陶芸の「ルーツ」である、縄文土器の話を、続けます。
6) 縄文土器の特徴
① 土器の形
縄文時代は、約1万年の間、北は北海道から、南は九州に至るまで、全国に栄えた文化ですが、
その中心は、東日本でした。(東日本は、住居跡地も多く、食料資源も恵まれていた為です)
人口は推定、東日本で10万人、西日本で5万人位と言われています。計15万人位がいました。
) 草創期から早期までの土器
この時期に作られた土器は、全て、食物の「煮炊き用」で、それ以降の土器も7割以上が、
「煮炊き用」で占められていました。
食用に適さなかった、山野草も、煮る事により、食べられる様になり、生や焼いて食べていた、
獣の肉や、魚なども、煮る事で、汁も飲めるようになり、更に春から夏に掛けて、採取した
大量の貝を、茹で上げ、乾燥させて、保存食にもしました。
この事により、労力の軽減がなされ、健康面(衛生面)にも、良い影響が出て、
寿命も延びたはずです。
a) この時期の土器は、ほとんど深鉢形態で、草創期では、丸底又は平底で、早期では、
底が尖った円錐形をしています。
尖った底は、地面に置き難いですが、置くのではなく、地面や、灰の中に差し込み
立てて使用しました。
・ 草創期では、表面の模様は、無文又は、豆粒文(とうりゅうもん=豆粒の様な、小さな粘土が、
表面に斜めに、付けられている)。
・ 早期では、貝殻を使った、貝殻条痕文(じょうこうもん)、爪形紋(つめがたもん)、
竹や縄目の押圧文があえり、何れも、連続模様や、繰り返し模様が、特徴です。
・ 早期終末期の、東日本では、胎土に植物繊維を、混入する方法が、拡がります。
乾燥時に、収縮割れを防ぐ目的で、入れた物と思われます。
b) 底には、火や熱で赤化した物や、白っぽく変化した痕が残り、土器の内、外部には、
食物の焦げ付きや、「煮こぼれ」の痕が炭化し、煤状に「こびり付」いていたりします。
尚、土器の色は、土の種類や、焼成(野焼き)によって、黒、こげ茶、茶、黄土色が、
多いです。
c) 疑問として、低い温度で、焼成した土器が、なぜ「煮炊き用」に使えたのか?と言う事です。
焼成直後の土器は、当然水漏れを、起こします。その程度は、土の種類(目が細かい、粗い)や、
土器造りの最終段階で、表面(主に内側)を研磨したか(小さな隙間を潰す効果あり)、
又、焼成温度が低い、高いかによっても、水漏れの程度は左右されます。
・ 水漏れ防止は、「煮汁」を注ぎ込む事により、その中に含まれる、澱粉や、脂肪が、土器の隙間に
入り込み、隙間を埋めます。更に乾燥させて固せます。これを繰り返します。
この様にして、水漏れを防ぎ、更には、土器本体の強度を、増す効果もあります。
(一番最初の、煮汁はどうやって、造ったのかのか?と言う問題も有りますが、
ここでは、特に触れません。)
) 前期から中期までの土器
以下次回に続きます。
縄文土器の形
6) 縄文土器の特徴
① 土器の形
縄文時代は、約1万年の間、北は北海道から、南は九州に至るまで、全国に栄えた文化ですが、
その中心は、東日本でした。(東日本は、住居跡地も多く、食料資源も恵まれていた為です)
人口は推定、東日本で10万人、西日本で5万人位と言われています。計15万人位がいました。
) 草創期から早期までの土器
この時期に作られた土器は、全て、食物の「煮炊き用」で、それ以降の土器も7割以上が、
「煮炊き用」で占められていました。
食用に適さなかった、山野草も、煮る事により、食べられる様になり、生や焼いて食べていた、
獣の肉や、魚なども、煮る事で、汁も飲めるようになり、更に春から夏に掛けて、採取した
大量の貝を、茹で上げ、乾燥させて、保存食にもしました。
この事により、労力の軽減がなされ、健康面(衛生面)にも、良い影響が出て、
寿命も延びたはずです。
a) この時期の土器は、ほとんど深鉢形態で、草創期では、丸底又は平底で、早期では、
底が尖った円錐形をしています。
尖った底は、地面に置き難いですが、置くのではなく、地面や、灰の中に差し込み
立てて使用しました。
・ 草創期では、表面の模様は、無文又は、豆粒文(とうりゅうもん=豆粒の様な、小さな粘土が、
表面に斜めに、付けられている)。
・ 早期では、貝殻を使った、貝殻条痕文(じょうこうもん)、爪形紋(つめがたもん)、
竹や縄目の押圧文があえり、何れも、連続模様や、繰り返し模様が、特徴です。
・ 早期終末期の、東日本では、胎土に植物繊維を、混入する方法が、拡がります。
乾燥時に、収縮割れを防ぐ目的で、入れた物と思われます。
b) 底には、火や熱で赤化した物や、白っぽく変化した痕が残り、土器の内、外部には、
食物の焦げ付きや、「煮こぼれ」の痕が炭化し、煤状に「こびり付」いていたりします。
尚、土器の色は、土の種類や、焼成(野焼き)によって、黒、こげ茶、茶、黄土色が、
多いです。
c) 疑問として、低い温度で、焼成した土器が、なぜ「煮炊き用」に使えたのか?と言う事です。
焼成直後の土器は、当然水漏れを、起こします。その程度は、土の種類(目が細かい、粗い)や、
土器造りの最終段階で、表面(主に内側)を研磨したか(小さな隙間を潰す効果あり)、
又、焼成温度が低い、高いかによっても、水漏れの程度は左右されます。
・ 水漏れ防止は、「煮汁」を注ぎ込む事により、その中に含まれる、澱粉や、脂肪が、土器の隙間に
入り込み、隙間を埋めます。更に乾燥させて固せます。これを繰り返します。
この様にして、水漏れを防ぎ、更には、土器本体の強度を、増す効果もあります。
(一番最初の、煮汁はどうやって、造ったのかのか?と言う問題も有りますが、
ここでは、特に触れません。)
) 前期から中期までの土器
以下次回に続きます。
縄文土器の形