前回に続き「藤原 雄氏」の話を進めます。
③ 藤原 雄氏の陶芸
父藤原啓氏が「日本伝統工芸展」を作品発表の場にしたのに対し、雄氏は同じ土俵に載らず、
個展や他の陶芸展、海外などに活躍の場を作っています。
その作品の評価は、父啓氏を超えているとも言われています。
) 「壷の雄」: 父に教えを受けていた際には、「作っても作っても父に作品を壊されていた」
と語っています。ある時、父から「口の細い備前焼の壷は珍しい」と初めて褒められ事が
切っ掛けになり、積極的に壷を造る様に成ったと述べています。
更に、鉢とか水指を作っていても自然に、壷の形になってしまうとの事です。
) 壷の中でも、シンプルな形の壷を好み、「弥生の壷は僕の先生である、土の温か味や
ぬくもりを持つ弥生の壷は現代の壷だ」「原始的な縄文の土器は、エネルギーを感じるが、
文様が邪魔になる時がある」「人間が感じる普遍的な美しさは、弥生の壷にある」
「壷は最も単純な形をしているが、人間の喜怒哀楽を最も表しやすい。壷の肩を落とすと
情けない感じがするし、一寸肩を広げるとリッチな感じになる。」「なるべく余計な事を
しない。単純明快な形の中に、人間の優しさ、暖かさ、豪放さなど、人間の持っている
基本的なものが表現できればそれでいいのだ」「電気こたつではなく、湯たんぽの様に
じんわり伝わってくる暖かさ、それが壷には必要だ」「壷は時代や国境や民族を越えて、
人の心をなごませるものを持っている」「だから、今まで壷ばかり作ってきた、これからも
出来るだけ壷を作っていこうと思っている」と述べています。
・ 参考文献: 陶工房(1997年 No4)誠文堂新光社: 藤原雄「壷語録」より
) 雄氏の使用している土は、千寄(ひよせ)と呼ばれる伊部(いんべ)周辺の田圃の底の
鉄分の多い土を使っています。
当然場所により性質に差がある為、数種類の土を混ぜ合わせ調整しています。
昭和30年代の土は、採取したものをそのまま使用していますので、器肌に「石ハゼ」が出て
います。昭和50年代からは、粘土の粒子も細かく成り、焼き肌も滑らかに成っています。
) 作品造りは、主に電動轆轤を使い、一塊の土から成形しています。
尚、紐造りの方法はとりませんし、「コテ」なども使用していません。
「コテ」を使うと、表面の「ぬめり」を剥ぎ取り、手が滑らない事と、土の中の小砂などが
表面に浮き出て、土の味を殺してしまうからです。
) 壷に施す装飾は「シンプル」な櫛目などの線刻文で、必要最低源に留めています。
壷以外にも、正方形の板皿を多数作っています。これは雄氏が食通であった事と、
北大路魯山人の影響があって、料理を盛るための皿を造っています。
皿には好みの果物や花、風景などが線刻されています。
尚、雄氏の跡を継いだのは、息子さんの藤原和(かず)氏です。
次回(伊勢崎淳氏)に続きます。
③ 藤原 雄氏の陶芸
父藤原啓氏が「日本伝統工芸展」を作品発表の場にしたのに対し、雄氏は同じ土俵に載らず、
個展や他の陶芸展、海外などに活躍の場を作っています。
その作品の評価は、父啓氏を超えているとも言われています。
) 「壷の雄」: 父に教えを受けていた際には、「作っても作っても父に作品を壊されていた」
と語っています。ある時、父から「口の細い備前焼の壷は珍しい」と初めて褒められ事が
切っ掛けになり、積極的に壷を造る様に成ったと述べています。
更に、鉢とか水指を作っていても自然に、壷の形になってしまうとの事です。
) 壷の中でも、シンプルな形の壷を好み、「弥生の壷は僕の先生である、土の温か味や
ぬくもりを持つ弥生の壷は現代の壷だ」「原始的な縄文の土器は、エネルギーを感じるが、
文様が邪魔になる時がある」「人間が感じる普遍的な美しさは、弥生の壷にある」
「壷は最も単純な形をしているが、人間の喜怒哀楽を最も表しやすい。壷の肩を落とすと
情けない感じがするし、一寸肩を広げるとリッチな感じになる。」「なるべく余計な事を
しない。単純明快な形の中に、人間の優しさ、暖かさ、豪放さなど、人間の持っている
基本的なものが表現できればそれでいいのだ」「電気こたつではなく、湯たんぽの様に
じんわり伝わってくる暖かさ、それが壷には必要だ」「壷は時代や国境や民族を越えて、
人の心をなごませるものを持っている」「だから、今まで壷ばかり作ってきた、これからも
出来るだけ壷を作っていこうと思っている」と述べています。
・ 参考文献: 陶工房(1997年 No4)誠文堂新光社: 藤原雄「壷語録」より
) 雄氏の使用している土は、千寄(ひよせ)と呼ばれる伊部(いんべ)周辺の田圃の底の
鉄分の多い土を使っています。
当然場所により性質に差がある為、数種類の土を混ぜ合わせ調整しています。
昭和30年代の土は、採取したものをそのまま使用していますので、器肌に「石ハゼ」が出て
います。昭和50年代からは、粘土の粒子も細かく成り、焼き肌も滑らかに成っています。
) 作品造りは、主に電動轆轤を使い、一塊の土から成形しています。
尚、紐造りの方法はとりませんし、「コテ」なども使用していません。
「コテ」を使うと、表面の「ぬめり」を剥ぎ取り、手が滑らない事と、土の中の小砂などが
表面に浮き出て、土の味を殺してしまうからです。
) 壷に施す装飾は「シンプル」な櫛目などの線刻文で、必要最低源に留めています。
壷以外にも、正方形の板皿を多数作っています。これは雄氏が食通であった事と、
北大路魯山人の影響があって、料理を盛るための皿を造っています。
皿には好みの果物や花、風景などが線刻されています。
尚、雄氏の跡を継いだのは、息子さんの藤原和(かず)氏です。
次回(伊勢崎淳氏)に続きます。