神社やお寺に行くと、山門やお堂の高いところにベタベタと貼られている張り紙をよく目にします。中には隙間のないほどびっしりと張られていることもありますね。これはいったい何でしょう!神聖な場所に無遠慮にでかでかと張って許されるものだろうかと、いつも不思議に思っていました。先日行った市内の古刹、法泉寺の山門にもご覧のように貼られています。
ご存じの方には、そんなことも知らないの!?と叱られそうですが、ネットで少し調べて見ることにしました。この張り紙は千社札(せんしゃふだ、せんじゃふだ)といって、江戸時代に広まり、参拝した証として自分の名前入りのお札をおさめるものだそうです。貼ってある間は参籠しているのと同じ功徳を受けるというものです。但し、一部ではこの奉納を禁止しているところもあります。
それにしても、とても普通では貼れない高いところに貼ってあるものもありますが、こういうところには「振り出し竿」という継ぎ足し式の竿と「夫婦刷毛(ばけ)」というものを使って張るのだそうです。また、一応マナーもあります。迷惑とされるものには次のようなものがあります。①シール式のもの②他人の千社札の上に貼る行為③色もの(本来は墨色の単色のもの)
また、交換や蒐集、鑑賞などの目的のために多色刷りされた色札が作成されることもあります。愛好家同士で納札交換会を催して楽しむのだそうです。また京都の花街などでは名刺の代わりに図柄入りの千社札もあり花名刺とも呼ばれています。現在でもこのような千社札を作成する業者もたくさんあるようです。