山の楽しみは、四季折々にある。
雪が止んで、晴れ間が見える雪山は最高である。
あらかじめ予定が決められているので、どんな条件で登るか。
それは、運に任せるほかない。朝方、気温が下がって小雪がちらつき
冷たい風が吹いてくる。
登るに従って、青空が見えてきた。新雪の美しさに心を洗われる。
新雪の上に現れるウサギの足跡は、ひとつだけ。雪のなかに目覚めて餌を探して
いる様子である。複数の跡が乱舞する恋の季節のものではない。
空は東の方から晴れてきて、大岡山の北東の峰に朝日が
当たって輝いてきた。
今日は、Oさんから教わったGPSアプリ・ジオグフィカを初使用している。
アプリを起動させ、GPSを作動させると、現在位置の矢印が赤く表示され、軌跡が地図
上に描かれる。ほぼ10分間隔で鳥の鳴き声と、時刻、現在の標高がアナウンスされる。
普段使っているヤマップとどちらがよいか、一長一短。
山頂からの眺望。本来なら、月山や朝日連峰の雪景色が
見えるはずだが、あいにくの雲のなか。それでも、山形盆地の
日に当たって広角で美しい景色をみせてくれている。
車を館山公民館の駐車場に置いて、風間登山口をめざす。
ここから、旧松茸山を経、七曲り峠の鞍部に下り、急坂を登って
大岡山の頂上に至る。積雪は30㌢程度、カンジキも不要だ。
山頂ちかくなって、地元の登山客に行き会う。朝日に光る無垢の山だ。
本日の参加者7名、内女性3名。
登山道には、ところどころに、面白い言葉を書いた看板がある。
少し急な道には「なんだ坂」。「サユリスト」の皆さんへ、と書いて
花を取らないでとの注意書き。
日が高くなるにつれて青空が広がっていく。烏が我々を見つけて
仲間に合図を送るのか、鳴き声を立てて飛んで行く。
山頂から東側の眺望。面白山、糸岳、小東岳。少し南には
蔵王山が見えるはずだが、まだ雲から顔を出さない。どの山を見ても
もう一度登りたくなる。
帰路は、風間不動を経て南登山口へ降りる。登山道で一部土が露出している
ところがある。靴の滑りが心配であったが、昨年末のソールを張り替えたせいか
快調に下った。今年の山行の、天候に恵まれて1月から楽しいものとなった。
帰りに大野目温泉で汗を流す。
雪の上にかげをおとせる杉木立
そのかげながしわれの来しとき 茂吉
坐骨神経痛になるまでは、冬が一番好きでした。
山を登りつつ、辺りの見晴らしがよくなっていくのでしょうね。
お陰で、写真を見つつ、登山をしている気分になれました。
昨日の山登りが、少ない確率の幸運に
恵まれていたことを実感しています
あと何度こんな幸運にめぐり逢えるか
しみじみ考えています