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倉敷市児島を巡る旅その1 厄除けの総本山として知られる由加山を訪ねて

2020-02-10 08:14:51 | 神社・仏閣
令和2年2月4日、久しぶりに岡山県倉敷市児島、由加山(ゆがさん)訪ねました。厄除けの総本山として広く知られていますが、こちらには、由加山蓮台寺と由加神社本宮とがあります。
お寺と神社ですが、お互いにその存在を認めていません。特にその傾向は、蓮台寺の方に顕著にみられます。
ホームページの「境内ご案内」を見ても、隣地なのにまったく記載されていないのです。
駐車場もそれぞれにあり、決して間違ってはいけません。
かといって、高い塀で仕切られているのではなく、道はまったくのオープンで自由に往来できるのです。
私が最初に訪ねたのは、蓮台寺でした。朝の9時頃でしたがすでに参拝者の姿がありました。左手の丘の上には、新本殿(令和4年完成予定)が建設されているようでした。
総本殿で最初のお参りです。正面には、どーんと、巨大な木造不動尊が睨みをきかせています。
朝の掃除をしていた係りの女性が「おはようございます」と声を掛けてくれました。
蓮台寺で参拝したあと、客殿に向かいましたが、拝観は後回しに、石段が続く権現堂に上がってみることにしました。
境内では、隣の由加神社本宮から、ご祈祷の案内のアナウンスが聞こえてきます。
権現堂・奥の院から、眼下の伽藍を見渡すと、改めてその広さに驚きます。



【蓮台寺】駐車場から進むと最初に出迎えてくれるのが観音様


【蓮台寺】総本殿(南側より)


【蓮台寺】総本殿(東側より)祈祷は2階で行われています


【蓮台寺】山門(右手前)と向こう側の大きな建物が客殿


【蓮台寺】権現堂方面を見る


【蓮台寺】権現堂・大師堂に続く坂道


【蓮台寺】広い境内です


【蓮台寺】神社方面 鳥居の向こう側が神社境内

由加神社本宮との境に、次のような立て看板が立っています。
「瑜伽大権現蓮台寺ご参拝の方へ 平成九年三月三日、突然活動をはじめた由加神社は、由加大権現と文字を変えて権現さまの名称を使用していますが、この由加神社と千三百年の歴史を持つ別格本山瑜伽大権現蓮台寺とは一切関係ありません ご祈祷・お札・お守りを、お受けの際は間違いのないようにご注意下さい 山王」

元は神仏混淆の施設でしたが、明治の神仏分離の法難にあい、前述の神社の場所だけを由加神社とし、分離。後に各地に分社が建立されたため、由加神社を由加神社本宮と称するようになりました。
第二次世界大戦後の国家神道解体に伴い、宗教法人としては形式的に分離したままで神職も配置していましたが、事実上蓮台寺により一体的に運営され、僧侶が本殿で祈祷を行うなど明治以前の形態に復していました。
1998年3月、由加神社が独自の宗教法人活動を開始して以降、参拝時に互いの駐車場を共用することを禁止しており、両寺社の関連はないことを主張する看板が立てられるなど、両者の関係は完全に断絶しています。
ただし、参拝客は依然として両寺社を総称して「由加山」と称しています。
(参考:wikipedia)


それでは、蓮台寺とはどのようなお寺なのでしょう。以下の通り要約してみました。
由加山蓮台寺とは

真言宗御室派の寺院
1300年前に行基菩薩が阿弥陀如来と薬師如来を瑜伽大権現として祀ったのが始まり
本尊に十一面観音を祀る(伝行基菩薩作)
厄除けの寺として備前藩主池田候の祈願寺として信仰を受ける
木造大建築の客殿は、池田候の宿泊・休憩用の建物として寛政年間(1700年ごろ)に完成
県指定の重要文化財、丸山応挙の絶筆「竹鶏の図」や、上々段を設けた御成の間がある
伽藍には、権現堂、観音堂、大師堂、多宝塔など文化財が残されている
御祈祷は総本殿の二階「御本殿」で行われる
「求め有らば必ず応ずる瑜伽の権現さま」として全国に知られる
後利益は、厄除け、交通安全、病気平癒、家内安全など
日本最大級の不動明王が安置
蓮台寺名物は精進料理
瑜伽大権現と金毘羅大権現の両方を参拝する「両まいり」という慣習が生まれ賑わう
全国各地から、年間40万人以上の参拝者が訪れる


