江戸時代から続く日本画用絵具の専門店「上羽絵惣」。250年以上、この土地で商いを営んでいます。
伝統的な岩絵具などのほかに、京人形の白いお顔を塗る胡粉も、このお店では、代々作られているんです。胡粉は、日本画には、欠かせない白い絵具。ホタテ貝の殻を原料にしています。
さて、その胡粉をベースにした斬新な商品が、最近、話題になっている「胡粉ネイル」です。

「爪に塗るなら、マニキュアと同じ?」とミモロ。
「いいえ、マニキュアとは、全く違うんですよ」と、この「胡粉ネイル」を開発した石田結美さん。

「胡粉ネイルは、ホタテの貝殻という天然素材を原料にしていて、マニキュアのようなツンとした匂いも、刺激もないんです。除光液もいらなくて、消毒や除菌用のアルコールで落とせるんです。だから、爪への負担も少ないんですよ」

お店の入口には、「胡粉ネイルお試しできます」の看板も。
「ミモロちゃんもぬってみて…」と石田さん。
胡粉ネイルの色彩は、日本絵具のようなちょっと和風の色彩。色の名前も、珊瑚、紅梅白、藤紫白、藍、鴬緑など、日本の伝統色の名前です。

「えーっと、どの色にしようかな?迷っちゃう…だって、みんなきれいなんだもの…」
ネイルを施したサンプルを見ながら、真剣に悩むミモロです。

「あのーミモロは、赤が大好きだから、臙脂(えんじ)っていうのをお願いします」
落ち着いた感じの赤色です。
「じゃ、そこに座って…はい、お爪見せてくださいね…」と石田さんは、ミモロの小さな爪にやさしく胡粉ネイルを塗ります。

「わーキレイな赤…」爪を見つめながら、ミモロはうれしそう。

「ハイ!できました」

小さなミモロの爪に赤いネイルが輝きます。

「クリスマスのお呼ばれの時に付けて行こう…」
カラーバリエーションもいろいろ。天然エッセンシャルオイルの香りが心地よいアロマシリーズ、キラキラと光る雲母や真珠をイメージさせる雲母シリーズなども。

「これ、除光液なしでアルコールで落とせるってうれしいかも…」
確かに、除光液を使うと、爪が乾燥したり、また黄色くなったりすることも。爪が弱い人にもやさしいネイルです。
「キャーカワイイ、見せて、見せて…」とお店のスタッフも、ミモロのネイルを見て…。

「うわーそんなに誉められると、照れちゃう…」そういいながもまんざらではない表情のミモロです。
伝統の技から、見事に現代のライフスタイルにマッチした新製品を生み出したアイディア、素敵です。いままで日本画の絵具屋さんに足を踏み入れたことがない若い女性たちも、次々にお店にやってくるそう。
「ネイルというコスメの分野は、全く未知の世界で、初めはどこで販売したらいいかよくわからなくて…。だから、昔から取引のある画材屋さんなどに置いてもらったんです。そうしたところ、次第に人気がでて、今では、いろいろなお店に置いて頂けるようになりました」と石田さん。
まさに女性たちのニーズにあった製品で、たちまち人気の品に。
京都でも、いろいろな場所で、この「胡粉ネイル」を見かけます。
これも京都の老舗の底力を感じさせる製品ですね。
ぜひ、一度お試しを…。
*「上羽絵惣」の詳しい情報は、ホームページで…

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