つくば市内の一部の街路樹として植えられており、7月頃から咲いています。中国原産で、学名は「Sophora japonica」、マメ科クララ属の落葉高木です。和名の「槐」は仏教とほぼ同時期に伝来し、もともと中国名「槐樹」をそのまま当てたものと言われます。中国では、学問と権威の象徴、出世の樹として大切にされているものと記述されていました。枝の先に小さなマメ科独特の蝶の形をした花が房のようになっています。この樹の下の街路には散った花が白く雪のように積もっています。エンジュは古来薬用としても使われており、蕾を乾燥させた「槐花 (かいか)」が漢方として止血剤になっているようです。また、花は甘い香りを放ち、蜜を持つことから、蜂などが多く集まってきます。写真は8月15日につくば市内で撮影しました。
近くの大学の構内で珍しい白い花が高い木に咲いていました。始めて見る花でしたが、幸いに銘板が貼ってあり確認すると、「シマサルスベリ」でした。銘板によれば、学名は「Lagerstroemia subcostata Koehne」で、沖縄、台湾などに分布するミソハギ科サルスベリ属の落葉高木です。関東地方で真夏にあちこちで咲いているサルスベリとはやや趣きが異なり、花は枝の先端に付く円錐花序に小さな花が数多くついています。そしてサルスベリ独特のひだのある花弁ではないので、銘板がなければサルスベリの仲間だとは気付かないほどです。ただ幹は皮が落ちてつるつるですから、やはりサルスベリの仲間だと理解できました。葉は普通のサルスベリよりも一回り大きく楕円形をしています。花は6月頃から8月頃まで咲くようです。写真は8月15日、近くの大学(農学部)の構内で撮影しました。既に花が終わっているものもありました。風に吹かれてゆさゆさと白い花が波打つ姿はなんとなく優雅で、暑い夏に涼しさを運んでくれているような気がします。