友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

欲しがらなければ不満も無いが‥

2019年11月26日 17時15分34秒 | Weblog

 知り合いの女性が、「生まれ変わることが出来たら、今度こそ愛してくれる人と出会いたい」と言う。私が怪訝な顔をしたのか、「もちろん、両親は愛してくれたけど、夫も息子も愛してくれなかった」と断言する。彼女は別居生活をしているが、離婚したのだろうか。

 どうして別居になってしまったのかは知らないが、どんなに長く生活を共にしてきた夫婦でも相手に不満の無い人はいないだろう。気に入らないことがあっても、「お互い様」と目を瞑って暮らしてきたから長く続いていると思う。妥協のない完璧な夫婦がいるのだろうか。

 「あのさ、愛することのできない人は、愛されていることが分からないと言うよ」と、私がどこかの小説の中の言葉を伝えると、「その小説家の人は、本当に愛したことが無いからですよ。私はいつも片思いで、愛してばっかし」と開き直る。

 「だから、うまくいかなかったのではないの」と言いたくなるのをこらえて、「愛してくれる王子様に出会えるといいね」と世辞を言う。不満の多い人はいつも満たされない。欲しがらなければ不満も感じないのに。でも、人は幾つになっても欲しがることから逃れられない。

 もう先が長くないのに、最後の恋を夢見ている人もいる。エレベーターの前で先輩に出会ったが元気がない。「ちょっと歩くだけで、心臓がしんどい。まあ、それでコロリと逝ってくれればいいが」と零す。「みんな一緒ですよ。くよくよせずに前向いていきましょう」と励ますが、五十歩百歩であることに間違いはない。

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