天王寺公園のハト
日曜日、用事で大阪に行ったときのことです。本町で、「なんば」に行くため、地下鉄の中央線から、御堂筋線の電車に乗り換えたとき、ドアの前付近の車内に大原美術館の大原理事長が女性(秘書)の方と立ってこちらを見ていました。別に面識があるわけではありませんが、反射的に思わず軽く会釈をしてしまいました。理事長もすこし頭を下げられたようでした。
大原理事長は、大原美術館の理事長にして倉敷中央病院の理事長でもあり、最近まで倉敷商工会議所の会頭の要職についておられました。岡山県のみならず日本を代表する財界人のおひとりに違いありません。
この大原理事長で思い出すのが、平成17年に井笠地域地場産業振興センターで開催された華鴒大塚美術館友の会の創立10周年で講演をしていただいたときのことです。あとの懇親会にも参加いただけるという日程で、講演のあと、合間の少しの時間を利用して華鴒大塚美術館をご覧になるということでした。
当日の応援スタッフとして玄関付近にいた私は、理事長の運転手の方とお話をしていました。その車は、意外とクラシックでナビなどはついていませんでした。次に華鴒大塚美術館を訪ねられるというので、「すぐ近くですけど、場所はおわかりですか?」「何でしたらご案内しましょうか!」というと、「時間はまだありそうなので、それではお願いできますか!」とのことでした。それではと、ずうずうしくも後部座席に乗せていただいて美術館まで道順を案内しました。そのあとすぐにUターンして引き返しましたが、その途中で理事長から、運転手の方の携帯に電話が入ったようで、「君は、今どこにいるのかね?」という内容だったと思います。運転手の方は「はい、すぐに帰りますので」と恐縮して応えられていました。
会場まで戻ると、理事長以下、面々が玄関先に今か今かとお待ちで、後部座席から出てきた私はとてもバツが悪かったことを、昨日のように思い出します。あとで聞くと、某衆議院議員の奥様が美術館までご案内する予定になっていたようです。これぞまさに、いらぬお世話ということでしたね。