前回からの続きです。
公渕公園の公渕池の周遊道をしばらく歩くと、目的地のぼたん園、シャクナゲ園に着きました。池の淵に近い傾斜地に、ボタンとシャクナゲが区分けして植えられています。シャクナゲは、少し見ごろを過ぎた感じでしたが、ボタンは、ほぼ満開に近く、見ごろとなっていました。シャクナゲは白、ピンク、赤など、特に赤のある種は、丈が3m~4mもありそうな、とても大きなものでした。このように大きなものは初めてみましたが、ひとつ残念だったのは、背丈があるがゆえに必要な支柱が、鉄パイプだったことです。少し趣きに欠けるような気がしましました。入園者は、20名ほどで高年齢者が多いようでした。
池に陽がいい感じで射しこみ、淵の水面がまさにエメラルドブルーに輝く中、新緑の黄緑色との抜群のコントラストは、とても美しいものでした。
さて、この森林公園、今回歩いたのはほんの一角ですが、この公渕池を中心として、総面積93ha、レストハウス、芝生広場、キャンプ場などがあり、遊歩道の総延長は実に15キロにも及ぶそうです。ウオーキングには最適で、間違いなし。もう少しゆっくりしたいところですが、次の予定があるので、1時間ほどで公園をあとにしました。
次に向かったのが、フジで知られる岩田神社です。国道11号線まで戻り、目的地を目指します。住宅地に入ると、「藤まつり」と書かれた藤色の幟があちこちの道路脇に見えてきました。神社の入口付近にも駐車スペースはあるようでしたが、すでに満車の状態で止む無く他の人に倣って、参道脇の空きスペースに車を停めました。次から次へと観光客がやってきます。この岩田神社のフジですが、情報によりますと樹齢800年、そして房の長さは2mにも達するそうです。私の経験では、いまだかつて、そのような房は見たことがありません。和気町の藤公園でも1メールもあったかどうか、伝説では、春日大社直会殿前のフジは、「砂ずりの藤」と云われ、美しいフジの花穂が1m以上垂れ下がり地面の砂を擦るほどのびることから、この名前がついたそうですが、岩田神社のフジの樹齢も同じ。期待も膨らみます。
そして、境内に入ると、すぐ左手にフジ棚がありました。あれ、どうしたことでしょう?まだ早かったのでしょうか!房は、せいぜい50㎝から75㎝ほど。どう見ても2mにはほど遠いものがありました。これには、正直、随分がっかりしました。このフジはオオフジ、別名「孔雀藤」とも言われています。背中に「孔雀藤」と書かれた藤色の法被を被った地区の案内の説明によりますと、今年は、花芽が付いてから2回、消毒をしないといけないのに、それができていなくて、結果、虫がついて先の方まで開花しそうにない、とのことでした。1週間ほど後にきても、おそらく今と変わらないだろうという悲観的なものでした。説明を聞いていた、別のお客さんの話だと「以前来たときには、確かに1mはあった!」とのことでしたので、今年の出来は、相当、良くない、ということでしょう!フジの根元は、随分太く、石の石柱を飲み込むばかりに太いものでした。一番いい時期にもう一度来てみたいと思いましたが、高速道路が値上げになることもあって来ることができるかどうか。少し心残りな感じで神社をあとにしました。
追記
日本の藤の情報を調べてみると、日本一と云われるのが「あしかがフラワーパーク」500畳分の藤棚を持つ樹齢140年の大藤4本、花房は160㎝にも達するとか。また花の咲き具合で料金が変わるというのもおもしろいと思います。公平でいいですね。無料駐車場は最大6000台といいますからすごいですね。
また、歴史的には、江戸時代、安藤広重も描いた、東京の亀戸天神社の藤。NHKの「日本の庭園の美」でも見たことがあります。藤が咲くころ、江戸時代の庶民の最大の行楽地だったのでしょう。
また、品種的には、九尺藤というのが有名だそうです。花房は100㎝から200㎝といわれており、春日部市牛島の藤花園のものは、樹齢が1200年といいますからすごいですね。この九尺藤でよく紹介されるのが、兵庫県丹波市「白毫寺」の藤。これはまさに150㎝の花房、ライトアップされた藤棚は、幻想的で素敵です。兵庫県なら、お隣の県なので、行ける可能性大です。