風も無く温かな日だった。朝からルーフバルコニーに出た。鉢の土を入れ替える作業が一番大事と分かっているが、花でいっぱいにしようという気力が無い。さて、何をしよか、そう思いながらしばらくぼんやりしていた。鉢の土を入れ替えるためには、新しい土作りをしなくてはならないが、そのための肥料が無い。
昨年の秋、植わっていた草花を抜いたものの、出来るだけ花を少なくしようと思い、新しい土作りのための肥料を買わなかった。チューリップも毎年300球は購入するのに、昨年の球根200球をそのまま植え込んだ。パンジーなどの春の花を植えるつもりの鉢が30個ある。「手頃の大きさの鉢なら貰い手がある」と言われている鉢もまだ4個ある。
何時までも無気力でいても仕方がないので、何をしようかと肥料などが入れてあるプラスチックの箱を空けた。昨年に残った牛糞が少しとバラの肥料が少々あった。バラの鉢の土の入れ替えは大変だが、2鉢分くらいの肥料があるので、「やりなさいという縁」なのだろうと勝手に解釈して取り掛かった。
久しぶりの作業なので、腰が痛い。植え終わったら、剪定もしてやろう。そんなことを考えながら作業していると、近くの小学校から子どもたちの声が聞こえてくる。先生の声は聞き覚えがある。放課後子ども教室で一緒だった人だ。彼女の子どもはこの春から高校生だが、中学校の卒業式はどうなったのだろう。
新型コロナウイルスは「パンデミック(世界的大流行)」にあるとWHOは分析する。私は子どもたちの元気な声を聞きながら、腰を伸ばして背伸びをする。全身が痛い。歳だなあー。