「今週の土曜日に『音楽療法の集い』があるので、その準備に追われていて、今年の『チューリップを観る会』には残念ながら参加できません。もし、都合がよければ集いにおいでになりませんか」と友だちがメールをくれた。どんなことをするのだろうと思いながら出かけてみた。クリスチャンの彼女らしく、初めは賛美歌に合わせて首の、そして腕を回す運動へと続く。「口を大きく開けて、パ、タ、カ、ラと言ってみましょう。次はラテンのリズムに合わせて歌いましょう」。
音楽療法とは「音楽を聴く、歌う、楽器を鳴らす、身体を動かすことで、心身を刺激、活性化することにより、健康の維持増進を図り、生活をより楽しく、心豊かにする音の利用法」という。今日は花のシリーズということで、『おぼろ月夜』『ミカンの花の咲く丘』『バラが咲いた』『隅田川』などを全員で歌った。また、シンバル・しゃもじ・マラカスの3班に分かれてモーツワルトの曲を合奏した。彼女の心地よいおしゃべりもあって、あっという間に過ぎてしまった。
身体を動かす体操も、口を動かす運動も、私には懐かしかった。教え子に頼まれて通った介護施設のことが思い出される。私を「将校さんだったですよね」と言う女性がいたり、Hな話になると元気になる男性がいたり、話をしているとその人の人生を知ることができる。誰もが一生懸命に生きてきて、幸せだった人も、大変な苦労を重ねてきた人も、歳を取れば大差はないように思った。今日の集いには80人ほどが来ていたけれど、歌ったり奏でたり聴いたりすることは人を幸せにするようで、皆さんニコニコしていた。
人は食べることや欲しいものを手に入れることに幸せを感じる。そしてまた、人は抱き合えることが一番の幸せなのだろうけれど、それはきっと心が触れ合うからだろう。物資的な喜びとともに精神的な喜びを求める欲深さが、人間の人間としての存在なのだろう。暑いくらいの日差しの中で花たちを眺め、心地よい音を聴き、さらに今晩は孫娘ふたりが来るという。ありがたいことだと思う。
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