次に由加神社本宮についても、まとめてみました。
由加神社本宮とは

由加神社本宮は、全国に52の分社を持つ
日本三大権現の一つ
厄除けの総本山として知られる
由加神社本宮は二千有余年の歴史を持つ神仏混淆のお山
その昔、岩座信仰と唱え近郊の人々の守護神として崇められる
733年に行基菩薩が十一面観音を祀り、併せて神仏混淆の霊山として崇拝される
桓武天皇の代以来、朝廷の祈願所として繁栄し、拝殿には菊花ご紋章を拝受
江戸時代中期には備前藩池田候の祈願所として、藩主自ら由加神社本宮を参拝
「ゆがさん・こんぴらさん両参り」の風習が広がる
由加の権現様・大神様は「有求必應」“求めが有れば必ず應じて下さる
日本一備前焼大鳥居(明治27年奉納)がシンボル
鳥居の両側に備前焼の子連れ獅子が鎮座(文政12年奉納)
学業・合格の神様(天神)として菅原道真公をお祀り
縁結びで知られる、素戔嗚尊様をお祀り
ご祭神の倉稲魂命様は、江戸時代より信仰あつく商売・事業繁栄の神様
海上安全・航海安全の神様として、大綿津見命様をお祀り タコが奉納される
消痛の槌という、足・腰・首の関節の痛みが取れる小槌がある
ご霊水は、本殿地下200mから湧出し、この水で金銭を洗い清めると不浄の塵垢が消える

なんでもご利益があり、商魂の逞しさを感じます。
境内の案内図に、蓮台寺と書かれた建物を見ることができますが、葬式・法事はこちらで、というものでした。

さて、蓮台寺から由加神社本宮に目を向けると、備前焼の鳥居が迎えてくれます。
それほど大きなものではありませんが、構造的によく立っているなと感心します。境内には、ご祈祷を受けに来た人でしょうか、申込書に記入している人の姿が何人もありました。
また昨日、行われた節分行事の舞台がまだ残されていました。



【由加神社本宮】備前焼の大鳥居は大きな目印


【由加神社本宮】備前焼の獅子


【由加神社本宮】神社境内 左の骨組みは昨日行われた節分祭のもの


【由加神社本宮】拝殿 御祈祷が行われていました


【由加神社本宮】拝殿から境内を見る


【由加神社本宮】天神 学問の神様 菅原道真公を祀る


【由加神社本宮】石製のカエル


【由加神社本宮】こちらはかわいいカエル

拝殿から、神官の祈祷する大きな声が聞こえてきます。
私が毎年訪ねる、岡山市の最上稲荷のご祈祷を思い出しました。
唐破風の拝殿は、立派な作り、本殿は県の指定重要文化財となっています。
折角なので、こちらでもお参りさせていただきました。



【蓮台寺】神社を挟んで丘の上にとても立派な多宝塔

由加神社本宮の敷地は、由加山全体から見ると、ほんの一部分に過ぎません。右手には立派な多宝塔が見えますが、こちらは当然、蓮台寺のものです。
裏手に廻ると、観音堂、大師堂がありました。
このあと、蓮台寺に戻り、客殿を拝観することにしました。どこで受付していただけるかわからなかったので、総本殿に戻って尋ねると、すぐに係りの方に電話していただきました。相変わらず、きめ細かいサービスです。



【蓮台寺】客殿拝観入り口


【蓮台寺】客殿の玄関(受付)


【蓮台寺】客殿の庭園 左が茶室、斜面に建てられた渡り廊下が印象的


【蓮台寺】内部はこのようになっています


【蓮台寺】飼い猫 見送ってくれました

客殿は、県指定の重要文化財、建物、襖、庭園は見所十分でした。円山応挙の絶筆といわれる襖絵やお成りの際に利用される上段の間のさらに上々段のある座敷は、初めてみました。
こうして、由加山をあとにすることになりましたが、私が両寺社を通じ感じたのは次のようなことでした。

今となっては、互いの批判は一切せず、お互いの存在を認めることにしたらどうでしょう
駐車場の使用は、今までどおりで問題ないでしょう
参拝者への過度な誘導及び、境内でのアナウンスはしないことにしたらどうでしょう
ご祈祷は、参拝者の判断に任せ、どこに重きを置いているか、両者の違いを明確にしたらどうでしょう
パンフレットは、共通の境内案内図を作成したらどうでしょう


倉敷市児島を巡る旅 次回その2は、旧野崎家旧宅とジーンズストリートを訪ねます

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