エレベーターの中に蚊が3匹いた。人の身体に止まって入り込み、上下に容易く移動しているようだ。地上30メートルはある高層部にも蚊がいるのは、こうした移動手段を巧みに使っているからだろう。叩かれそうになると、サッと手の届かないところに逃げていき、ドアが閉まる前にいなくなる。
ゴキブリも排気口を利用して、あちらこちらに出没する。夏にルーフバルコニーでビアパーティをしていたら、ゴキブリが排気口から出てきたことがあった。どこへ行ってしまったのか分からないイモリも、きっと知恵を働かせて生き延びていることだろう。
夜中に耳元でブーンと蚊の翅の音がした。いよいよ嫌いな蚊のシーズンがやってくる。活動出来る気温になったのだが、冬の間、どこに隠れていたのだろう。人間よりも虫の方が賢いのかも知れない。人間よりも先に地球に誕生し、長く長く生き残ってきたのだから。
菌やウイルスなどは更に長く生き延びてきた。友だちが、「ワクチンを先に造っておいて、ウイルスをばらまいたという説もある」と教えてくれた。「そうなると人間は人間を食い物にしていることになる」と問うと、「利益のためにはそれくらいはするさ。歴史はいつもそんな繰り返しだった」と言う。
賢いはずの人間は、虫や菌やウイルスよりも始末が悪いのか。「ワクチンを打たないと非国民扱いにする世論は、どうしてもそこに導きたいからだ。世界中で利権争いをしているのさ」とまで言う。人間ほど恐ろしいものはいない。