季節が巡るのは早い。昨日、テレビで平清水の石行寺の紅葉が見ごろだというので、行ってみた。だが、紅葉の深い紅は峠をこして、間もなく落葉を迎えようとしていた。目で見たかぎり紅葉は本当の紅を失いもう終わりかとがっかりしたが、写真に収めてみると夕陽をうけて、最後の輝きがあたりの雰囲気を圧倒していた。
杜牧は名吟「山行」で、楓の紅葉を詠んでいる。
車を停めてそぞろに愛す楓林の晩
霜葉は二月の花よりも紅なり
杜牧の詩の大いなる特性は、このような大胆な比較にある。秋の紅葉と春の花の美しさを同じテーブルにのせて比較してみせるという手法は、中国の長い詩歴のなかでも特異なものである。その対比の意外性が、この詩の肝になっている。写真は楓が夕陽が沈んでいくなかでの画像であるが、その美しさに見とれてしまう。
紅葉を山で眺め、最近では近所の神社や公園で見ているが、秋のこの季節はやはり自然に触れる最高のチャンスだ。明日は立冬、木々の紅葉は風に吹かれて急速になくなっていく。
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