これ↑は、8月23日に、京都大学附属病院が出した「医療の危機について」書かれた文書です。
「適切な医療を受けることができない自宅療養者のうち、死亡される事案が発生しかねない災害レベル」
京都ではまだ発生していないということなのでしょうか。
東京はもう発生し始めています。
それがどれほど理不尽なことか。
それがどれほど無念なことか。
以下のビデオ↓を観てください。
こんなことがどうして起こるんですか?
どうしてこんなことになる前に、政府は何もしていなかったんですか?
何もしていないどころか、税金使って病床削減をいまだにしていたり、東京オリパラを強行したり。
症状別の大型治療施設を提供できるように、ありとあらゆる可能性を模索して、貸してもらえそうなところに交渉して、施設が運営可能になるためのスタッフの確保をする。
いくらでもできたじゃありませんか!
時間もお金もあった。
臨時国会を開いて法整備をすることもできた。
だけど全く何もやっていないのです。
このビデオの中に、誰も悪くないとお医者さんが言っていましたが、いいえ、政府は悪いです。
運命だと思えと言うのはいくらなんでも辛過ぎます。
これはれっきとした日本の政治家による人災です。
先週金曜日午後4時。都内のマンション。
部屋には会社員の55歳の男性が横たわっています。
保健所からの要請を受け、駆けつけたのです。
一度救急車が来たのですが…。
男性は自宅療養を続けています。
医師が駆けつけた時には、自分で注射もできないほど衰弱していました。
受け入れ先の病院を探しますが…、
自宅には、別の場所に住む姉も駆けつけました。
病院が決まり、父親と姉は安堵の表情を見せます。
患者はストレッチャーで救急車へ。
ふりだしに戻り、再び受け入れ可能な病院を探します。
救急隊員:
先生は先生でちょっとお願いします。
田代医師:
当たる、当たる当たる。
救急隊員も電話で病院を探します。
救急隊員:
それで、先生が連絡してくれたんですけど、救命を当たったんですけれども、どこもとってくれなくて。
田代医師:
一回僕、降りて家族と話してくる。
知り合いの病院など、電話をかけ続けますが、どこも受け入れてくれません。
家族に状況を説明するため、一旦マンションに戻る田代医師。
家族はタクシーで病院に向かおうと準備していましたが…再び部屋に戻ります。
姉:
ダメですか?
田代医師:
お父さんに話さないといけない。
姉:
父ですか?
田代医師:
みんなに。
田代医師:
一旦受け入れてくれると言った病院が、
田代医師:
僕らも知り合いづてで、いろんな手を使って「入れてくれ」って言っているんだけど…。
誰が悪いってわけじゃないわけ。
姉:
戻ってくるっていうこと?
父親:
ああー…。
田代医師:
ほんと、申し訳ないことだけどさ…。
田代医師:
かなり厳しい状況で。
父親:
全然(病院が)見当たらないの?
姉:
決められなかった場合はどうなるんですか?
父親:
はー!考えられねえな。
姉:
それは救急隊の方にも聞きました。
姉:
どのくらいの時間まで(病院を)探していただけるんですか?
田代医師:
諦めなければ永遠に探します。今の状態だと。
姉:
お願いします。
姉:
なんとかなりませんか?
田代医師:
ならない。
田代医師:
本当にごめんね、本当に。
父親:
とんでもない。かえってこっちはあんなに一生懸命やってもらって。
時刻は午後6時を過ぎ、救急車が到着してすでに1時間以上が経過していました。
男性の自宅にもう一人の姉も駆けつけました。
田代医師:
いえいえ、ちょっとお話ししてるのは…。
これまでの経緯を説明している中、待機していた救急隊員が部屋に駆け込んできます。
父親:
もう俺は80歳を超えてるから、ずいぶん長生きをしたんだから。
息子は55歳。入院を望む父親。
姉:
でももう、苦しまないで…。
本人の意思を確認するため、田代医師は再び救急車に戻ります。
田代医師:
二つに一つで(病院探しで)このまま粘る。
もう一つは、厳しい結果になるかもしれないけど、家に帰る。
患者:
酸素が、酸素が、酸素が、
田代医師:
酸素?酸素は家に来た。
患者:
家に帰りたい。
田代医師:
死ぬかもしれんよ。
患者:
どうしたらいいのじゃあ?
だって、このままずっと、病院が空くまで待ってなくちゃいけないんでしょ?
とりあえず俺、水飲みたんだよ…悪いんだけど。
田代医師:
病院決まるまで頑張る?おうちに一回帰る?
患者:
一回帰る。
田代医師:
一回帰る?
患者:
はい。
田代医師:
どんな結果になっても…運命と思える?
患者:
はい。
田代医師:
わかった、ちょっと待ってて。
部屋に戻り、救急車で撮影した(男性の)映像を家族に見せます。
姉:
帰してください。お願いします。
姉:
十分頑張ってるんで…。
男性は再び自宅に戻りました。
クリニック側が撮影した映像は3時間以上。
今回、救急搬送の実状を伝えたいと、遺族の了承を得て公開しました。
都内で見かける多くの救急車。
私たちが知らない間に起きている、搬送できない患者の姿が、克明に記録されています。