未熟なカメラマン さてものひとりごと

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感動をありがとう 高校女子駅伝2015(平成27)常磐高校の巻

2016-01-14 22:38:19 | 駅伝

井原市成人式 本文とは関係ありません。

あけましておめでとうございます。今更という気もしますが、落ち着いたところで全国高校女子駅伝2015の結果を分析してみたいと思います。
今回は惜しくも準優勝となった群馬県代表の常磐高校を取り上げてみたいと思います。
(例によって敬称略、過去の駅伝記事はカテゴリーから「駅伝」を選択ください。)

まず、大会の結果を区間ごとに検証してみましょう。
(区、氏名、学年、区間順位、区間タイム、トップとの差)
タイム 1時間7分46秒 総合2位
1区 岡本 春美(3)05位 19:35 0:15
2区 樺沢和佳奈(2)02位 12:55 0:06
3区 小指 有末(3)10位 09:57 0:12
4区 新井 茉奈(3)02位 09:22 0:13
5区 米谷 結希(3)02位 15:57 0:09

次に、昨年の記録を見てみましょう。
タイム 1時間8分11秒 総合3位 学年は当時
1区 岡本 春美(2)01位 19:12 0:00
2区 小林 由佳(3)16位 13:40 0:36
3区 樺沢和佳奈(1)02位 09:38 0:40
4区 篠崎 玲奈(1)03位 09:29 0:29
5区 大島 里穂(3)06位 16:12 0:45
(*データは、ともにNHKロードレースオンラインより)

昨年と比較し、その実力は格段に上回っていました。2区、4区、5区の3区間で昨年の記録を更新しています。最終区で世羅高校の向井優香にかわされたもののその差はわずか9秒。悲願の初優勝こそ逃しましたが、学校史上初の全国2位、過去にないレベルの高さとその実力は十分に証明されました。

(1区)岡本春美
やはり、岡本春美は完全に復調していませんでした。昨年の全国大会以後、ケガが続きやっと7月ごろから練習開始。県大会から公式戦のレースに復帰しましたが、まだ万全ではなかったようです。それでも後半まで何とかトップグループに加わります。そして急激な登りのラスト1km、豊川高校の猿見田裕香、西脇工業高校の田中希実、世羅高校の小吉川志乃舞についていけず7位あたりを走っていましたが、最後の最後で2人抜き5位に浮上します。この成績は彼女自身の現在の状態からすると、精一杯のところだったのでしょう。それにしても3年間の活躍は素晴らしいものでした。お疲れ様と声をかけてあげたい気持ちです。

(2区)樺沢和佳奈
レースが動くといわれている2区。樺沢和佳奈は、実力どおりの走りをしました。すぐに2校を抜いて3位に浮上します。そして西脇工業と世羅高校がトップ争いをする中、どんどん近づき、その差を15秒から9秒縮め6秒差とします。テレビ画面でもその姿は徐々に大きくなり、髪をたなびかせて走る様は実に軽快でした。またコーナーワークも見事だったと思います。昨年の同区と比較すると、実に30秒も早いタイムでした。仙台育英のヘレンエカレナの驚異的な記録は別として、立命館宇治高校の安藤富貴子や、大阪薫英女学院の高松智美ムセンビを押さえての区間2位はさすがというほかありません。1.2区で流れを作るというのが高校女子駅伝のセオリーですが、高木監督はこの状況をどのように見ていたのでしょうか。

(3区)小指 有末
ペース配分が難しいといわれる3区です。選手層の厚い常磐高校、前日までの調子を見て最終オーダーが決定されたのでしょうが、3区、小指有末はなかなか想定できませんでした。坂尻有花や、県大会で活躍した飯野亜美もいましたが、高木雅一監督は、あえて3年生の小指有末を起用しました。小指有末は3年生ながら初の全国大会。緊張もあったでしょうが、記録区間10位はまずまずの成績でした。しかし最後に薫英女学院の高松望美ムセンビに抜かれ順位は4位に落ち、トップとの差はさらに6秒広がって12秒となりました。

(4区)新井 茉奈
しかし、またしても層の厚い常磐高校です。4区は3年生の新井茉奈です。1km付近で世羅高校を抜いて3位に浮上、そして中間点で2位になります。薫英女学院高校とのデッドヒートは見事なものでした。記録も1位西脇工業高校の後藤夢に1秒差と迫る9:22、堂々の2位でした。この新井茉奈3年生になって調子をあげてきたようです。負けん気の強さが画面から伝わってきました。そしてこの区間できっちり役目を果たしました。期待以上の走りではなかったでしょうか。しかし中継所でトップとの差は13秒に広がりました。いかに西脇工業高校が早かったかがわかります。あとは、5区の米谷結希に託すのみです。

(5区)米谷 結希
最後の夢は、3年生米谷結希にゆだねられました。この時点で優勝した世羅高校とのタイム差は22秒ありました。中間点で西脇工業高校大西結菜の調子が大きく崩れ始めます。そして常磐高校がついにトップに躍り出ます。しかし世羅高校とのタイム差はさらに13秒に縮まっていました。高木監督も気が気ではなかったでしょう。テレビ画面に映し出される両者。長身でふっくらした米谷結希に比べ、対照的な細身の世羅高校、向井優香です。
残り1kmでついに交わされ最終的に9秒の差をつけられてしまいました。向井優香のあの走りでは、仕方ないと誰しも思ったことでしょう。
しかし、区間2位の走りはさすがというほかありません。彼女は千葉県の出身ですが、群馬県に大いに貢献しました。

こうして、大会は終わりましたが、もし、岡本春美が、昨年1区・区間賞での同タイムの19:12で走っていたら、4区終了時点で世羅高校との差は、58秒であり、当然あの逆転劇はありませんでした。
また世羅高校の小吉川志乃舞と同タイムの19:20で走っていても、6秒差で常磐高校に軍配があがりました。しかしそうなると向井優香がさらにピッチをあげて踏ん張ったかもしれません。
しかし、これからも続くであろう彼女たちの競技人生を思うと、決して無理をさせず、肉体的にも精神的にも万全の状態で、不安なく試合に望めさせることが、一番大事だと思います。

3年生主体で望んだ今大会、目標の優勝まであと1歩届きませんでしたが、昨年に続く表彰台は見事というほかありません。優勝候補と目され、プレッシャーも相当なものだったと思いますが、その実力を証明しました。テレビで観戦していてもトップグループで終始画面に映し出される選手たち。群馬県民、駅伝ファンに大いに感動を与えてくれました。層の厚い常磐高校、連続の表彰台がどこまで続くか、これからも注目していきたいと思います。

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