うとうとするムック
我が家の大切な家族の一員である、プードルのムック(愛称:ムっちゃん、雄10歳)ですが変わったクセがあります。それとも、この犬種の特徴なのでしょうか。
プードル属は、体格的に大きいものから、スタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイ、ティーカップ(非公式・分類上はトイ)とあるそうです。その体高と体重は以下のとおりです。
スタンダード(体高45~60㎝、体重15~19㎏ 中型犬)
ミディアム(体高 35~45㎝、体重8~15㎏ 中型犬)
ミニチュア(体高 28~35㎝、体重5~8㎏ 小型犬)
トイ(体高 26~28㎝、体重3㎏前後 小型犬)
どのサイズのプードルも全般的にフレンドリーで感受性が強く能力も高くて、飼い主に従順です。ただ、体が小さくなるにつれて扱いが難しくなると言われています。スタンダード・プードルは優雅で気品がありますが、ミニチュアやトイはスタンダードに比べて甘えん坊で神経質です。
さて愛犬のムックですが、体重が7㎏なので、立派な?ミニチュア・プードルということになります。ただミニチュア・プードルは、多芸犬として育てられたとされ、日本では数が少ないようです。何か体型の基準というものはないのでしょうか。ムック、ただ単にトイ・プードルが、食べ過ぎで巨大化しただけかもしれません。そのプードルらしからぬ体型のため、「犬種は何ですか?」と尋ねられることもよくあります。「プードルです!」と答えると、「えー?プードルってこんなんだっけ?」というような調子です。
クルマで、自宅に帰るとそのエンジン音を覚えているのでしょう。カーテンの陰からガラス越しにじっと見ています。カーテンで外が見えない時は、施錠の電子音「ピ!」という音を聞いて確信するのでしょう。玄関に回り、吠えまくります。私が玄関の戸を空けて中に入ると、その場でくるくる回り喜びを表します。こういうところは、ほんとにかわいいとですね。
居間で服を着替えているとじっとこちらを見て何かをうったえています。ポケットのハンカチをくれといっているのです。実はハンカチが大好きな犬なのです。ハンカチを与えると、口先で咥えて何度も投げます。その投げたハンカチに吠えたり、どこかに隠したりもします。このとき、しっぽを盛んに振るので、相当に楽しいのだと思います。そのうちソファに移って仰向けになりハンカチを背中の間に挟んでこすりつけるようなしぐさをします。この動作が済むと、今度は私のそばにハンカチを持ってきて置き、自分は向きを変え向こうを向いてじっと待っています。これは、ハンカチのキャッチボールの催促なのです。落ちる場所を向いて態勢をとっているのです。しかたないのでハンカチを結んであっちに投げたりこっちに投げたりして相手になりますが、横になっているとき、体の上に乗って顔の前にハンカチを置くのには閉口します。この行為が10分ほど続くと、座ってハンカチを噛み始めます。こうしてハンカチ遊びは終わるのですが、ハンカチの隅がぼろぼろになってしまいます。あー、今までお気に入りのハンカチが何枚無残な姿になったことか。
しかし、これだけでは終わりません。次は、私の足首をごりごりとひっかき、靴下を脱げとの催促です。寒いので脱ぎたくないのですが、痛いので根負けです。ここからハンカチと同じように、靴下のキャッチボールが始まります。
しかし、一番困るのは散歩のときです。上着を着て、夜行タスキをかけ始めると、なんだかそわそわし始めます。「ムっちゃん、散歩行こうか」と声を掛けると、気分は徐々に高揚し、体にリードをかけるころには、それがピークに達して吠えまくり、手を噛もうとして凶暴になります。最後の「カチ!」という音を聞くと、今度はリードを飛び上がって噛もうとします。
かわいいと思うのは、私がソファに座ると、かならずジャンプしてやってきて体をつけるように横に座ってリラックスしていることです。椅子に座ってパソコンを操作していると、いつの間にか、足元に横たわっています。あやうく踏みそうになったことが何度もあります。夜、寝ていると私の布団の中に潜り込んで寝ていることもあります。気付かずに体を動かしたときムックの顔や頭に当たるときが一番の最悪です。あやうく噛まれそうになったことが何度もありますし、実際、一度だけ傷が深くて通院したこともあります。
月、最低でも一回以上のトリミングは必要ですが、毛がまったく抜けない犬種なので助かりますし、番犬としても重宝しています。単語も「ハウス」「散歩」「来た」「ムック」はわかっており、「ハウス」といえば、ケージの中に入りますし、「散歩」に行こうかと云えばうれしくなりますし、「来た」といえば、怪しいものが来たと思い外に向かって吠えまくります。「ムック」と声を掛ければ、何をしていてもこちらに顔を向けます。
10歳ともなると白内障にかかり少し目が白く濁っていますが、ソファに飛び移るときのジャンプ力にはいつも感心します。あと何年、こうして一緒にいられるのでしょう。