未熟なカメラマン さてものひとりごと

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超初心者の山歩き 剣山編 -素敵な出会いに感謝その2-

2013-06-23 10:38:44 | 山歩き

歩き始めてすぐの頃、眼下に見えるのはリフト西島駅の建物

(前回のつづき)
 自宅を早朝6時に出発。コースは瀬戸大橋から高松自動車道、高知自動車道、徳島自動車と進み美馬ICで降りて、貞光から剣山・見ノ越に至るルートです。貞光からは思った以上に距離がありました。道は、途中、何か所も細いところがあり、気が抜けません。見ノ越には9時過ぎに到着しました。途中、遠目にリフトが見えましたが、山を駆け上がるような急こう配に思わず、「すごい!」と声が出てしまいました。第1駐車場は、ほとんど埋まり、バスツアーでしょうか、中型バスが数台停まっていました。ツアー客は女性が多く、若い人から中高年の人まで様々です。ウエアは、明るい色が多くとても華やかに感じました。人の流れは、ほとんど登山口に向かっているようです。これだけ人がいるのにリフトに乗るのは私たちだけ。どこかはずかしい感じがしました。往復料金1800円はちょっと痛いですが、仕方ありません。靴をトレッキングシューズに履き替え、ザックを背負い、山歩きスタートです。リフトでは、ザックを前に持って欲しいということと、下のベルトは、留めてほしいなどの指示がありました。

 この見ノ越駅の標高は1420m、終着西島駅の標高1750mまで、標高差330m、距離830mを15分で結びます。徐々に山並みが眼下に広がってきました。西島駅につくと、ルートは二つに分かれますが、あらかじめ、予定をしていた最短40分の尾根コースを進みます。最初からきつい傾斜のある道でした。マニュアル本に書いてあった、「最初は半分の歩幅で、ゆっくり進むのが疲労を蓄積しない方法」を心がけて進みました。途中、休憩は何度もとりました。後から来る登山者には、道を譲りマイペースを心がけました。梅雨の合間の日差しは結構、きついものがありますが、それでも高地だけに冷たい風が吹くと、スーッと涼しくなり、とても気持ちのよいものです。登山道で、獣の糞を発見しました。また斜面を歩いた獣の足跡が何か所も見られました。なんだろう、イノシシかなと思いました。
 ゆっくり、登っていると頂上ヒュッテが見えてきました。抜けるような青い空に白い建物が映えます。またもや日陰で休憩をしていると、一人の初老の男性が、長い柄のついた鍬を持って上がってきました。きびしい目で、しっかり周囲を確認しているようです。腰に「自然公園指導・・」と書かれた腕章が見えました。   

 「こんにちは!イノシシでも出ましたか。歩道横の斜面に足跡やフンがありましたね」と話しかけると、「シカが出るんですよ。ほら、あちらに枯れた木があるでしょう」「あれは、木の根元の皮をシカに食べられて枯れてしまったんですよ」「死ぬより、生まれてくる方が多いから個体数が増えているんですよ」「本当に困っています。」とのこと。
さらに「落葉樹が多いので、秋の紅葉もいいければ、陽が早く沈むので、なにをいっても今の季節が一番ですよ」「木々が芽吹いて酸素を出し、風に乗ってやってくる」「私はガイドもしながら、もう53年もこの仕事をしてるんですよ」
私が「宮尾登美子の≪天涯の花≫を読んで、キレンゲショウマに興味を持ち、8月に来ることになっていて、今日はその下調べです。」「実は、初めての山歩きなんです」というと、
「ゆっくりと登られていたので、随分の経験者かと思っていました。云わなくてよかった」
「キレンゲショウマは8月の初めがいいですよ。」「実は天涯の花の典夫のモデルは私なんですよ」「えー」と絶句 (つづく)



いろいろ教えていただいた新居綱男さん。環境省の自然公園指導員に委嘱されています。
コメント
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