鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

テレビ・ドラマの国から④~大使閣下の料理人

2015-01-26 22:52:11 | Weblog

曇りがちでも、暖かな週明け。


お正月にオン・エアされたドラマを今頃見ている。

料理が、テーマのドラマ(或いは小説)は、過去、TBSで、放送された『天皇の料理番(杉本久英・著)』が、ハシリかもしれない。初回は、堺正章さん、檀ふみさんが主演だったと思う。
小説も面白かったけれど、ドラマも良かった。

食をテーマにしたドラマが、ひとつのジャンルとして、成り立つのは、やはり、国民が、『食』に対して、食べられるものから、美味しいものを望む過程で、成立するものなのだろう。
日本人が、三食きちんと食べられる時代になって、半世紀くらい?経つのだろうか。確かに、食糧自体、不足している・・・という事態は、無くなった。
賞味期限切れで、捨てられる食材の多さにも、驚かされるし、海外の工場で、製造した食品の中に、信じられないようなモノが混入した・・・というニュースもまだ、記憶に新しいし、着色料として普通に使われている物質の原料は、『虫』だったり・・・。
何を食べさせられているのか、ほとんど分からないのが、現在、流通している加工食品と言えなくもないだろう。
そこには、利益ばかりを追求し、ヒトの健康が損なわれようが、死に至ろうが、関係ない巨大な力が働いている。
それに、黒蟻のように群がる政治家、官僚、企業家、財閥?・・・恐ろしい世の中になったもんだ・・・。

料理ドラマの後継は、『美味しんぼ』に続くけれど、かの作品も、原発という風評被害をテーマにしたら、即、掲載中止の圧力?が、かかったようで、触れられたくないテーマに関しては、一貫して、フタをして、見て見ぬふり、知っているのに、知らないフリ、認めなければならないのに、認めない・・・そんなおかしな風潮がみてとれる。

却説(さて)・・・。
何だか、随分と話が、脱線してしまった(まぁ、いつものことではあるけれど)。

今日のお題は、『大使閣下の料理人』。

このドラマ(或いは漫画)の原作者は、過去に、公邸料理人を務める生粋の料理人出身ということを知った。
西村ミツル氏・・・そのひとである。かの『信長のシェフ』も彼の作品であった。

第二次大戦後、フランスの支配下だったベトナムが舞台。ベトナム戦争を挟んで、アメリカ支配からついに独立を勝ち取った国での食が、今回のドラマのテーマ。

風土・国益・・・外交官には、それらの違いを理解して、いかに、他国との友好を深めるか、平和に貢献できるか・・・それが、外交官としての使命なのだろう。
それを料理という緩衝材で、円滑に進めるのが、公邸料理人の仕事ということだ。

様々な外交事件を背景に、料理を武器に、難局を乗り切っていく公邸料理人と外交官の物語。

公邸料理人に桜井翔さん、在ベトナム大使に西田敏行さん。
温和な二人だけれど、その戦略に満ちた大使の食卓で、拒絶から、交渉のテーブルに着かせるまでを演出する。
外交の成立は、最後には、やはり、人の情なのだろうか・・・?

何で出来ているかさえ分からない食物を、口にせざるを得ない日本の庶民には、最も遠い世界のような気がしてならない。

余談だけれど、剛力彩芽ちゃんのアオザイ姿は可愛い。