友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

相手の意図が見えてしまう

2013年12月13日 19時02分37秒 | Weblog

 言葉で思いを伝えることは難しい。何でもない日常会話の中でも、発する側と受ける側の意識のズレがあればかみ合わない。恋愛ドラマで、「愛している」というセリフがよく出てくるが、相手の女性は言葉だけでは満足できないのか、言葉に空しさを敏感に感じ取っているのか、受け入れがたい仕草をする時がある。男性の誠実さをどこかで計っているのか、動物的なカンが働くのか、何がそうさせるのか分からないが相手の意図を見抜く。これは女性と男性が入れ替わっても同じことがいえる。

 政府は今日、機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法を公布した。国会が閉会した後の記者会見で安倍首相は、「国民の皆さんの疑念や不安に丁寧に説明していく」と話していた。国会答弁でも常に、「丁寧に説明していく」と述べていたが、その中身は結局よく分からないままだ。「国には重大な秘密があり、これは絶対に守らなくてはならない」と何度も言うけれど、秘密とは何か、漏えいとは何を意味するのか、具体的には「秘密」のままだった。具体的なものは、外務・防衛両省を中心メンバーとする『保全監視委員会』を設置して秘密の指定や解除を監視するとか、秘密を扱える人物かどうかを調査する『情報保全諮問会議』を設けるとか、いくつかの組織を政府の中に作るということだ。

 同じ仲間の者同士で、監視・監督しても、事が起きれば互いを庇い合うか、責任を押し付けあうか、いずれにしても国民は蚊帳の外だろう。いや、軍事オタクの自民党の石破幹事長が「情報を漏らした報道は厳罰される」趣旨の発言をしていたから、いつどこで厳罰を受ける側に回されるか分からない。赤信号は渡ってはいけないということが分かる。けれど、秘密が何か分からなければ、法を作った側の解釈でどんなにでもなる。石破さんはよく「国益を損なう」と口にするが、国益こそ考え方で違う。

 戦争に反対することは国民の利益になると考える人もいる。けれど、政府が戦争をするこことは国益だと主張すれば、反対する人は「国益に反する」と弾劾されるだろう。結局、特定秘密保護法は政府のための法であり、法の名のもとにどんな風にでも解釈できる法といえる。何度も「原発は安全」と説明されても、「特定秘密保護法は国民に不安を与えない」と言われても、相手の狙いが見えてしまう。要は言葉ではない誠意なのだろう。

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