弘法大師が開基といわれる修善寺、石段に続き山門から本殿を望む。広い境内です。
修善寺温泉には、夕方の4時頃着きました。本日の宿は、事前にインターネットで予約していた「桂川」という旅館です。桂川沿いの温泉街の入り口にあります。それにしても修善寺、なんというやわらかい郷愁を誘うような言葉の響きでしょう。どうしても川端康成の「伊豆の踊り子」を連想し、どこかその時代に戻ったような、感傷的な気分になります。
どこの温泉にするかは、私の独断でしたが、「芦ノ湖周辺や熱海でよかったんじゃない!」という家族の意見を無視し、どちらかというとひなびた、人の少ないところでゆっくりしたいという私の想いを優先させたのです。
着いたころから、雨がポツポツ降り始めました。誠にいいタイミングではありました。よくぞそれまでもってくれたと思います。若い女性スタッフの方が、ロビーから部屋まで台車に荷物を載せて、案内してくれました。でも説明する語尾などの発音がはっきりしないところが気になっていました。部屋で改めて名札を見ると、李××、とあったので、あ、なるほど。聞いてみると韓国から来られたそうで、まだ6か月とのことでした。それにしては、逆に日本語がじょうずと、一同、ほめることしきり。
まだ陽があるうちに、温泉街を散策したいと思い、一人だけカメラを持って抜け出しました。受付のカウンターで、散策マップをもらい、簡単な説明を受けて、傘をさして出発です。
橋をわたると、角に小さなそば屋、先日、TVの旅番組で紹介されていたあのお店だと思います。通りには老舗のお土産屋さんもあって、じっくり見たいところですが、6時の夕食の前に一風呂浴びたいというのもあって、ゆっくりできません。桂川が広くなったところで、赤い橋が見え、川の中に源泉らしきものが見えました。そして右手に修善寺(お寺)があります。旅行の情報誌などで見ると、載っている写真は本堂のみですが、実際は境内も広くなかなかの格式です。一番びっくりしたのが、山門を潜って右側にあるお水舎、龍の口から出るお水は何と温泉です。特に冬場にはありがたいですね。
本堂の前で、TVの取材でしょうか、撮影をしていました。(レポーターは金髪の外人の方でした)そういえば、修禅寺はミシュランで二つ星を獲得していますね。川沿いの「竹林の小径」付近は、伊豆の小京都といわれる風情がありました。
そろそろ時間になったので、旅館に戻りました。そして大浴場へ直行。湯に浸かると疲れもなにもかも吹っ飛んでしまいます。私の場合、温泉旅館に泊ると3回、風呂に入ることにしています。このあと寝る前に1回、翌朝の早い時間にもう一回。どの旅館にするかですが、たいてい旅館の温泉設備で決まってしまいます。結果、大きな旅館になってしまいます。
お風呂から出るとお楽しみの夕食。お腹が膨れると、あっという間に睡魔が襲ってきます。
翌朝、残念なことに昨日よりも強めの雨が降っていました。帰る前に修禅寺書院で、雛まつりの企画「おかみのもちより雛と修禅寺庭園の特別観賞」というのが行われていたので、のぞいてみました。ずらりと並ぶ、雛段は見応えがありました。庭園も、普段は公開されていないそうで、規模的にはそうでもありませんでしたが、滝も流れていてコンパクトですが、かなり完成度が高いと感じました。カメラを持参していなかったことが悔やまれます。
雨さえ降っていなければ、修禅寺梅林にも寄ってみたいと思っていましたが、この雨ではあきらめるしかありません。帰りの起点、三島駅に向かって出発しました。
今度来るときは、是非、伊豆半島を一周してみたいと思いますが、実現するかどうか。
お水舎の龍の口から出るのは温かい温泉
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