再び井戸掘りに出かけた。半田の町の真ん中だ。丘陵地によくある赤い土と小石と砂の地層のようだ。7メートル掘ったが水量は少ない。午後3時、もう少し掘るに時間が足りない。ご主人とおカミさんに「見てもらった程度の水しか出ない。もう少し掘ればいいのかもしれないけれど、今日は時間がありません。もう少し掘っても出ないかもしれないが、どうしましょうか」と尋ねてみた。すると、おカミさんが「私は初め乗り気ではなかったの。でも、皆さんの作業を見ていたら、どうしても水が出て欲しいと思えてならないの」と言う。
「皆さん、仲がいいのね」とも言われる。「冗談もよく言われて、本当に楽しんで仕事をされているんですね」。仲がいいことは確かであるし、いい人ばかりが集まっていることもその通りだ。冗談ばかり言い合っているのは、こういう肉体労働では馬鹿馬鹿しいことを言って、笑っていなければやっていられないからだ。事務系の仕事なら、こんなに冗談ばかり言い合っていたら、そのうちに雷が落ちてくるだろう。幸いにも、私たちがやっている井戸掘りは全くの肉体労働で、しかもチームワークで仕事をしているから、仲間の輪が一番大事だ。
それでも私たちは、自称ながら良識派であるから、仕事をしながらでも酒を飲みながらでも、政治の話をする。結構、政治の話が好きなお年寄りグループでもある。普天間の基地問題でも、「鳩山はダメだ」「あれは自分では決断できんのではないか」「小沢もいい加減な奴だが、鳩山は長く持たないと考えているはずだ」などなど、言いたい放題である。そうかと思えば、「中国も一人っ子政策で、少子化問題が起きている。北京や上海は日本以上に高齢化社会になっている」と言う。いったいどこでそんな情報を仕入れてきているのだろう。今は私たちと一緒に井戸掘りなどしているけれど、本当の彼は国の諜報員かCIAではないかと考えてしまう。
するとまた、知識の豊富な男が「地球は50億人が暮らせるのがマックスなんだ。ところがこのままでは2050年には世界の人口は(何億とか言っていたけれど、私にはよくわからなかった)‥。1組のカップルで子ども1人というのはベストなのだ(?)」とおっしゃる。地球の環境は、たとえば何周期かで氷河期が来たり、あるいは生き物の世界に見られるように、ある種の生き物が増えて頂点に達した時には絶滅したり激減したり、そんなことが繰り返されて調和してきた。ところが人間だけがこれを突破しようとしている。本当に人間だけがこの自然の法則を乗り越えることができるのだろうか。
ちょろちょろとしか水が出なかったので、「おい、誰のションベンだ。もう子どもをつくる元気もないか。これじゃー、おカミさんは納得されんぞ」などと下衆な言葉も飛び出していたが、やはりおカミさんは「もう一度挑戦して欲しい」と言われる。みんなはもう子どもをつくれる精力はないかも知れないが、再度やってみようという気力は失っていなかったようで、「もう一度やってみるか!」ということになった。
「皆さん、仲がいいのね」とも言われる。「冗談もよく言われて、本当に楽しんで仕事をされているんですね」。仲がいいことは確かであるし、いい人ばかりが集まっていることもその通りだ。冗談ばかり言い合っているのは、こういう肉体労働では馬鹿馬鹿しいことを言って、笑っていなければやっていられないからだ。事務系の仕事なら、こんなに冗談ばかり言い合っていたら、そのうちに雷が落ちてくるだろう。幸いにも、私たちがやっている井戸掘りは全くの肉体労働で、しかもチームワークで仕事をしているから、仲間の輪が一番大事だ。
それでも私たちは、自称ながら良識派であるから、仕事をしながらでも酒を飲みながらでも、政治の話をする。結構、政治の話が好きなお年寄りグループでもある。普天間の基地問題でも、「鳩山はダメだ」「あれは自分では決断できんのではないか」「小沢もいい加減な奴だが、鳩山は長く持たないと考えているはずだ」などなど、言いたい放題である。そうかと思えば、「中国も一人っ子政策で、少子化問題が起きている。北京や上海は日本以上に高齢化社会になっている」と言う。いったいどこでそんな情報を仕入れてきているのだろう。今は私たちと一緒に井戸掘りなどしているけれど、本当の彼は国の諜報員かCIAではないかと考えてしまう。
するとまた、知識の豊富な男が「地球は50億人が暮らせるのがマックスなんだ。ところがこのままでは2050年には世界の人口は(何億とか言っていたけれど、私にはよくわからなかった)‥。1組のカップルで子ども1人というのはベストなのだ(?)」とおっしゃる。地球の環境は、たとえば何周期かで氷河期が来たり、あるいは生き物の世界に見られるように、ある種の生き物が増えて頂点に達した時には絶滅したり激減したり、そんなことが繰り返されて調和してきた。ところが人間だけがこれを突破しようとしている。本当に人間だけがこの自然の法則を乗り越えることができるのだろうか。
ちょろちょろとしか水が出なかったので、「おい、誰のションベンだ。もう子どもをつくる元気もないか。これじゃー、おカミさんは納得されんぞ」などと下衆な言葉も飛び出していたが、やはりおカミさんは「もう一度挑戦して欲しい」と言われる。みんなはもう子どもをつくれる精力はないかも知れないが、再度やってみようという気力は失っていなかったようで、「もう一度やってみるか!」ということになった。