高瀬舟時代の「がんぎ」が今も残っている
雪の湯原温泉を訪ねた後、次の目的地・勝山に向かいました。国道313号線を南下し、足温泉、真賀温泉を過ぎると、雪は徐々に少なくなっていき、勝山に着くころには、ほとんど見えなくなっていました。旭川がゆったりと流れ、町並みにつづく神橋からは、御前酒蔵元と書かれた漆喰の倉庫群や、石積みの護岸の上に建つ土蔵や民家が見え、そこには昔と変わらない風景が広がっています。勝山は5年ぶりぐらいでしょうか。どこか懐かしい感じがしました。
橋をわたり町並み保存地区の観光駐車場に車を入れました。駐車場は何か所かあるようでしたが、そこは散策にほどよい中ほどにある駐車場です。奥にあるトイレには雪隠処と書かれた暖簾がかかり、町並みの雰囲気をそこなわないような工夫がされています。
江戸期には参勤交代の大名行列が通っていた旧出雲街道
当日の天気は悪く、雪が舞い寒々とした中、傘をさしての散策となりました。さすがにこの時期、観光客の姿をほとんど目にすることはありません。この旧出雲街道、近年、電線が地中化され道路も石畳風のきれいなものに敷きかえられとてもスッキリとした印象を受けます。濡れた路面が光りまぶしく感じます。
通りの各店舗には、意匠の凝った暖簾がかかり品よく町並みを飾っています。カメラとマイクを持ったひとりの外人さんがさっそうと歩く姿が印象的でした。通りを眺めると雪を被った山並みがすぐ近くに見えて、この季節ならではの景観を見ることができます。
川岸に続く小路を見つけると川べりまで行っては、写真を撮りました。武家屋敷館←と書かれた案内板を見つけ、石段を登りました。この頃、急に空は青空となり、屋根から落ちる雪解け水の音が随所から聞こえてきます。ジョウビタキがナンテンの枝にとまってこちらの様子を窺っています。
中腹の立派な山門のあるお寺に遭遇しました。山門の天井裏には、色彩豊かな天井絵が描かれているのが見えました。そしてかたわらに小さな二つの石像を見つけました。その愛らしい表情は何とも言えません。
安養寺、山門前の寄りそう石像が何とも愛らしい
それから再び通りに出たあと、昼食をとることにしました。いろいろ迷いましたが、嶋家という店構えのよいお店で軽いランチをいただくことにしました。中に入ると奥のテーブルに女性の団体客の姿が見え会話がはずんでいます。室内のストーブにはマキが焚かれ、蒸気でカメラのレンズがすぐに曇ってしまいました。このお店はお蕎麦がメイン料理のようで、山芋とろろ蕎麦を注文しました。細い蕎麦にこしのある山芋のとろろはなかなかの味でした。
お腹を満たした後、町並みを北に進み、御前酒の蔵元・辻本店前まで行ってお店を覗いたり、重厚な蔵の窓の見事な鏝絵に感心したあと、勝山をあとにしました。
暖簾が品よく町並みを飾る
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