本日、菅内閣が発足しました。市民運動出身の菅総理大臣のもと、自民党所属経験がない党役員人事と、小沢さん色を極力排した閣僚人事は、支持率が20%まで下がった鳩山政権と比べると、格段に好感され、支持率を60%台まで回復しました。民主党内の小沢さんに近い筋からは、選挙対策内閣とのやっかみの声が聞こえて来ますが、同じ党にいながら全く見苦しい発言です。先ずは無難な船出を祝福したいと思います。
今日の菅総理大臣の決意表明のニュースを見ていると、「奇兵隊内閣」と並んで、「最小不幸の社会」をキャッチフレーズの一つとされました。その心は、政治の役割は、例えば貧困や戦争のような、人々を不幸にする要素を少なくすることだと明言する辺りは、ちょっと期待させます。やはり、今の日本で、鳩山さんのように妙に張り切らない方が良いですし、私たち国民も政治に期待し過ぎない方が良い。
菅総理大臣と言えば、これまで普天間基地移設問題について直接的に、あるいは外交や安全保障問題に関して間接的に、とんと発言されたのを聞いた記憶がなく、一体どんな主張を持っているのかよく分かりませんでした。それもあってか、6月4日の民主党代表選の立候補演説では、敢えて大学時代の恩師・永井陽之助さんの代表作「平和の代償」を引き合いに出し、永井さんに倣って軽武装・経済重視の現実主義的な立場を取ることを暗に伝えたかったように見えます。永井さんと言えば、私が学生時代に私淑した高坂教授と並び、日米安保反対の左派・進歩的知識人が主流の当時にあって、日本が平和を維持し経済成長を遂げるためには、日米安保を是とするほかない右よりの少数意見を主張されたことで有名です。惜しむらくは、当該書籍は1967年出版と、ちょっと古過ぎて、最近は余り勉強していないことを暴露したようなものだったことでしょうか。そうは言っても、駐留なき安保を信条としながら封印し、方向は間違っていなくても現実離れしていた鳩山さんとは違って、安心して見ていられる堅実さを見て取れることは間違いなさそうです。
また、民主党と言えば、労働組合を中心とする特定集団を支持基盤とするところに、誰もが不安を感じていることと思います。民主党が「国民の皆さん」と叫ぶほどには国民全てを利するわけではなく、概して手続きの透明性や結果の公平感も確保されているとは思えません。派遣法改正はその典型例と言えましょう。また、例えが悪く不謹慎であることを承知の上で言いますが、宮崎県の口蹄疫被害に関連して、子供が大学に行く学資を支払えないと不安を訴える農家の気持ちは分かりますし、それに対して政府が何がしかの支援をすることに反対するつもりはありませんが、冷たい言い方をすれば、口蹄疫問題と言えどもビジネス・リスクの一つであって、サラリーマンの私としては、リストラされるサラリーマンと変わるところはないのではないかと言いたくなります。勿論、被害を拡大させないために、口蹄疫被害がないところでも強制的に殺処分させた政治判断を受け入れたことに対して補償する必要がありますが、一体、政府はどこまで支援しようとしているのか、どうしても信用し切れないところがあるのを、私自身は禁じ得ません。
いずれにせよ、民度以上の政治はあり得ません。国民のレベル以上の政治家が出てくることを期待するのは無理筋と言うものです。とりわけ失われた20年の責任は、政治と言うより、変革を遂げられなかった我々自身、とりわけ経済人に帰すべきところ大と考えます。菅政権には、スタンド・プレイやパフォーマンスなど選挙対策としか思えないような前面に出ることは控えてもらって、経済主体や国民一人ひとりが菅ならぬ官に頼ることなく、生き生きと主体性を発揮でき、自立出来るような仕組みを、是非とも考えて頂きたいと思います。
今日の菅総理大臣の決意表明のニュースを見ていると、「奇兵隊内閣」と並んで、「最小不幸の社会」をキャッチフレーズの一つとされました。その心は、政治の役割は、例えば貧困や戦争のような、人々を不幸にする要素を少なくすることだと明言する辺りは、ちょっと期待させます。やはり、今の日本で、鳩山さんのように妙に張り切らない方が良いですし、私たち国民も政治に期待し過ぎない方が良い。
菅総理大臣と言えば、これまで普天間基地移設問題について直接的に、あるいは外交や安全保障問題に関して間接的に、とんと発言されたのを聞いた記憶がなく、一体どんな主張を持っているのかよく分かりませんでした。それもあってか、6月4日の民主党代表選の立候補演説では、敢えて大学時代の恩師・永井陽之助さんの代表作「平和の代償」を引き合いに出し、永井さんに倣って軽武装・経済重視の現実主義的な立場を取ることを暗に伝えたかったように見えます。永井さんと言えば、私が学生時代に私淑した高坂教授と並び、日米安保反対の左派・進歩的知識人が主流の当時にあって、日本が平和を維持し経済成長を遂げるためには、日米安保を是とするほかない右よりの少数意見を主張されたことで有名です。惜しむらくは、当該書籍は1967年出版と、ちょっと古過ぎて、最近は余り勉強していないことを暴露したようなものだったことでしょうか。そうは言っても、駐留なき安保を信条としながら封印し、方向は間違っていなくても現実離れしていた鳩山さんとは違って、安心して見ていられる堅実さを見て取れることは間違いなさそうです。
また、民主党と言えば、労働組合を中心とする特定集団を支持基盤とするところに、誰もが不安を感じていることと思います。民主党が「国民の皆さん」と叫ぶほどには国民全てを利するわけではなく、概して手続きの透明性や結果の公平感も確保されているとは思えません。派遣法改正はその典型例と言えましょう。また、例えが悪く不謹慎であることを承知の上で言いますが、宮崎県の口蹄疫被害に関連して、子供が大学に行く学資を支払えないと不安を訴える農家の気持ちは分かりますし、それに対して政府が何がしかの支援をすることに反対するつもりはありませんが、冷たい言い方をすれば、口蹄疫問題と言えどもビジネス・リスクの一つであって、サラリーマンの私としては、リストラされるサラリーマンと変わるところはないのではないかと言いたくなります。勿論、被害を拡大させないために、口蹄疫被害がないところでも強制的に殺処分させた政治判断を受け入れたことに対して補償する必要がありますが、一体、政府はどこまで支援しようとしているのか、どうしても信用し切れないところがあるのを、私自身は禁じ得ません。
いずれにせよ、民度以上の政治はあり得ません。国民のレベル以上の政治家が出てくることを期待するのは無理筋と言うものです。とりわけ失われた20年の責任は、政治と言うより、変革を遂げられなかった我々自身、とりわけ経済人に帰すべきところ大と考えます。菅政権には、スタンド・プレイやパフォーマンスなど選挙対策としか思えないような前面に出ることは控えてもらって、経済主体や国民一人ひとりが菅ならぬ官に頼ることなく、生き生きと主体性を発揮でき、自立出来るような仕組みを、是非とも考えて頂きたいと思います。