清水寺の貫主が大筆で書いた今年の漢字は「金」だった。もうすっかり忘れていたが、今年は東京オリンピックが開催され、日本人選手が大活躍して多くの金メダルを獲得したから、「金」になったのだろう。
「金」よりも「禍」の方がよく目にしたが、「禍」ではこの先に希望が持てないということなのか。けれど、決して「コロナ禍」の影響とばかり言えないと思うが、暗いニュースが多い。電車の中での殺人事件にはじまった、「誰でもよかった」殺人とはいったい何なのかと思う。
奈良県橿原市の百貨店の屋上から、下の通行人をめがけてコンクリートブロックを投げ落とす事件や、名古屋市の商業施設で入り口のドアやガラスを棒で叩き破損させた事件は、いずれも働き盛りである35歳と37歳の男性だった。
仙台のスーパーで、高齢の男性に切りつけた殺人未遂の清掃作業員の女性は39歳、茨城県の介護老人施設で入所者の血管に空気を注入したと疑われている元介護職員の女性は35歳、障がいのある我が子を絞殺した母親もいた。
たとえ事実だとしても、それぞれに理由があり軽々しいことは言うべきではないが、それにしてもどうしてこんなに不可解な事件が多いのだろう。コロナ禍で家に籠りっきりの生活は確かに気が滅入るが、それで他人を傷つけるまでに自分を追い込んでしまうのだろうか。
人との接点が小さいほど、あるいは少ないほど、人を恨んだりすることは無いように思うけど、人との間にしか「愛」は存在しない。人と人との関係は、これからどうなっていくのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます