未熟なカメラマン さてものひとりごと

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北陸金沢と能登半島一周のたび その2 兼六園と金沢城を訪ねて 平成30年4月16日(月)

2018-04-22 22:17:49 | 庭園
(前回:長町武家屋敷跡野村家 につづく)
長町武家屋敷跡を出て次に向かったのが、日本三名園で知られる兼六園です。金沢観光の定番中の定番スポットですね。駐車場を探すのに迷いましたが、大きな立体駐車場がありほっとしました。
入園口に向かう坂道は、外国人観光客の団体でいっぱいでした。
まるで、京都の有名観光地にでも来たようです。地方都市までこのような外国人観光客が押しかけているとは驚きでした。新幹線が通じたのでその効果も大きいのでしょう。



外国人観光客が目立つ紺屋坂


欧米からの観光客もいっぱいです


記念撮影をするアジアからの観光客

兼六園といえば、あの二股の独特の形をした石灯篭(ことじとうろう)が一番の撮影スポットですが、いいカットで撮影しようとカメラを構えると、アジアからの団体さんが、ひとりずつ石橋のその位置に立って順番に撮影を始めたではありませんか。
これはだめだ、あとにしようと他を先に巡ることにしました。
ソメイヨシノは完全に終わり、清清しい若葉が何とも気持ちよいことか。根上がり松など、巨木が存在感を示し、木陰ではしっかり苔が生えて、名園をより一層きれいに演出しています。



素晴らしい眺望です


霞ケ池に枝を伸ばす松


重要文化財・成巽閣(せいそんかく)


根上松(ねあがりまつ)


美しい苔

ひとつ不思議に思ったのが池の水です。いったいこんな高いところにどこから水が沸いているのかということです。調べてみてわかりました。辰巳用水から引き込んでいるようです。
引き込むのに高度な技術が必要だと思いますが、よくのあの時代に設計できたものだと感心します。園内の日本最古いわれる噴水もありますが、この水も水道ではなく、上の池の水を引き込み、高低差を利用して設計されているようで、ただ驚くばかりです。



石灯籠(ことじとうろう)は一番の撮影スポット


着物姿をよく目にします


霞ケ池を水源とする日本最古の噴水、


八重桜が見ごろでした

こうして、兼六園の見学を終え、次に向かったのがお隣の金沢城です。
陸橋のところで、カップルの前撮りが行われていました。随分、大胆なところで、と思いましたが、案の定、外国人観光客の絶好の被写体となっていました。
周辺には、大きな桜の木が何本もあり、ついこの前の満開の頃には、大いに賑わったことでしょう。
橋の左手に、重要文化財の石川門が見えます。門を入ると古い石垣があり、よく見るとその一つ一つに印のようなものが入っていました。そしてそのまま進むと、広い芝生の空間(三の丸広場)に出ます。
正面に平成13年に復元された五十間長屋がどーんと控え圧倒的存在感をしめしています。
また、近年整備された玉泉院丸庭園まで行って引き返し、次の目的地、ひがし茶屋街に向かいました。


(金沢城公園)

石川門(重要文化財)


石川門石垣


かろうじて残っていた桜


五十間長屋・橋爪門


新緑の園内


玉泉院丸庭園、2015年に復元


三の丸広場

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春の京都を訪ねて その3 無鄰菴の新緑に酔う 平成30年4月8日(日)

2018-04-14 21:41:09 | 庭園
(前回の続き)
中村楼の食事のあと、桜の名所として知られる二条城を訪ねることにしましたが、その前に山縣有朋の別荘・無鄰菴(むりんあん)を訪ねるかどうかで意見が分かれました。
病み上がりの人物が一人いて、約1.5kmの道のり、あまり無理ができず体力が持つかどうか心配ということでした。とりあえず、東山駅を目指して、白川沿いを平安神宮方面に歩くことにし、到着付近での体調で判断しようということになりました。



もうすぐ無鄰菴のはず、閑静な住宅街です。



朝がゆで有名な瓢亭本店


立派なお宅もありました


無鄰菴玄関です


母屋でガイドさんから説明を聞きます。開放的な低い芝生の丘と借景の東山の一体感ある景色


芝生に一羽の野鳥が降りてきました。


山縣自らの指示により、七代目小川治兵衛が作庭したものです。当時としては珍しい開放的な芝生空間です。


水深は浅く水はあくまで清らかです。

白川には、シダレヤナギの若葉が川面に垂れさがり、水深が浅い川の流れの早さと相まってとてもさわやかな情景となっています。
東山駅近くなって、結局、無鄰菴に行くことになりました。
途中、何度か道を尋ねました。一度おまわりさんに尋ねたとき「ムリンアンですか、そのお店はわかりませんねえ」と、どこかスイーツのお店と勘違いされたようです。
朝がゆで有名な、瓢亭の近くまで来てやっと目的地に到着です。入り口はとても小さく目立ちません。
拝観券購入のあと、庭園に入る入り口もまた小さいものでした
入るとすぐに、係りの方から、「今説明が始まったところですので、どうぞ母屋にお上がりください」と、1階の座敷に案内されました。そこには大勢の方が座って話を聞いていました。
説明される方が特に、この庭園に関してお詳しいようで、ポイントをわかりやすく説明してくださいます。
山縣は、苔の生える日本庭園ではなく、西洋式の芝生にしたかった
里山や小川が流れる自然な風景をイメージした
疎水からの水は、サイフォン式となっている
川のせせらぎが聞こえるような庭にしたい
借景は東山だが、実は東山が中心となっている
どの位置で見たら、いいかその場所について
など、大きな見取り図を持って説明してくださいました。



水鏡となって若葉の木々を映し込みます。


美しい苔庭。山縣は苔の美を受け入れるようになります。


こちらも水鏡となっています。


庭園の一番奥にある三段の滝。


ツツジがきれいに咲いていました。


馬酔木の白い花とピンクの若葉が庭園に彩を添えます。


とにかく美しい庭園です。紅葉もきれいでしょうね。


庭園から母屋を見る


簡素な二階建ての母屋


洋館、山縣の愛用の椅子


天井画も見事です。

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日露戦争の行方を決める会議がこの席で行われました。狩野派の壁画も見事です。


洋館を出たところで、再び庭園を見る


若葉が美しい


外に出るとやはり着物が目立ちます。

ただ、次の予定があったので、最後までゆっくり聞くことはできませんでした。庭に下りて庭園の遊歩道を散策します。中心は芝生ですが、遊歩道沿いにはきれいな苔が生えていました。
最後には山縣は苔もいいと、再認識したようです。庭園は池泉回遊式になっていますが、とにかく新緑がきれいで、感動的です。敷地はそれほど大きくも無く、また大きな石組みもありません。
どちらかというとフラットで、野趣あふれる自然な庭園となっています。
秋の紅葉のシーズンもなかなかのものでしょう。
このあと洋館を見学、愛用の特注の椅子や、応接間を見学し、無鄰菴をあとにしました。
次は、本日最後の目的地、二条城に向かいます。
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栗林公園満開の梅と讃岐うどんの人気店 平成27年2月28日(土)

2015-03-04 00:31:11 | 庭園

栗林公園 北梅園のジョウビタキ

吉野川市美郷の梅の見ごろがもう少し先だったので、すっきりせず、それではと、満開が確実な栗林公園の梅を見て帰ることにしました。公園の駐車場は予想通り満車で、いつものおばあちゃん、おじいちゃんが管理している角の駐車場に車を停めて栗林公園に入りました。先ず向かったのが北梅林です。  

梅林に近づくと視野に突然、ピンクや白の満開の梅が入ってきます。なんと美しい。観賞用に手入れされた梅はコンパクトで美しいものです。ピンク色でも赤に近い濃い目のものからうすいものまで。白梅もあって一面にいい香りが立ち込めています。スマホから超特大のレンズを装着した人まで、カメラマンも様々です。

うれしいのは、人がこんなに大勢いるのに花の蜜を吸いにやってくるメジロやジョウビタキなどの愛らしい小鳥たちに出会えることです。人に慣れているのでしょうか、かなり近いところまで接近しても逃げません。ちょうどこの日は青空が広がり被写体としては申し分ありませんでした。
撮影がひと段落したあと次に向かったのが、掬月亭(きくげつてい)です。栗林公園に来たらかならずここで抹茶をいただくことにしています。和室からは、近年整備された、涵翠池が正面に見えます。



一番のビュースポット 飛来峰からの眺望

このあと、南湖が見える掬月の間に移動します。部屋からはエメラルド色の南湖が一望でき、まさに殿様気分を味わうことができます。左手奥に偃月橋(えんげつきょう)、周遊する和船も見えます。風が吹き池の水がさざなみを立てています。何と美しいことか、しばしその余韻に浸ってしまいます。
国の特別名勝に指定されている栗林公園、パンフレットには一切記載されていませんが、アメリカの日本庭園専門誌では第9位、ミシュランガイドでは三ツ星、マップルの日本庭園ランキングでは、第1位にランクされていますので、その素晴らしさは誰もが知っているところです。

こうして栗林公園を満喫したあと、名物讃岐うどんを食べて帰ろうと思いました。出口にある物産館で入手した「さぬきうどん百店満点」というパンフレットと、タブレットの食べログを参考にしながら、近くの人気店を探します。時刻はすでに午後3時を過ぎていたので、すでに閉まったお店もありました。最終的に選んだのが、「手打十段うどんバカ一代」というお店でした。

この時間、店の外に行列こそできていませんでしたが、店内は満席状態、注文の列に並びました。この店のウリは、茹でてから10分以上たったうどんは出さない、というものでした。また、このお店が元祖という「バターうどん」というメニューもありました。席数は42席でもちろん相席です。客層は口コミに敏感な若いカップルが多く、正面のメニュー以外の三面の壁面上部には、ぐるりと有名人の色紙が貼られていました。ちょうど前に座った、かわいい若い女性の「わー、おいしい!」という1オクターブ高い声に思わず笑ってしまいました。

私は、定番の「ざるうどん」を注文しましたが、味はいうまでもありません。人気店の理由がわかる気がします。店名もユニークです。昔、空手バカ一代という漫画がありましたが、それに倣ったのでしょうか。

高松に来たらおいしい本場讃岐うどんを食べるのが楽しみの一つです。最近では、山田屋本店、もり家などが記憶にあたらしいところです。次はどの店を訪ねてみようかと思いながら高松をあとにしました。



讃岐うどんの人気店 うどんバカ一代 街中にあります。
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ミニチュア枯山水作りに挑戦

2013-07-08 23:32:58 | 庭園

岩本先生から、制作のポイントをききます。

6月29日(土)、華鴒大塚美術館で開催された、造園家・岩本俊男さんの3回目の講義「ミニチュア枯山水作り」を受講しました。参加者が持参するものは霧吹きだけでした。時間ぎりぎりに美術館に到着すると、すでにほとんどの方が来られていたようでした。概ね、女性が8割というところでしょうか。美術館学芸員の開講のあいさつと、岩本先生から制作上のポイントなどについて説明があった後、いよいよ制作開始です。美術館で用意していただいたのが、焼きの入った木製の木枠、岩本先生の方で、石、粘土、土、砂、苔、バケツ、こて、などを用意していただきました。そしてスタッフ3名。せっかくの休日を返上して、ほとんどボランティアでわざわざ岡山市から今日のために駆けつけていただき、頭が下がる思いです。1回目、2回目の講義は無料でしたが、当日は材料代として、1000円が必要でした。
 さあ、あとは感性で自分流の枯山水を作るのですが、まず頭の中で、全体像をイメージします。イメージができたら、まず適当な石を探してきて並べてみます。縦に置いたり、重ねたり、下に伏せたりといろいろ試してみますが、大きさや形もいろいろあってなかなか難しいものです。

 石を安定させるため、粘土はかならず必要です。大徳寺大仙院の枯山水をイメージしてまず、一番大きい石を右奥にセットします。一応、蓬莱山のつもりです。左右に少し小さめに、山並みと、釈迦三尊をイメージして二つの小振りの石を配置。左側にも小さな島を作り、これらを粘土で固定したあと、その周りを土で固めます。そして苔を貼り最後に川砂を敷いて出来上がりです。瓦や陶器の器を持参された方もおられました。時間はあっという間に経ち、皆さんすばらしい出来上がりです。いろいろ個性があってみているだけで楽しいものです。倉敷など遠方から電車で来られた方もおられましたが、想像以上の重さに、持ち帰りを断念。後日取りに来るということで置いて帰られた方も何人かおられたようです。

さて、枯山水庭園といいますと、なんといっても一番有名なのが龍安寺の石庭(方丈庭園)でしょう。私が他に訪ねたところで記憶に残っているのが、銀閣寺、南禅寺天寿庵、東福寺、妙心寺退蔵院、近いところで、高梁市の頼久寺などがあります。銀閣寺の白い川砂はまぶしく、小堀遠州作庭の頼久寺はツツジの大刈り込みで大海をイメージしています。昭和を代表する庭師・重森三玲(岩本先生の師匠)作庭の東福寺の方丈庭園は、とても力強い石組みとなっていました。これらは、仏教の世界観が表現され、繁栄や長寿が祈願されているそうです。蓬莱山や鶴亀、釈迦三尊をモチーフに三石を用いて表現されています。

