「もう一度、なんか楽器弾けるようになりたいなぁ~」と思い始めているミモロ。
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子供の頃、ピアノやヴァイオリンを習ったり、学生時代、ギターに夢中になった経験をもつ昭和の大人は多いはず。
「また、いつか~楽器やりたいけど、う~前に習ったものじゃないのがいいなぁ~だって、昔より下手になってるの悲しいもの」という思いをミモロのように抱く人もいらっしゃると思います。そんな悶々とした時間を過ごしていたある日、ミモロは、お友達に誘われて比延平のコミュニティセンターで開催された古楽器による発表会に出かけました。
古楽器とは、ルネッサンス・バロックの時代に人々を魅了した楽器で、それが現代の楽器のルーツともいわれます。
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「わ~なんて優しい音色なんだろ!」と、一瞬にして虜になったミモロです。
この発表会は、下鴨にある「月光堂楽器店」で古楽器のレッスンを受けている生徒さんたちの集中練習会の後の発表会。
リュート、チェンバロ、リコーダー、バロックギターやヴァイオリンなどの演奏が次々に…。
「わ~すごい楽器もあるんだ~」と驚くことも…。
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先生と生徒さんたちによる合同演奏も…。
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「なんて素敵…心に沁みるね~」というミモロ。
もちろん以前にも古楽器によるコンサートに行ったことがありますが、年齢を重ねて、その音色の優しさに心が惹きつけられます。
「自然の音みたい…風の中に聞こえてきそう…」というミモロ。「あんな楽器弾けたらいいなぁ~森の中で演奏したい~」と夢が膨らみます。
すっかり古楽器に興味を抱き、さっそく下鴨の「月光堂楽器店」に行ってみることに…
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下鴨本通と北大路通の交差点の南西に位置する「月光堂楽器店」は、戦後すぐに開業。京都の戦後の音楽ファンなら知らない人はいないはず。
「わ~いろんな楽器があるけど、ギターやウクレレなんかの弦楽器が多いみたい…」と店内を見渡すミモロ。
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「いらっしゃいませ~」と店主の加藤さん。比延平からの再会です。
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加藤さんは、この店の3代目店主で、真言宗の法職も務めていらっしゃいます。
「あの~西洋の古楽器とお坊さんって、不思議な組み合わせの気がするんですが…」とストレートな質問をするミモロ。
「はい、そうかもしれませんね~。僕は、音楽にほとんど興味がなかったんです」と。
加藤さんのおじい様は、アメリカ生まれ。戦争が激化する前に、京都の親戚を頼って帰国。戦後、植物園など進駐軍が駐留し、そこに楽器を納める仕事を始められます。それが「月光堂楽器店」の始まり。
昭和40年代、お父様の代になり、日本にはフォークソングブームが到来。京都からも多くのフォークソングが生まれ、若者は、ギターに夢中になります。そこで、「月光堂楽器店」は、ギター専門店となり、多くのギターを販売。
「もっとも父が好きなのは、クラシックギターで、よくクラシックの曲を聞いていました。でも、僕は、音楽には全く興味がなくて、漢文に心惹かれていたんです」と加藤さん。
漢文が学べるということで、選んだのは、龍谷大学。そこで仏教文化にどっぷり。しかし、本などで学んだことでは飽き足らない加藤さんは、体で仏教を感じようと、真言宗のお寺で修行。「そのころ、家族に不幸があり、人間の生と死をいっそう考えるようになりました」と。出家し、法職についていた時に、お父様が病気に…。急遽、店を担うことに…。それまで音楽に興味はないと言いながらも、子供の頃から音楽に包まれた生活をしていた加藤さん。闘病中のお父様に楽器のことなどを教わります。
お父様がご他界なさった後、店を存続させるかどうかを家族で相談。すでにそのころは、ギターブームも去り、今後の経営の見通しも不明に…「でも、ここでやめたら後で悔いが残る気がして…」と、とりあえず店の経営を担うことに。
そんな加藤さんを応援してくれたのは、今までの常連のお客様。また、音楽教室をやっていた生徒さんたちなど。
「当時からリュートの教室があって、古楽器の第一人者と言われる岡本一郎先生がいらしていたんです。その演奏を聞き、すっかりリュートが好きになってしまいました。あそこで先生に出会ってなければ、今、この店はなかったかも…」
その後、バロック音楽や楽器を猛勉強。その奥深さは知れば知るほど心惹かれるものだそう。
「でも、僕は、岡本先生から、音楽の楽しさを教わったことが一番大きかったと思います」と。
店には、リュートが…
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「これ、リュートの楽譜ですが、どこを抑えて、何回弾くかなんかが書かれています」
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「なんか不思議な記号みたい…」とミモロ。「覚えたら、簡単なんですよ」と。
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「むずかしそう…」とちょっと躊躇するミモロですが、「古楽器って、自分なりに弾いて、楽しむ、素朴な楽器でもあるんです」と加藤さん。
では、その魅力を教えていただくことに…。
*「月光堂楽器店」の詳しい情報はホームページで
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