去年の末から、相方は、風邪気味。
会社自体の経営が、行き詰まり、業務売却が決まったので、自分の統括部署の残務処理に追われていて、休む間もなかったようで、いつもなら、1週間以内に、終息するハズの風邪も、ついに2週間目に突入した。
『風邪が治らないのだから、なんで、寒い那須へ行くのよ?』
『冬の那須連山は、とても綺麗ですよ?』
那須連山は、真っ白・・・というわけではなくて、頂上に雪はあったけれど、2/3以上は、まだ山肌に覆われて冬枯れの景色だった。
私は、県北の冬枯れの風景が大好きだ。
お目当ての山林の中にあるカフェに行き、そのあと、黒磯、那須塩原の街中をドライブして、那珂川の河川敷の川の駅という場所で、一休み。
川べりに、車を止めると、冬の暖かい日差しが、降り注いで、清流のせせらぎが、サラサラと音を立てている。
まったり、ゆっくりな金曜日の午後だ。
車の中は、温室状態で、ポカポカして、眠くなる。
『今日は、特別暖かいねぇ。』
川べりには、綺麗な姿の五位鷺。
すらりとしたフォルムが美しい鳥だ。
世界はこんなに静かで、綺麗なのに・・・。
どうして、この静けさを堪能できないでいるのだろう。
今はとても静かだけれど・・・。
この周辺は・・・(というより、私達を取り巻くこの世界には)、音もなく、ひっそりと、あの怪物と化した福島第一原発から放出されるセシウムやヨウ素やストロンチウムが、降り注いでいる。
そして、未だに、海に流されていることを、みんな気が付かないフリをしている。気が付かないフリをしないと成り立たないようだ。
那須などは、原発の至近距離。
そんな冬の一日。