「これなぁに~海藻?食べられるの?」とミモロが見つめるのは、分厚い絨毯のようなもの。
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これは、京都盆地の北にある天然記念物の「深泥池」に行ったときに出会いました。
氷河期以来、さまざまな生物が生息する「深泥池」は、貴重な生物調査の場所です。
この日は、定期的に池の調査をなさっている「深泥池水生生物研究会」の研究者のみなさんや学生さん、保存会などの方々による生態系を乱す外来生物の駆除および植物の間引きなどが行われました。
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池に浮かべたボートで水面を覆う植物を間引きします。
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ボートから水揚げされたのが、この緑の藻のようなもの。
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すごい厚さがあり、まるでネットのように細い茎が絡み合っています。「なんか台所のスポンジみたい…」とミモロ。
「あの~これ何なんですか?」
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「あのね、これはオオバナイトタヌキモという外来の水生植物なんですよ」
なんでもこれは、東南アジアやオーストラリア、アフリカなどに広く分布する食虫植物で、日本には、園芸用に持ち込まれたものと思われています。繁殖力が極めて強く、もともと日本に生息する「イトタヌキモ」と同じ環境に繁殖するため、ここ「深泥池」に昔から生息する小さな「イトタヌキモ」を絶滅危惧種にしてしまったのです。
「あの~このままだとどうなるんですか?」と心配そうにミモロは研究者の先生方に尋ねます。
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「う~今や「深泥池」の広い地域に分布し、さまざまな在来生物を危機に追い込んでいるのです。数年前から大量に繁殖して、ネットのような構造で、水面から厚いところで30センチくらいにもなっているところがあります。そうなると水中の酸素濃度を下げてしまい、微生物が生きられない状態に…つまり他の魚類や昆虫なども生きてゆけなくなってしまうんです」と。
「え~そんな~大変~」と、目を見開くミモロ。
そこでその実態調査を行うとともに、池の生態系を守るために、定期的に間引く作業を行っているそうです。
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池から上げたオオバナイトタヌキモは、多くの水を含み、また他の生物も巻き込んでいたりするので、注意深く見ながら廃棄します。
多くの水分を含んでいるので、廃棄するにも重いので、広げて水分を落とします。
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「でも、こんなにあるのに、なんか他に使えないのかな?」とミモロ。
同じような思いを抱く方は多く、そのおひとりに染織をなさっている方が…
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「草木染のように布を染めています。緑色になりますが、まだいろいろ研究の余地はあるんです」と。
さらに乾燥させて染織の工房に運ぶのだとか。「あ、それで干してたんだ~」
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地球にあるあらゆる資源を有効活用する動きが盛んになっている今、オオバナイトタヌキモもただ廃棄するのではなく、何かに活用できないかと、いろいろな方が考えているのだそう。
この日、池から上げたオオバナイトタヌキモは、しっかり重量を測定。記録されます。
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なんとこの日1日で500㎏以上の量に至りました。
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「でも、まだまだなんです~」と調査に携わる方々。「前にミモロが来た時は、そんなに深刻じゃなかったのに…。急激に繁殖するところも外来種の怖さだね~」とミモロ。
約3時間の作業をしたみなさん。「はい、ミモロちゃんお疲れさま~」と、自家製の赤紫蘇ジュースをいただきました。
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「わ~美味しい~なんか疲れが取れるね~」と、はっきり言って、あんまり作業してない、猫の手のミモロ。
「これからも深泥池の生態系を守るために頑張っていかなくちゃ~」とおっしゃる皆様。
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コロナ禍で、思うような活動もできない時期…でも、自然は待ってくれません。刻々と変わっていく生態系。
それを実感する「深泥池」です。
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夏休み期間中には、水生生物観察会なども行われるそう。
詳しくは、「深泥池水生生物研究会」のホームページでどうぞ
<ブログを見たら 金魚をクリックしてね ミモロより
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