「最近のテレビは面白くない」と年寄りは言う。カミさんは朝早くからBSで『おしん』の再放送を見ている。私もつられて見ているが、昭和10年代に格子のシャツを着た子どもはいないのにと、時代考証が出来ていないことが気になる。朝のドラマ『スカーレット』も昭和30年代だが、みんないいものを着ている。
リアルに描きたいのならトコトン拘って欲しい。ストーリーの面白さで受ければいいのであれば、私には向かないドラマだ。今朝の朝日新聞に、「医療ドラマ好きですか?」という特集があった。1位は米倉涼子主演の『ドクターX』だった。私も毎週見ているから納得である。「臨場感がある」「最新の医療技術、治療法や処置法が分かる」という。
手術の場面はかなり工夫しているようだ。医療関係者からアドバイスも受けて再現しているとどこかに書いてあった。しかし、医療の現場の人からは「現実とかけ離れている」「医学的な間違いやリアリティーがない」という指摘もある。主人公の大門未知子の決まり文句「私、失敗しないので」は、水戸黄門ドラマと同じという意見もあった。
大門未知子は群れを嫌う一匹オオカミで、どんな難解な手術も成功させてしまう。謎の多い事件を見事に解決していく刑事ドラマと一緒だ。しかも、大門未知子は権力に屈せず、お金のための手術ではない。ただ、手術が好きなのだ。しかし、手術の後にマネジャーが2千万円とか3千万円の請求書を医院長のところに持ってくる。
もの凄い金持ちのはずなのに、いつもピーピーしているところも不思議だ。おそらく、彼女が大金持ちになってしまっていたら、視聴者は「なんだ」と落胆するだろう。さて、今晩は知り合いが出演するバレエを見て、その後食事をする予定。この結婚記念日は贅沢なのか貧相なのか。