雨の一日。風は思ったほどでは無かったが、外に出ることは出来ず、県に提出するNPOの書類を準備する。もうそろそろNPOを解散してもよいと思うけど、先輩は「やれなくなった時でいい」と言う。せっかく咲きかけたバラが痛んでしまうのは気の毒だったので、小雨になった時に切ってきてガラス瓶に挿した。
今日は祝日の「昭和の日」である。この呼称に、三島由紀夫ならどう思ったのだろう。『三島由紀夫と森田必勝』を読み終えた。個人に徹する作家と思っていたが、三島は「人命よりも価値があるもの、人間の命よりももっと尊いものがあるという理念を国家の中に内包しなければ国家たり得ないからであります」(317ページ)と、考える人だった。
「我々は天皇というものを持っている。(略)人命尊重以上の価値としての天皇の伝統」と述べ、「魂の無い所に武器はない」と主張、「防衛問題のキーポイントは、魂と武器とを結合させることにあります」。しかるに自衛隊は武士道を忘れ、官僚化してしまった。自衛隊に武士の魂を持った隊員はともに決起しようと呼びかけたが、呼応する者はなく、割腹して「武士の魂」を示した。
三島の後を追って、切腹した森田はどうしてそんな行動が出来たのだろう。森田が三島を追い込んだと言う人もいるが、敬愛が過ぎて心酔したのだろう。三島は過激派の学生が「命を懸けてデモをしていない」と、嘆いていた。私もデモに参加したことはあるが、単なる意思表示であって、デモで事態が変わると思ったことは無かった。国民が変わっていけば、国も変わっていく。