先週の日曜日から昨日までアメリカに出張していました。ちょうど一年前に初めてダラスの地を踏み、今回もまたダラスを久しぶりに訪れました。もっとも、現地オフィスは空港に近いため、自らレンタカーを運転することなく、ホテル・リムジンとタクシーを使った不自由な生活で・・・。
そう、アメリカと日本(と言っても大都市圏のことになりますが)で違うことは勿論いろいろありますが、その内の一つは、自ら車を運転して移動するアメリカと、公共交通機関に頼って生活する日本との違い、これは単に交通手段の違いに留まらず、その心性にまで及ぶのではないかと思います。それは3・11の震災で帰宅難民を生むかどうかにまで影響します。こうした非常時に、自らの足を駆って自分の棲家に辿り着くことができるのか、それとも帰宅して家族とともにあることを諦めざるを得ないのか、の違いは大きい(何時間もかけて歩いて帰宅された方も勿論多いのですが)。日本における個人と国の、自ら公共の福祉に貢献する意識が薄い割りに、公に頼り公に依存する関係は、こうした行動特性にもよるのではないかと思うのです。
さて、今回はオフィスとホテルを往復する退屈な日々だけでなく、20日の夜、レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンまで、地元レンジャーズとエンゼルスのホーム・ゲーム第三戦ナイターを見に行きました。なんて偉そうに言っちゃあいけません、足がないので、現地の人に連れて行ってもらいました。夜8時を回って、席についた時にはゆうに1時間が過ぎ、試合は5回裏の攻防にまで進んでいました。
前日にエンゼルス・高橋尚成が救援で活躍していたので、日本人選手の登場に妙に期待したりすることなく、心置きなくその場の雰囲気を楽しむことが出来ました。選手が天然芝で伸び伸びとプレーしやすい環境を整え、最高の選手による最高のプレーを見せて楽しませるだけでなく、その合間も楽しませる余興も仕込んでいます。代表的なのは、7回表が終わって、セブンス・イニング・ストレッチと呼ばれる、観客全員が席を立っての「私を野球に連れてって」("Take Me out to the Ball Game")の大合唱(これは100年前に観戦していた大統領がたまたまやった仕草を真似て始まったものと言われます)ですが、今回、初めて気がついたのは、“ホーム・スチール”と称して、子供が外野側からファール・グランドを走ってホーム・ベースを盗り、無事、ある時間内に戻って来ることを競うゲーム(まさに胸に抱えて走る様はホーム・スチール!)でした。回の合間に観客の映像をバックスクリーンに映し出すと、皆さん大喜びでガッツ・ポーズをするのが、どうやらテキサスの流儀のようですが、ある回が終わった時だけ“Kiss Cam”というタイトルとともに映し出されると、キスをしなければならない、なんていうイタズラ企画もありました。当然のことながらカップルは年齢を問いません。若者はもとより、倦怠期に入っていそうなオジサン・オバサン、そしてお爺ちゃん・お婆ちゃんに至るまで、自分たちの姿を認めると慌ててキスをして応えてくれます。時にさらっと、そして時に熱烈に。中にはたまたま隣り合わせただけの男女が年齢が近いというだけで勘違いされて映し出されることもあって、首を振って頑なにキスを拒むところが、観客の笑いを誘います。こうして、野球を楽しませ、野球場という場にいることを楽しませる仕組みは、アメリカ的なコマーシャリズムに毒されているというイジワルな見方も出来ないわけではありませんが、それが茶目っ気に溢れる限りは、微笑ましくそれを受け止めようという、アメリカ的な大らかさが表れているように思いました。
上の写真は、当日のレンジャーズ対エンゼルス戦6回裏、マイケル・ヤングがチーム唯一の打点を叩き出した二塁打です。42ドルのチケットは、アメリカでは高い部類に入ると思いますが、迫力のあるプレーを間近で見ることが出来ました。
そう、アメリカと日本(と言っても大都市圏のことになりますが)で違うことは勿論いろいろありますが、その内の一つは、自ら車を運転して移動するアメリカと、公共交通機関に頼って生活する日本との違い、これは単に交通手段の違いに留まらず、その心性にまで及ぶのではないかと思います。それは3・11の震災で帰宅難民を生むかどうかにまで影響します。こうした非常時に、自らの足を駆って自分の棲家に辿り着くことができるのか、それとも帰宅して家族とともにあることを諦めざるを得ないのか、の違いは大きい(何時間もかけて歩いて帰宅された方も勿論多いのですが)。日本における個人と国の、自ら公共の福祉に貢献する意識が薄い割りに、公に頼り公に依存する関係は、こうした行動特性にもよるのではないかと思うのです。
さて、今回はオフィスとホテルを往復する退屈な日々だけでなく、20日の夜、レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンまで、地元レンジャーズとエンゼルスのホーム・ゲーム第三戦ナイターを見に行きました。なんて偉そうに言っちゃあいけません、足がないので、現地の人に連れて行ってもらいました。夜8時を回って、席についた時にはゆうに1時間が過ぎ、試合は5回裏の攻防にまで進んでいました。
前日にエンゼルス・高橋尚成が救援で活躍していたので、日本人選手の登場に妙に期待したりすることなく、心置きなくその場の雰囲気を楽しむことが出来ました。選手が天然芝で伸び伸びとプレーしやすい環境を整え、最高の選手による最高のプレーを見せて楽しませるだけでなく、その合間も楽しませる余興も仕込んでいます。代表的なのは、7回表が終わって、セブンス・イニング・ストレッチと呼ばれる、観客全員が席を立っての「私を野球に連れてって」("Take Me out to the Ball Game")の大合唱(これは100年前に観戦していた大統領がたまたまやった仕草を真似て始まったものと言われます)ですが、今回、初めて気がついたのは、“ホーム・スチール”と称して、子供が外野側からファール・グランドを走ってホーム・ベースを盗り、無事、ある時間内に戻って来ることを競うゲーム(まさに胸に抱えて走る様はホーム・スチール!)でした。回の合間に観客の映像をバックスクリーンに映し出すと、皆さん大喜びでガッツ・ポーズをするのが、どうやらテキサスの流儀のようですが、ある回が終わった時だけ“Kiss Cam”というタイトルとともに映し出されると、キスをしなければならない、なんていうイタズラ企画もありました。当然のことながらカップルは年齢を問いません。若者はもとより、倦怠期に入っていそうなオジサン・オバサン、そしてお爺ちゃん・お婆ちゃんに至るまで、自分たちの姿を認めると慌ててキスをして応えてくれます。時にさらっと、そして時に熱烈に。中にはたまたま隣り合わせただけの男女が年齢が近いというだけで勘違いされて映し出されることもあって、首を振って頑なにキスを拒むところが、観客の笑いを誘います。こうして、野球を楽しませ、野球場という場にいることを楽しませる仕組みは、アメリカ的なコマーシャリズムに毒されているというイジワルな見方も出来ないわけではありませんが、それが茶目っ気に溢れる限りは、微笑ましくそれを受け止めようという、アメリカ的な大らかさが表れているように思いました。
上の写真は、当日のレンジャーズ対エンゼルス戦6回裏、マイケル・ヤングがチーム唯一の打点を叩き出した二塁打です。42ドルのチケットは、アメリカでは高い部類に入ると思いますが、迫力のあるプレーを間近で見ることが出来ました。