京都京北の「北山杉の里」で、山の仕事などを教わっているミモロ。杉の皮むき作業を体験した後は、いよいよ丸太磨きを教わります。
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そこは、丸太を乾燥、保管し、冬には、「菩提の滝」で採取した砂を使って、丸太の表面を磨く丸太磨きが行われます。
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北山杉の丸太は、表面に美しい凹凸があるのが特徴です。
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そう、細いまるで割り箸のような木を、杉の丸太の周囲に巻き付け、それが凹凸になるのです。
「木は大きくなりたいから、割り箸の隙間を押すようにしながら育つんだ~」とミモロ。
「あれ?こっちは、グルグル巻きの模様・・・」
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「でも、何年もかかる作業だよね~」
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さぁ。丸太磨きを見学しましょ。
「この水槽で磨くの?」
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岩井さんは、「菩提の滝」で採取した細かい砂を丸太の表面につけて、ゴシゴシこすります。
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「ミモロもやりたい~」「はい、どうぞ~」
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「は~い」
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丸太磨きの技法は、その昔、この集落で行倒れた旅の僧侶を村人が助け、そのお礼に教わった技。
京都の北山杉の丸太ならではの技法です。美しい木肌をもつ北山杉の丸太は、茶室をはじめ、数寄屋建築に欠かせない素材として、まさに日本が誇る丸太なのです。
磨き終わった丸太は、水槽で、砂を落として、再び立てかけ乾燥させます。
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「あれ?丸太割れてる~」とビックリするミモロ。
「あれは、割れてるんじゃなくて、わざと溝をつけているんですよ。溝があることで、ほかの割れを防ぎ、また木の動きを抑えることができるんです」と岩井さん。
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さて、周囲の山を見渡すと、山に植われる杉の高さが異なります。
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北山杉の集落は、林業に従事するそれぞれの村人が、山に杉の植林した土地を所有します。でも、ひと山丸ごと、ひとりの人が所有するのではなく、細かく区分され、いろいろ人が一つの山を所有するのだそう。
その理由は、リスクの回避。もし山火事などが起きた場合、ひとつの山を丸ごと所有し、それが全部焼けてしまっては、その人は暮らしてゆけません。また、災害などの被害も、いろいろな場所に杉林を所有することで、やはりリスク回避になるのです。
杉林の高さが違うのは、植林した時期の違い。自分が植林した杉は、孫の代にやっと伐採し、収入になります。つまり、今の作業は、ご先祖さまのお力によるもの。そして、未来のために、杉を育てていくのです。
杉の植林時期を、細かく分散することで、伐採できる林を、絶えず持つことができるようになっているのです。
「林業って、すごく長いタームの仕事なんだね~。それを続けるために、いろいろな工夫が昔からされているんだ」と、いろいろなことを初めて知ったミモロでした。
「こんなに手間をかける林業は、世界でもここだけなんです」と岩井さん。
なんでも海外から林業に携わる人たちが見学に来ると、ここ北山杉の里の作業の細やかさに驚くそう。
手間をかけるからこそ、生まれる上質の木材。その需要は年々減少し、林業そのものの存続が危ぶまれています。
「もっと北山杉を世界に知ってもらえるといいのに~」と思うミモロです。
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