ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ハープのように弾け♪

2021年08月31日 | 音楽とわたし
上の写真はロックダウン中のカーネギーホールの正面玄関に掲げられていたメッセージ。
Patience 
Patience 
Patience
これはある小話が元になっている。
ある日、ホールのすぐ近くで、カーネギーでの演奏を控えていたバイオリニストが声をかけられた。
『How do you get to Carnegie Hall?(カーネギーホールにはどうやって行くのですか?)』
するとそのバイオリニストはこう答えた。
『Practice Practice Practice(練習、練習、練習です)』
尋ねた人はカーネギーへの道順が知りたかったのだけど、演奏者はどうやったらあの舞台に立てるのか?と聞かれたと勘違いしたというお話だ。
Patienceは我慢という意味。同じPで始まるし、我慢と練習はどことなく繋がっている。
我慢、我慢、我慢
そうやってトライステートの住民たちはこの1年半をずっと我慢してきたのだった。

******* ******* ******* *******

昨日の夜遅く、所属しているACMAからメールが届いた。
10月に行われることになっているコンサートのチケットを何枚予約したいか言って欲しい、と書かれていた。
そうだった、コンサートがあるんだった。
コロナ禍以降ずっと閉館していたカーネギーがついに、来月から公演を再開するんだった。
そしてわたしはその翌月の10月のコンサートで、ソプラノ歌手に3曲の伴奏を頼まれていたんだった。
この夏もまた、レッスンは普段とほぼ同じの状態で続き、8月に入ってやっと少しだけ空いてきて、ああ少しは夏休みって感じがするかもと思い、決心して小旅行に行って大怪我をして、その後今までの1ヶ月ほどは弾くとどこかが痛むのでダラダラしていた。
ピアノを弾くのは教える時だけで、その他の時間はほとんど弾かないまま日が過ぎていった。

メールを読んでしばらくすると、胃や肺や心臓に冷たくて薄い膜がぺたぺたと貼られていくような感じがした。
胸の内側がざわざわして、すると同時に心配虫が頭の内側をぞろぞろ這い始めた。

どうしよう。なんの曲だったかさえ覚えていない。
こんな不誠実な伴奏者が許されるわけがない。
なんでここまでとぼけてしまっていたんだろう。
COVID-19は収束せず、また街はロックダウンをするかも知れない、などと悲観的に考えていたんだろうか。
いろいろ考えても答が出てこないし、出た答が慰めになるとは思えない。

慌てて本棚の楽譜をガサガサ動かして、彼女から渡されていたはずの楽譜を探し出す。
そして、その3曲のうちの1曲がうまくいきそうになかったから、じゃあこの曲の代わりにわたしがあなたのために1曲創るね、などと言ってたことを思い出し愕然とする。
当時書き始めてはやめ、また始めてはやめした楽譜がどこにあるのか、そんなものを探してもきっと全くなんの足しにもならない音符が並んでいるだけだからからやめた。
その曲を、前に創った『FUKUSHIMA』と『OKINAWA』の間に入れて一つの組曲にしよう、などと考えていたことも思い出した。
6月中旬から今までの、確かにあったはずの時間を思いながらクヨクヨと後悔しても仕方がない。
なんだかこんなことをいつも言っているような気がしてさらに気が萎えるが、やっぱりそういう心の回路も意味が無いのはわかっているのでさっぱりと忘れることにした。

さあ、やるっきゃないのでやる。
ハープのように弾け!と書かれている左手の超意地の悪いアルペジオは、とんでもなく速く弾かなければならない。
今日から開始だ。
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休校する必要がない、学びを止めない、オンライン授業の環境を今すぐ全国規模で整えるべきだ!政府も地方自治体もしっかりしてほしい!

2021年08月31日 | 日本とわたし
上の写真は茨城新聞の記事(https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16300720798724)からお借りしました。

大阪府は30日、新たに1605人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
月曜日としては過去最多となります。
年代別で最も多いのが20代の375人、次いで30代の280人10代の260人です。 
亡くなった人は2人、重症者の患者は新たに基礎疾患のない30代男女3人を含む計218人で、重症病床使用率は37.1%、自宅療養者は17188人となっています。
また未就学児110人、就学児76人の感染も確認されています。
 
学校内で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、大阪市は30日、学校の休校について基準を見直しました。
大阪市では30日の時点で小学校が24校中学校16校が休校措置をとっています。 
大阪市の新たな休校の基準では、同じクラスで生徒の感染者が2人以上となった場合や感染者が1人でも濃厚接触者が複数人確認された場合には、5~7日程度学級閉鎖をするということです。
また、2つ以上のクラスが学級閉鎖となった場合は1学年全体を閉鎖、閉鎖した学年が複数に渡る場合は、学校全体を休校にするということです。
この基準は9月1日から適用されます。

わたしには全く意味がわかりません。
どうして今までに、1年8ヶ月も日が経っているのに、オンライン授業の環境整備が成されていないのですか?
大阪だけのことではありません。
これは全国の子どもたちの命と健康を守れるかどうかの問題なので、政府と地方自治体に問いたいです。
子どもだけを自宅に置いておけないと言うなら、親も自宅に居て働ける環境や、親以外の信頼できる人や場所を支える環境も同時に整えたら良いのであって、できない理由にはなりません。
国は早急に、直ちに、オンライン環境の整備を全力で進めるべきです。
大阪市の休校基準も間違っています。
感染してからでは遅いのです。
感染者が出てからでは手遅れなんです。
感染者を出さないよう、登校させないが学びを止めないオンライン授業をできるようにしなければ、この問題は解決しません。
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