優勝争いは最終区に持ち込まれる。
駅伝シーズンも終わりました。例年になく波乱に富んだ1年でした。最後に結果を検証してみたいと思います。
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1.もっとも輝いた高校・薫英女学院高校
何といっても大阪薫英女学院高校です。ついに全国制覇を成し遂げました。
全国大会:タイム 1.07.26 1位
県予選 :タイム 1.10.02 1位
地区大会:タイム 1.09.26 2位
くらよし:タイム 1.08.57 2位
全国大会での勝因、一番の功労者は。何といっても1区の嵯峨山佳菜未です。1年生ながら、常磐高校の最強ランナー岡本春美と最後までデッドヒートを演じました。166㎝の長身と美しいフォームは駅伝ファンをくぎ付けにしました。そしてもう一人の功労者は、前田梨乃です。テレビのアナウンサーは、彼女のことをスピードランナーと評していましたが、冷静沈着な走り、終わってみれば、区間1位(5区)は見事でした。実力はありながらなぜか、本番では力を発揮できない高松望ムセンビでしたが、調子が悪いながらもあきらめることなく走り切りました。
そして、加賀山姉妹、妹の恵奈の優勝インタビューは、とてもさわやかで好感のもてるものでした。
また、故障者を出さなかったのも勝因の一つです。控えに森京香、田中綾乃がおり、万全の態勢でした。
1月11日の全国都道府県大会でも大阪の優勝に大きく貢献し、最後の駅伝・選抜女子駅伝北九州大会でも優勝しました。
今年の高校女子駅伝は、大阪薫英女学院高校に始まり、そして終わったという感じでした。
来年は、どのような活躍を見せてくれるのか、楽しみです。
2.やはり強い総合力の立命館宇治高校
大阪薫英女学院高校に最終区で敗れはしましたが、堂々の2位は見事でした。名将・荻野由信監督のレース前のインタビューでは、やれるだけやった、という優勝への自信のような言葉もありました。
中盤では、TOPを独走し、監督の作戦は見事に的中、すでに勝敗はあった、と思わせましたが、ここからの大阪薫英女学院の怒涛の追い上げに屈する形となりました。
それにしても、大会に合わせ、調子を合わせてくるのは見事という他ありません。
地元の利を生かし、歩道の応援も背中を強く押してくれたことでしょう。主力の関紅葉が、埼玉栄中学/埼玉県、安藤富貴子が大久保中/兵庫県の出身ということはあまり知られていません。前出の嵯峨山佳菜未も、実は兵庫県の出身でした。こうしてみると、兵庫県の層の厚さを感じます。
今年の立命館宇治高校、一番の功労者はやはり安藤富貴子でしょう。ヒタヒタと走るさまは、まるでキャタピラーのよう、確実な力強さを感じました。前の選手を追い抜こうとするその根性、これには高松望ムセンビも到底叶いません。
順位変動 NHKテレビより
3.新しい波、常磐高校と山梨学院大付属高校
例年、表彰台を飾る2校がついに姿を消しました。豊川高校と興譲館高校です。両校とも監督が交代した年でした。前監督はともに上のステップを目指したいと社会人チームにその舞台を移し、新監督で臨んだ両校でした。
過去6年間、優勝4回と実績を持ち、連覇を狙う豊川高校は、1区に1年生の猿見田裕香を抜てき。中盤までは首位グループにいたものの、後半脱落し区間26位という残念な結果に終わってしまいました。3000m、9.08の記録を持つ彼女にいったい何が起こったのでしょう。中心メンバーのひとりだった堀優花をケガで欠き、山田日菜野、田中美帆、鷲見梓沙の必死の追い上げもかなわず、結果6位という信じられない結果となってしまいました。
興譲館高校も、豊川高校と同じく1区の大森巴菜が不調でまさかの区間27位。トップの常磐高校とは、実に1分10秒もの差がついていました。全体的に覇気が感じられず、3区の宗廣閑那が区間3位と健闘したものの最終的に15位に終わってしまいました。大森巴菜、高橋彩良、寶田彩香の3名が、故障明けで本来の力をまったく発揮することはできませんでした。国体で回復の兆しが見えていた寶田彩香が5区でゴールに飛び込んだとき、ゴメンナサイと両手を合わせるシーンがすべてを物語っていました。ずばり調整の失敗だと思います。27年度の大会は、まず入賞を目標に頑張ってもらいたいと思います。
そんな中、光ったのが予想通り、常磐高校と山梨学院大附属高校でした。
(つづく)
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