ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の山里、久多に伝わる室町時代からとも言われる夏の神事「花笠踊」

2022-08-25 | 京都

京都左京区の山里久多に伝わる「花笠踊」。国指定重要無形民俗文化財です。8月24日の夜、ミモロは、その祭りへ

「すごく素敵なお祭りなんだって~」と以前、見たことがあるお友達に言われていたミモロは、どうしても見たくなりました。

京都の町中から、車で約1時間。「踊りが始まるの、夜21時頃からだって~」。そこで20時頃出発。大原、途中などを抜けてひたすら北へ進みます。夜ともなると車の姿が少ない国道367号線。カーブの多い道は、ヘッドライトをアップさせないと、先が見えにくい状態です。「バックミラーにもなんにも写ってないよ~」とミモロ。何か写ったら、その方が怖いでしょ!

スピードを抑えめに、窓を開けて、風を車内に入れながら…「あ、虫の声が聞こえる…」と。走行中でも虫の声が聞こえ、秋の訪れを感じます。「気温21度だって~涼しいはずだね~」。町中の暑さとは程遠い快適な気温です。

後ろに車のヘッドライトが見えると、脇に寄って、道を譲ります。国道367号線は、福井に通じるため、帰路を急ぐ福井ナンバーの車もいるので、のんびり走るミモロカーは、道を譲るのがマナーかと…。
国道から久多方面に左折すると、しばらくクネクネした山道が続きます。
「景色なんにも見えないから、いつもより凄く長く感じるね~」とミモロ。そう、山道は、渓流沿いに続き、昼間なら川の姿が美しいのですが、真っ暗な夜。杉林の景色もシルエットです。「狸やキツネさん出てこないかな?」と車窓からキョロキョロ。

夜のドライブを楽しんで、目的地、久多の「志古淵神社」に無事到着です。
すでに境内には、「花笠踊」を見物しようと、人が集まっています。

創建延暦12年(793)と言われる古刹で、この地域の氏神さま。
いつもは、ひっそりとした境内には、盆踊りの櫓が立ち、また本殿には、たくさんの燈明が輝いています。

まずは、参拝…。


「あ、ミモロちゃんいらしたんですね~」と、北山友禅菊の苗植えや稲刈りなどでお世話になっている地域の世話役の常本さん。

「あれ?踊らないんですか?」とミモロ。「はい、今年は裏方で、お世話をしてるんです」と。

「あの~花笠踊のこと、少し教えてください~」
花笠踊は、室町時代に都で流行した風流踊がルーツといわれます。この風流踊は、都人などが、いろいろな衣装を着けて、お囃子や小唄に合わせ、みんなで踊るもの。その趣向を凝らした姿が、当時の人たちを夢中にさせたそう。

その後、風流踊りは、都で廃れ、山里などに残ることに。つまり久多の「花笠踊」は、ここで生まれたのではなく、室町時代の京都の風流踊の姿をとどめる貴重なものになったのでした。

久多では、美しい花の燈籠をもって踊ります。

「わ~きれいな花笠~」と興味津々なミモロ。
この花笠は、久多の集落の男性が作ります。「作るとこ見たいなぁ~」と言っていたミモロですが、「う~残念ながら、作るところは女人禁制。ミモロちゃんは、女の子だからダメ」と。祭りに向けて、それぞれの集落で作られる花笠。
「以前は、男の子が頭にかぶって踊ったんです。でも、少子化で、子供がいなくて、今はおじさんたちが手にもって踊ります」と。

そうこうしているうちに、境内には、次々に集落から花笠が到着。

それをまずは、本殿に供えます。

花笠踊が無事に行われるように祝詞の奏上も。


その後、しばらく休憩があり、その間、女性たちが櫓の周囲で盆踊りを…
21時過ぎにいよいよ踊りが始まりました。


舞殿から神職の方々が見守ります。


踊りは、とてもゆっくりとした動き…立ったり、座ったり、回ったり…。「花笠の中には、ローソクが灯っているのでそれが消えないように激しい動きはありません」と。また、もともと都人の優雅な踊りがルーツなので、その動作も雅さがあるのだとも…。


本殿に向かうように立つのは、踊りの演目の歌を歌う方々です。さまざまなお話を題材にした小唄は100以上もあるそうで、それに合わせて踊りの動きも変わるのだそう。

「あの~どんな内容の歌なんですか?」とミモロ。
「そうですね~どこの家にお嫁さんが来たとか、都でどこの水が美味しいとか、いろいろです」と常本さん。
どうも昔、人々が関心をもっていたトピックスを歌っているようです。

「こんばんは~」とミモロは観客の中に顔みしりを発見。さっそくご挨拶。

「あ、どうもミモロちゃんも来てたんですね」とおっしゃるのは、京都の門川市長。久多自治振興会の河原会長と共に、京都の大切な民俗文化財を見守っていらっしゃいました。京都市では、アフターコロナの観光政策として、伝統工芸や文化へのふれあいや継承の促進などにも力を入れています。
市長自ら、夜遅くまで伝統文化に触れ合っていらっしゃいました。

「花笠踊」は、「久多花笠踊保存会」のみなさんが継承なさっていますが、若手不足が深刻とか。
山里などへの移住も促進している京都市。貴重な伝統が廃れないように願うばかりです。

「わ~もう22時半になってる~」そろそろ眠くなったミモロです。「あの~ここら辺でお暇します」と常本さんに挨拶。

この「花笠踊」は、深夜まで続きます。なんでも昔は明け方までやっていたとか…。


「素敵な時間をありがとうございました」と本殿にお詣りして、久多を後に、夜の国道をひたすら京都の町目指して進みました。

京都の自宅に戻ったのは、23時をかなり回ったころでした。


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