後楽園に行くとかならず目にする募金箱ならぬ募金壺です。土地柄、備前焼の大きな壺です。いったいこれが満杯になったらいくら貯まるんだろうと、つい次元の低いことを思ったりもします。念のため中を覗きこんで見ると底の方に結構貯まっているようでした。
これだけ大きいと、少々腕を延ばしても底には届きませんし、公園入り口のすぐ傍でもあります。周囲の目もあるので獲られることもないのでしょう!おまけに立派な屋根もついている全天候型ですので、雨が降っても大丈夫です。(高さ80センチ、直径60センチ)
そもそも、この錦鯉募金壺を設置した背景はどのようなものだったのでしょう。
鯉を増やす計画は、事務所長さんの発案によるもので、高松市の栗林公園を訪れた際、「園の美しさでは負けていないが、鯉の多さでは負けた」と感じ、平成18年初めに体長5~6センチの稚魚約1400匹を池に放しましたが、約1週間でサギやユリカモメに食べられ、全滅してしまったそうです。 その後、成長した15~20センチの稚魚なら鳥に食べられることなく元気に育つことが判明しましたが、稚魚の購入資金は底をついており、思い付いたのが募金壺だったそうです。香山さんが知人の備前焼作家に事情を話して壺を借り、7月に出入り口に設置しました。ところがその後、この基金で購入した鯉が何と鯉ヘルぺスにかかっていることが判明。池の水は消毒のためにすべて抜かれ、かわいそうに池の鯉は死んだり焼却処分にされてしまいました。
そして平成19年3月、この募金壺で集まった寄付金や団体の援助で錦鯉を購入、放流となったものです。その後、鯉はこの寄付金を基に増え続けているそうです。
後楽園の夏風景