 岩本先生から、ミニチュア枯山水を作ってみると、枯山水庭園に対する見方が変わると云われていましたが、なるほど、少し身近に感じられるようになった気がします。



こうしてみるとなかなかの出来です。???
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庄原さとやまオープンガーデンに行ってきました。

2013-05-14 22:45:18 | 庭園

おうちカフェ・ノラの家 広島県庄原市比和町

昨年の秋ごろ、備北丘陵公園を出て4・5分のところで、遠目に個人宅のきれいなお庭が見えました。車も何台か停まり人の姿もちらほら見えました。そうだ、あれは、備北丘陵公園でもらったパンフレットにあった、「庄原さとやまオープンガーデン」だと思いました。個人宅のお庭、どのようにされているのだろう、ぜひ参考にしたいと思っていました。非常に興味があったのです。
それから、今年の春、地元の情報誌の「日帰りドライブ」に、この「庄原さとやまオープンガーデン」の特集記事が掲載されていました。よし、それならこの機会に一度訪ねてみよう、と思ったわけです。まず訪ねたのが、一番大きく紹介されていた「おうちカフェ・ノラの家」でした。井原を出て、国道182号線を北上、東城ICから庄原ICまで高速、そこから北上すること、20分で到着です。自宅から1時間40分ほどでした。
ノラの家の周辺の様子ですが、隣は田植えの準備でしょうか。文字通り水田になっていました。ぐるっと山々に囲まれ、いかにも県北の農村地帯という感じです。時刻はお昼の1時過ぎ、先客でしょうか、駐車場に車が1台停まっていました。先にお庭を拝見します。それほど広いスペースではありませんが、テーマ別に旬の花が丁寧に寄せ植えされて見事でした。何も植えていないところには、「考え中」と札が立ってご愛嬌です。すべてご夫婦の手作りとのことですから、驚きです。

さて、次は気になるおうちカフェです。おうちですから個人宅なのです。ドアを開けて入ると、一呼吸おいて熟年のダンディなご主人から「いらっしゃいませ」と声がかかります。玄関先で靴を脱いであがると、右側に大きなテーブルがひとつと、カウンター、小さなテーブルがふたつ。カウンターの奥に厨房があります。そして左の窓際にひとつ小さなテーブルがありました。愛想のいいお手伝いさんに案内されて左側の窓際に陣取りました。メニューはケーキセットのみですが、手づくりの日替わりスイーツがセットで600円と、とても安価です。これでは商売にならないな、と思いましたが、とある情報によると、以前は500円だったそうですからビックリです。
お手伝いさんが、ざっと紹介をしてくれました。こちらのコーヒーは自家焙煎なので、とてもおいしいですよ。壁にずらりと架けてある絵は、すべてご主人が描き上げたもの。このミニチュアのドールハウスは、奥さまが作られたもの、あの蓄音機は現役だということ、などなど。客の注文により、奥さん(この方がノラさん?)が快くレコードをセットし、手巻きの蓄音機が鳴り始めます。何とレトロな!、おいしいコーヒーをいただき、懐かしい音色を聴きながら過ごす時間は、とても贅沢に思えました。

今から6.7年前に県北に引っ越されて始められた新しい人生。私の好きな番組に「人生の楽園」がありますが、この番組に取り上げられても不思議ではない気もします。そうこうしているうちに、次々とお客さんがやってきました。常連客のようでした。あまり長居をしてもいけないので、このあたりで腰を上げることにしました。お手伝いさんが床に座って「ありがとうございました。お気を付けて」と見送ってくれます。カフェでこのように送ってもらうことはないので、不思議な感じがし、どこか知り合いのお宅を訪問したあとのような錯覚を覚えました。この「おうちカフェ・ノラの家」、カフェは土・日の午後1時から5時だけの営業で、オープンガーデンは午前9時から午後4時までです。

この「庄原さとやまオープンガーデン」、一昨年から年に初と秋2回開催され自宅のお庭を開放しているお宅は30軒もあります。今では年間一万人以上の観光客が訪れる町の一大イベントとして成長しています。このあと二つ目のオープンガーデン「三村庭」を訪ねました。ちょうどご夫婦が、御家族を病院につれていくところだったようで、「どうぞ!ゆっくり見て行ってくださいね!」と声を掛けていただきました。こちらは、うってかわって、メルヘン調、個人宅にしては広いお庭で、裏山もきれいに整備されていました。このあと折角なので備北丘陵公園を訪ね、庄原をあとにしました。


こちらもご夫婦の手作り 三村庭 テーマはおとぎの国
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