of these 70 years of peace ― of Japan, this country that made the choice to renounce war constitutionally ― was built on great sacrifice. Whether or not that legacy can be passed on to the next generation will depend on the ability of each of us to make a step toward that end.


この作品に協力してくれた数多くの人々に感謝を込めて。
そして、この物語が、多くの人の心に触れ、平和の礎の一つになることを願って。


With gratitude to the many people who collaborated with us on this, and in the hope that this story might touch the hearts of many to become a foundation stone for peace,


2015年10月2日
チーム 一同

The NOddIN team
October 2, 2015


戦争のつくりかた特設サイト
http://noddin.jp/war/

NOddIN HP
http://noddin.jp

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