広い園内。遠くに山並みが見えます。
三休公園の桜を観たあと、うどんの人気店・すぎの茶屋でお腹を満たし、このまま帰ろうかどうしようかと思案した結果、久しぶりにたけべの森公園の枝垂れ桜を観て帰ることにしました。ここから7キロほどの距離でした。
たけべの森は、5年ぶりでしょうか。下の臨時駐車場のところでいったん停められ、入園料を払って上の駐車場に向かいます。確か以前来た時は、公園に入る車で渋滞し、バスがピストン運行をしていた記憶があります。当日は、上の駐車場はほぼ満車ではありましたが、以前のような賑わいはありません。前回のときは広場で催しが開催されており、いくつもの出店が立ち並び、とても盛況だったことを覚えています。
芝生の向こうに見える枝垂れ桜の並木
駐車場から広場を見ると、正面が少し下った傾斜のある広場となっており、その向こうに白いソメイヨシノの林が見え、その背後には遠く山並みが見えます。左手に大きな枝垂れ桜、右手には、ピンクの枝垂れ桜の並木が見えます。
枝垂れ桜は、八重紅枝垂れ桜です。この桜でまず一番に思い出すのが、京都平安神宮の神苑です。ソメイヨシノほどの豪華さはありませんが、その姿は優雅で繊細、少し小ぶりですが、ため息がでるほど美しく、私のもっとも好きな品種です。並木には両側にこの桜が植えてあるのです。
しかも、このような八重紅枝垂れ桜の並木は、京都でも目にしたことはありません。この並木は「藤右衛門桜の小径」といい、第16代佐野藤右衛門氏の指導を得て、地元のボランティアの方たちによって植栽されたものです。
この佐野藤右衛門は、京都嵯峨野にある造園業「植藤」の当主が襲名し、16代佐野藤右衛門氏は、「桜守」としても知られています。桂離宮や修学院離宮の整備を手がけ、平成17年には京都迎賓館の庭園を棟梁として造成しています。
八重の濃いめのピンクが枝垂れるさまは優雅で美しい。
この頃、晴れ間も見えるようになりました。
ところで、たけべの森公園、園内には100種、15000本の桜があり、3月の下旬から上旬までの約1ヶ月半、次々と開花し続けるそうです。
岡山県内では、その数の多さでは、ほかに深山公園7000本、三休公園5000本、鶴山公園1000本、半田山植物園1000本などがあり、このたけべの森公園の15000本がいかに群を抜いているかがわかります。この15000本、なんともアバウトな数字ですが、ここは数が多いということで理解しておきしょう。
この日は前日が雨模様で、雨こそ降っていませんでしたが、まさに曇天でした。しかしこの公園に着いて間もなく、一時的に晴れ間も見えるようになり少しだけ明るいもとで撮影が可能でした。当日の予報が雨だったので来園者はほんとうにラッキーだったと思います。園内には、コバノミツバツツジの鮮烈な紫色も見えて、八重紅枝垂れ桜とのコントラストを楽しむことができます。帰ってパンフレットを見ると、園内には祇園枝垂れ桜や御衣黄(ぎょいこう)もあったようでした。いつもながら、とにかく早く見たいというタイプなので、パンフレットは帰ってみることになり、あとで後悔することもよくあります。困ったものですね。
入園料は良心的な300円、桜は散っても、これからは若葉も魅力的ですし、ミズバショウの群生地やあじさいロードもあります。広い園内でぜひ弁当持参で訪ねられませんか。
平成25年4月1日に岡山市直営施設から指定管理施設に移行しています。
コバノミツバツツジとのコントラストも楽しめます。