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友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

税収に合わせればいいのではないか

2009年11月26日 20時55分22秒 | Weblog
 昨夜のテレビニュースでも、今朝の新聞でも、「日本の頭脳」が怒っていた。事業仕分けで科学技術関連の予算に対して厳しい判定が出たことで、ノーベル賞受賞者の皆さんが怒りの声を上げたのだ。次世代スーパーコンピューターで世界一を目指すとの官僚の説明に、民主党の蓮舫議員が「世界一でなくてはダメなのですか?2位とか3位ではどうしていけないのですか?」と切り込んでいたことを思い出す。「日本の頭脳」は「世界一を目指してもおそらくなれないが、そういう意気込みでやらないと、2位3位にもなれない」(利根川進氏)。

 野依良治氏は科学技術関係予算の国際比較の数字を示して、「中国や韓国だけでなく、欧米との格差が広がる一方で、これでは全く戦えない」と訴えていたし、「次世代スパコンは開発した国から買ってくればいいという人がいるが、不見識だ。それではその国に隷属することになる」とも言っていた。科学者たちやその団体は、「研究・開発が遅れれば、取り返しの付かない事態になる」「将来に禍根を残すことのないようにすべきだ」「国家の存亡にかかわる」と、強い口調で予算の削減に反対していた。

 誰でも自分の関係する予算が削られれば面白くない。それは道路建設だって、文化活動だって、福祉や医療だってみんな同じことだ。「いや、違う。国の存亡にかかわる」「将来に禍根を残す」と、どの事業だって言えるはずであるし、言えないような事業なら予算など組まれるはずもない。事業仕分けは余りにも拙速すぎると批判がある。批判があることと事業仕分けを公開で行なっていることの意義を考えるなら、私はこの手法は大切だと思っている。論議の材料やかける時間や進行方法や諸々の問題は手直しすればよいけれど、「やめてしまえ!」ということにならないようにしなくてはいけないと思う。

 今、日本の税収は40兆円ほどしかない。それなのに100兆円もの事業の予算が上がっている。削る以外にないのではないか。自分の家のやりくりとして予算を考えてみればいい。40万円しか収入はないのだ。それなのに家族全員の希望を実現しようとすると100万円もかかってしまう。そこで堅実な人ならば、支出も40万円にするだろう。まず、どうしても必要な家賃や水光熱費や授業料を差し引き、食料費や衣服費はいくらかでも抑えようと考えるはずだ。趣味や娯楽にかかわる費用はとりあえず0円にするだろう。それでもこの家庭は40万円も収入があるからまだよい方だ。これが20万円しかないのであれば、もっとギリギリの生活になるだろう。

 「日本の頭脳」も予算の配分にばかり目がいっているけれど、収入がなければ支出を抑えなくてはならないのだから、国の予算を根本から考えて欲しいと思う。道路建設やダム建設を止め、それでもまだ足りないのであれば、科学技術関連予算での優先順位を示して欲しいと思う。人件費についての踏み込んだ議論はないけれど、国会議員や高級官僚、すべての地方の首長や議員の人件費を30%以上カットしても、これらの人たちは生活に困ることはないはずだ。また全ても公務員の手取り賃金を10%カットしても生活に支障はないだろう。人件費の削減こそが予算審議のカギではないだろうか。まず、襟を正すべき人から手本を示すべきだろう。
コメント (3)
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